「受け身」とは?意味から対義語、使い方まで徹底解説

職場や学校で「受け身な態度ではダメだ」と注意された経験はありませんか?でも、「受け身ではない態度」を具体的にどう表現すればいいのか、意外と迷ってしまうものです。今回は「受け身」の本当の意味から、その対義語まで、日常生活で使える実践的な知識をご紹介します。

受け身とは?受け身の意味

他からの働きかけを受ける立場や態度を指し、自ら積極的に行動せずに受動的である様子を表します。

受け身の説明

「受け身」とは、自分から動くのではなく、周囲からの働きかけや指示を待つ姿勢のことを指します。例えば、会議で意見を求められてもなかなか発言しない人や、自分から提案や行動を起こさずに指示を待つ人の態度がこれに当たります。現代社会では、自発性や主体性が重視される傾向があり、受け身な態度は消極的と捉えられがちです。ただし、状況によっては聞き役に回ったり、慎重に判断するための「受け身」も必要となる場面があります。文法用語としての受動態や、柔道などでの安全確保の技術としての受け身など、多様な使われ方も知っておくと良いでしょう。

時には「受け身」でいることも大事ですが、自分から動く勇持も忘れずに!

受け身の由来・語源

「受け身」の語源は、動詞「受ける」と「身」の組み合わせから来ています。平安時代頃から使われ始めたとされ、元々は「他からの働きかけを受けること」を意味していました。特に武術の世界では、相手の攻撃を受けて身を守る技術として発展し、そこから転じて現代的な「受動的態度」の意味が生まれました。江戸時代には既に現在と同じような意味で使われており、人間の態度を表す言葉として定着していきました。

受け身も時には必要ですが、自ら動くことで新しい道が開けることもありますね!

受け身の豆知識

面白い豆知識として、日本語の「受け身」は英語の「passive」とは少しニュアンスが異なります。英語のpassiveは「受動的」という意味ですが、日本語の「受け身」には「自分からは動かないが、周囲の状況を観察している」という含意があります。また、柔道の受け身は「受身」と書くことが多く、これは安全に倒れる技術を指します。さらに、心理学では「受け身攻撃」という概念もあり、一見おとなしい態度ながら間接的に攻撃する行動パターンを指します。

受け身のエピソード・逸話

あのホリエモンこと堀江貴文氏は、若い頃から「受け身では何も始まらない」という哲学を持っていました。学生時代、自ら起業を志し、周囲から反対されても能動的に行動し続けました。また、サッカー選手の本田圭佑選手も、海外移籍時に「待っているだけではチャンスは来ない」と語り、自ら積極的に交渉を行ったことで知られています。逆に、芸人の松本人志さんは、若手時代はむしろ受け身な姿勢で先輩の話をよく聞くタイプだったそうですが、そこから学びを得て独自のスタイルを確立しました。

受け身の言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「受け身」は日本語の助動詞「れる・られる」によって形成される受動態を指します。日本語の受動態は、直接受身(「先生に褒められる」)、間接受身(「雨に降られる」)、持ち主の受身(「足を踏まれる」)の3種類に分類されます。英語などのヨーロッパ言語と異なり、日本語の受動態は「被害の受身」と呼ばれる、話し手にとって好ましくない事態を表す用法が発達しているのが特徴です。また、日本語では受動表現が敬語としても機能し、これが日本語の丁寧表現の複雑さを構成する一因となっています。

受け身の例文

  • 1 会議で意見を求められても、つい受け身になってしまい、結局何も発言できなかった…これ、あるあるですよね。
  • 2 デートの行き先をいつも相手任せにして、自分からは提案しない受け身な態度、私も思い当たります。
  • 3 仕事の指示待ち人間と言われないか、受け身にならないように気をつけているのに、つい周りの空気を読みすぎてしまうことありませんか?
  • 4 グループワークで誰かがリードしてくれるのを待つ受け身な姿勢、学生時代からずっと直っていないかも…
  • 5 SNSの既読スルーされると、つい受け身になって次のメッセージを送れなくなるの、めっちゃ共感できます!

「受け身」の使い分けと注意点

「受け身」は状況によって使い分けることが大切です。ビジネスシーンでは主体的な行動が求められる場面が多いですが、一方で聞き役に回るべき時もあります。

  • 会議では積極的に発言すべきだが、上司の話を聞く時は受け身で耳を傾ける
  • 新しい環境ではまず受け身で観察し、状況を把握してから行動する
  • チームワークでは時として受け身になり、他人の意見を尊重することも重要

注意点としては、受け身すぎると『指示待ち人間』と思われてしまう可能性があります。また、自分の意見をいつも控えめにしていると、存在感が薄れてしまうことも。

関連用語と対比

用語意味受け身との違い
能動的自ら進んで行動する様子受け身の正反対
消極的積極性に欠ける態度受け身よりネガティブな印象
受動的他からの働きかけを受ける受け身とほぼ同義だがより形式的
慎重注意深く行動する様子受け身とは異なり計画性がある

これらの用語は似ているようで、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。状況に応じて適切な表現を選びましょう。

歴史的な背景と変化

「受け身」という概念は、日本の社会構造と深く結びついています。かつての日本社会では、和を重んじるあまり、自己主張よりも周囲に合わせる「受け身」な態度が美徳とされる時代もありました。

出る杭は打たれるという言葉があるように、日本では長らく目立たないことが安全策とされてきました

— 社会学者 山本七平

しかし現代では、グローバル化や働き方改革の影響で、能動的で主体的な人材が求められるようになり、受け身な態度は必ずしも良いものと見なされなくなりました。

よくある質問(FAQ)

「受け身」と「消極的」の違いは何ですか?

「受け身」は他からの働きかけを待つ態度全般を指しますが、「消極的」はより積極性が欠如したネガティブなニュアンスが強いです。受け身でも状況を観察している場合がありますが、消極的は自ら動く意思そのものが乏しい状態を表します。

仕事で受け身にならないためにはどうすればいいですか?

小さなことから自分で決断する習慣をつけ、意見を言う機会を積極的に作ることが大切です。また、『〜してみましょうか?』と提案形で話すことで、自然と能動的な姿勢が身につきます。

受け身な性格は直せますか?

はい、意識改革と習慣づけで変えられます。まずは日々の小さな選択から自分で決める練習を始め、成功体験を積み重ねることが効果的です。周囲に『積極的に行きます』と宣言するのも良い方法です。

恋愛で受け身な人との付き合い方のコツは?

決断を迫るのではなく、選択肢を提示して選んでもらう方法がおすすめです。『AとB、どちらがいい?』と聞くことで、受け身な人でも意見を言いやすくなります。

受け身が逆に良い場面はありますか?

はい、聞き役に回るべき時や、相手の意見を尊重したい場面では有効です。また、新しい環境ではまず受け身で観察し、状況を把握してから行動するのも賢い方法です。