「可否」とは?意味や使い方を解説

「可否」という言葉は、普段の会話ではあまり使われないかもしれません。しかし、ビジネスメールや公的機関の案内、議事録などで一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。この記事では、「可否」の正しい意味や使い方、関連表現について詳しく解説します。

可否とは?可否の意味

「可否」とは、物事のよしあし(良いか悪いか)や、可能か不可能かという判断を指す言葉である。また、賛成か反対かという意味合いで用いられることもある。「可否を問う」「可否を決する」「可否が分かれる」などの形で使われ、何かの判断や評価を下す場面で登場する。

可否の説明

「可否」は「可」(よい、認める、可能)と「否」(わるい、否定する、不可能)の二つの漢字から成る熟語で、相反する二つの概念を一語にまとめた表現である。主に三つの意味で用いられる。一つ目は「よいか悪いか」という価値判断、二つ目は「可能か不可能か」という実現可能性の判断、三つ目は「賛成か反対か」という意思表示の判断である。 ビジネスシーンでは「提案の可否を検討する」「参加の可否を確認する」「導入の可否を判断する」のように、何かを行う前にその妥当性や実現性を評価する文脈で頻出する。特に公的書類やフォーマルな文章で用いられることが多く、日常会話よりも書き言葉としての使用が多いとされる。

日常会話では「いいですか」「だめですか」のように平易な表現で済ませることが多いが、ビジネス文書や公的な場面では「可否」を用いることで簡潔かつ正確に意図を伝えられる。

可否の由来・語源

「可」と「否」はともに古代中国から使われてきた漢字である。「可」は神前に祭器を供える様子を表した象形文字に由来し、そこから「よい」「許す」という意味に発展したとされる。一方「否」は「不」と「口」を組み合わせた会意文字で、口で否定するさまを表す。両者が組み合わさった「可否」という形は、中国の古典にも見られ、物事の善悪や許否を総合的に判断する概念として用いられてきた。日本には漢文とともに伝わり、公的文書や法令用語として定着したとされる。

可否の豆知識

「可否」に似た表現として「諸否」(しょひ)がある。「諸」は「これらすべて」を意味し、「諸否」は「各項目についての可否」を指す。主に申請書類や審査の場面で「諸否を通知する」のように用いられるが、「可否」に比べると使用頻度は低い。また、鉄道の駅や施設で見られる「立入可否」という表記は「立ち入ることができるかどうか」を意味し、進入禁止エリアの境界などに表示されることがある。

可否のエピソード・逸話

日本の国会審議では「可否同数」という表現が使われることがある。これは賛成と反対の票数が同数になった場合を指し、議長の決裁に委ねられることになる。また、企業の株主総会でも議案の可否が問われる場面があり、特に重要な案件では「可否が分かれる」ことが予想される場合、事前の根回しや説明会が入念に行われるとされる。このように「可否」は集団による意思決定の場面で欠かせない言葉の一つである。

可否の言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「可否」は「可」と「否」という正反対の意味を持つ漢字を並列した「対義熟語」の一種である。日本語には同様の構造を持つ言葉が多く、「善悪」(ぜんあく)、「良否」(りょうひ)、「優劣」(ゆうれつ)、「高低」(こうてい)などがある。これらの対義熟語は、二つの極端な状態を並べることで、その間のすべてを含む概念を一語で表現できるという効用を持つ。また、「可否」は漢語であるため、話し言葉より書き言葉で使われる傾向が強く、特に公式な文書や法律文において安定した使用が見られる。

可否の例文

  • 1 本企画の採否については、来週の会議で可否を検討する予定だ。
  • 2 参加可否を確認するため、出欠の返信を来週金曜日までにお願いいたします。
  • 3 新しいシステムの導入可否は、コストと効果の両面から判断されるべきだ。
  • 4 可否が分かれる議案については、必要に応じて再投票が行われる。
  • 5 申し込み多数の場合は抽選とし、当落の可否をメールでお知らせします。

