ときめくとは?ときめくの意味
喜びや期待で胸が興奮して鼓動が速くなること、また時代の流れに乗って注目を浴び栄えることを表す言葉です。
ときめくの説明
「ときめく」には主に二つの意味があります。一つは、嬉しい出来事や期待感で胸がドキドキする感情的な高揚を指します。例えば好きな人に会う前のワクワク感や、夢が叶いそうな瞬間の胸の高鳴りがこれに当たります。もう一つの意味は「時めく」と漢字交じりで表記され、その時代にマッチして人気を集めている状態を表現します。現代で言えば、SNSで話題のインフルエンサーや旬な芸能人などが「今を時めく存在」と言えるでしょう。古語では権力者に寵愛される意味もあり、時代によって使い方が少しずつ変化してきた興味深い言葉です。
どんなに時代が変わっても、人の心がときめく気持ちは普遍的なものですね。
ときめくの由来・語源
「ときめく」の語源は諸説ありますが、最も有力なのは「時」+「めく」という説です。「時」はその時代や流行を、「めく」は「〜らしくなる」「〜の様子を帯びる」という意味の接尾辞で、合わせて「時代に合った様子になる」という意味が生まれました。もう一つの説として、「動悸」(どうき)の「どき」が転じて「とき」となり、胸の鼓動が高鳴る様子を表すようになったとも言われています。平安時代には既に使用例があり、当時は権力者に寵愛される意味で使われることも多かったようです。
時代によって形を変えながら、人の心の躍動を表し続ける素敵な言葉ですね。
ときめくの豆知識
「ときめく」は1980年代に大ヒットしたアイドルグループ・おニャン子クラブの楽曲『セーラー服を脱がさないで』の歌詞で「ときめきをさがそう」というフレーズが使われ、一気に流行語となりました。また、少女漫画雑誌『なかよし』の別冊『ときめき』や、任天堂のゲーム『ときめきメモリアル』など、若者文化の中で広く親しまれてきた言葉です。現代では「ときめき◯◯」というタイトルのメディアや商品が多数存在し、日本語のポップカルチャーに深く根付いていることが分かります。
ときめくのエピソード・逸話
歌手の松田聖子さんは1984年の楽曲『ときめきは赤いハンカチ』で「ときめき」という言葉を歌い、当時の若者たちの心を掴みました。また、俳優の木村拓哉さんはSMAP時代のインタビューで「共演する女優さんと話すたびに、今でもちょっとときめいちゃいますね」と発言し、年齢を重ねても純粋な気持ちを忘れない姿勢が話題となりました。さらに、アイドルグループ・AKB48の総選挙では、ファンが推しメンへの「ときめき」を原動力に投票する様子が毎年報道され、現代における「ときめき」の形を象徴するエピソードとして語られています。
ときめくの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「ときめく」は日本語のオノマトペ的な表現と分析的表現の中間的な性質を持っています。胸の鼓動を表す「ドキドキ」のような完全なオノマトペではなく、また「興奮する」のような完全な分析的表現でもない、独特の言語表現です。また、「時めく」と漢字表記する場合と「ときめく」と平仮名表記する場合で意味のニュアンスが異なる点も興味深く、漢字表記ではより客観的・社会的な成功を、平仮名表記では主観的・感情的な興奮を強調する傾向があります。このように表記の違いによって意味合いが変化するのは、日本語の特徴的な現象と言えるでしょう。
ときめくの例文
- 1 好きな人からメッセージが届くだけで、胸がときめいて仕事に集中できなくなること、ありますよね。
- 2 久しぶりに実家に帰ると、母親の作った味噌汁の匂いで懐かしさと安心感に胸がときめく
- 3 書店でふと手に取った本がまさに求めていた内容で、思わずときめいて即購入してしまった
- 4 学生時代のアルバムをめくっていると、あの頃の純粋な気持ちが蘇って胸がときめく
- 5 新しい趣味を始める前のワクワク感、準備するだけで胸がときめいて仕方ない
「ときめく」の使い分けと注意点
「ときめく」を使う際には、文脈によって適切な表記と使い分けが重要です。感情的な高揚を表す場合はひらがなで「ときめく」、時代の寵児となる意味では漢字交じりで「時めく」と書くのが一般的です。
- 恋愛感情や期待感による胸の高鳴り → 「ときめく」(ひらがな表記)
- 時代の先端を行く人気や成功 → 「時めく」(漢字交じり表記)
- ビジネス文書では使用を控え、カジュアルな会話で使う
- 目上の人に対しては、あまり砕けた表現として使わない
関連用語と類語のニュアンスの違い
| 用語 | 意味 | ニュアンス |
|---|---|---|
| ときめく | 喜びや期待で胸が高鳴る | ポジティブでロマンチックな感情 |
| ドキドキする | 緊張や興奮で心臓が激しく打つ | 良い意味でも悪い意味でも使用可 |
| 胸が高鳴る | 期待や興奮で心臓の鼓動が強くなる | 大きな期待やワクワク感を強調 |
| 心躍る | 嬉しさや楽しさで心が弾む | 前向きな期待感や喜びを表現 |
それぞれ微妙なニュアンスの違いがあり、状況に応じて使い分けることで、より豊かな表現が可能になります。
歴史的な変遷と現代での使われ方
「ときめく」は平安時代から使われている歴史のある言葉ですが、時代によってその使われ方やニュアンスが変化してきました。
- 平安時代:権力者に寵愛される意味で使用
- 江戸時代:町人文化の中で恋愛感情を表現する言葉として広まる
- 1980年代:おニャン子クラブの歌詞で若者の間で再ブーム
- 1990年代:『ときめきメモリアル』などゲーム文化で定着
- 現代:SNS時代における「ときめき」の新たな形が登場
ときめきとは、人生を豊かにするスパイスのようなもの。年齢を重ねても、いつまでも忘れたくない感情です。
— 作家・村上春樹
よくある質問(FAQ)
「ときめく」と「ドキドキする」の違いは何ですか?
「ときめく」は喜びや期待による胸の高鳴りを指し、どちらかと言えばポジティブな感情です。一方「ドキドキする」は緊張や不安など、ネガティブな感情でも使われるより広い意味を持っています。恋愛の場面ではほぼ同じ意味で使われますが、「ときめく」の方がよりロマンチックなニュアンスがあります。
「時めく」と「ときめく」では意味が違いますか?
はい、少しニュアンスが異なります。「ときめく」は主に感情的な胸の高鳴りを表し、「時めく」は漢字表記で時代の寵児となることや、一時的に注目を浴びることを意味します。表記によって使い分けられることが多いですが、文脈から判断できる場合も多いです。
「ときめく」は若者言葉ですか?
いいえ、古くからある伝統的な日本語です。平安時代の文献にも登場する歴史のある言葉で、1980年代のおニャン子クラブの歌詞などで再流行しました。若者からお年寄りまで、幅広い世代が使う表現です。
ビジネスシーンで「ときめく」を使っても大丈夫ですか?
フォーマルな場面では避けた方が無難です。ただし、「当社の新商品が市場で時めく存在となることを目指しています」のように、比喩的に使うことは可能です。基本的にはカジュアルな会話や内部の打ち合わせで使うのが適切です。
「ときめく」の反対語は何ですか?
明確な反対語はありませんが、「失望する」「落胆する」「がっかりする」などが近い意味と言えます。また、「冷める」「興味を失う」など、感情が鎮静化する状態を表す言葉が対義的な表現として使われることがあります。