「可否」の使い方と用例

「可否」は様々な文脈で使用されるが、特にフォーマルな場面での使用が多い。以下に代表的な使用パターンと用例をまとめる。

使用パターン意味用例
可否を問う 判断や意見を求める 会議で出席の可否を問うた
可否を検討する 実現可能性を考える 新規事業の可否を検討中だ
可否を決する 最終判断を下す 審査委員会が可否を決する
可否が分かれる 意見が割れる 可否が分かれる議案だった
可否を確認する 状態を確かめる 参加可否を確認の上ご連絡ください

「可否」と類義語の違い

「可否」には似た意味を持つ言葉が複数存在する。それぞれに微妙なニュアンスの違いがあり、使い分けが重要である。

  • 良否(りょうひ):品質や状態のよしあしに焦点を当てる。「製品の良否を検査する」など。
  • 適否(てきひ):状況への適合性を判断する。「処置の適否が問われる」など。
  • 当否(とうひ):正当性や妥当性を評価する。「判断の当否を議論する」など。
  • 諾否(だくひ):承諾するか拒否するかに特化する。「条件の諾否を回答する」など。
  • 賛否(さんぴ):賛成か反対かの意見表明を指す。「賛否を問う投票」など。
  • 要否(ようひ):必要か不要かを判断する。「書類の要否を確認する」など。

このように「可否」は総合的な判断を表すのに対し、類義語はそれぞれ特定の観点に特化している。場面に応じて適切な語を選ぶことが、正確なコミュニケーションにつながる。

「可否」に関するQ&A

「可否」の使い方について、よくある疑問をまとめた。

  1. 「可否」は口語で使える?→ 使えないわけではないが、堅い印象を与えるため、日常会話では「できるかどうか」「いいかどうか」のほうが自然。
  2. 「可否」に丁寧表現はある?→ 「ご可否」のような表現は一般的ではなく、「可否についてご教示ください」のように周辺を丁寧にするのがよい。
  3. 「可否」は英語で何?→ 文脈によるが、feasibility(実現可能性)、approval(承認)、propriety(妥当性)などが該当する。
  4. 「可否」は否定的な意味か?→ 中立。可(よい)と否(わるい)の両方を含むため、どちらかに偏った意味はない。

よくある質問(FAQ)

「可否」と「要否」の違いは何ですか?

「可否」は「可能か不可能か」「よいか悪いか」を判断するのに対し、「要否」は「必要か不要か」を判断する点に違いがあります。例えば「参加の可否を問う」は参加できるかどうかを尋ねる意味ですが、「参加の要否を問う」は参加が必要かどうかを尋ねる意味になります。

「可否」はビジネスメールでどう使えばいいですか?

ビジネスメールでは「ご参加の可否をお知らせください」「本件の可否についてご検討のほどよろしくお願いいたします」のように使います。相手に判断や返答を求める際に用いると簡潔で丁寧な印象を与えます。ただし、非常にカジュアルなやりとりでは「できるかどうか」「大丈夫か」といった表現のほうが自然な場合もあります。

「可否」は「賛否」と同じ意味ですか?

似ていますが厳密には異なります。「可否」は「よいか悪いか」「可能か不可能か」という広い判断を指すのに対し、「賛否」は主に「賛成か反対か」という意見の表明に特化しています。議会の採決などでは「賛否を問う」が使われ、プロジェクトの実現可能性を議論する場面では「可否を検討する」が使われるなど、文脈によって使い分けられます。

「可否」の読み方を教えてください。

「可否」は「かひ」と読みます。「可」を「か」、「否」を「ひ」と音読みしたものです。「かふ」と読まれることもありますが、現代では「かひ」が一般的です。なお、「否」は「否定(ひてい)」「否決(ひけつ)」などでも「ひ」と読まれます。

「可否」を使った類語や言い換え表現はありますか?

「可否」の類語や言い換えとしては「良否」(りょうひ:よいか悪いか)、「適否」(てきひ:適切かどうか)、「当否」(とうひ:妥当かどうか)、「諾否」(だくひ:承諾するかどうか)などがあります。また、口語的な表現では「できるかどうか」「いいかどうか」「可能か不可能か」などが使われます。