「胸が高鳴る」の意味
「胸が高鳴る」(むねがたかなる)とは、願い、望みなどが叶うことを想像したり、期待したりして心が浮き立つこと、興奮することを描写する言い回しです。
「胸」が表しているのは体の部位ではなく、人の体に宿っているとされる心や気持ち、感情です。
「高鳴る」という言葉で、嬉しさや楽しさで胸の鼓動が激しくなり、全身に響くような感じがすることを表現しています。
「胸が高鳴る」の使い方
「胸が高鳴る」は、楽しい時や嬉しい時に使われるポジティブな成句です。まだ実現していなくても、未来を考えるだけで気分が盛り上がる時にも使えます。自分自身の心情を表す使い方が主ですが、他の人の気持を想像して用いることもあります。
楽しみなことがある
「胸が高鳴る」を使って、現在心待ちにしていること、楽しみにしている予定がありそのことを思うと気持ちが高揚することを表せます。
【例文】
- コンサートの抽選に当たり、実際に見られると思うと胸が高鳴る。
- 憧れの人に会えるので、胸が高鳴りなかなか寝付けない。
願いが叶いそう
かねてからの念願が成就しそうな場合に、近い将来実現していることを考えると嬉しくて舞い上がりそうな気持ちになることを「胸が高鳴る」と表現できます。
【例文】
- 希望校への入学が叶いそうで、望んだ勉強ができることを思うと胸が高鳴る。
- 志望した仕事に就けそうで、活躍する自分の姿を想像すると胸が高鳴る。
良いことがありそう
四葉のクローバーがあった、美しい虹を目にしたなど、些細なことでも縁起の良い物を偶然見つけることがあります。大げさなようですが、良いことがありそうと期待して浮き立つ気持ちに「胸が高鳴る」を使えます。
【例文】
- レシートの金額が777円でラッキーセブン。良いことがありそうで胸が高鳴る。
- 初夢に富士山が出てきて、素敵な1年になるかもと胸が高鳴る。
好きな人ができた
一目惚れをした、惹かれて好意を持つようになったなど、好きな人ができることがあります。好きな人のことを考えるとドキドキしますし、恋愛がうまくいくことを想像するとワクワクする気持ちになるでしょう。その状態も「胸が高鳴る」と言えます。
【例文】
- 明日チョコレートを渡すことを考えると、胸が高鳴り落ち着かない。両思いになれるといいな。
- 好きな人からSNSの連絡先を聞かれ、嬉しくて胸が高鳴った。
「胸が高まる」誤用に注意!
名無しの権兵衛
(40代)
期待して興奮することを「胸が高まる」と言う方もいます。「胸が高鳴る」の間違いではないですか?
期待や願望で気持ちが高揚する際に使うのであれば、「胸が高鳴る」が正しいです。「高鳴る」は心が興奮して心臓の鼓動を感じることを表しています。「高まる」は、程度や度合いなどが高くなる、進行する、強化されることなので、少し意味が通じにくくなるでしょう。
読んだ時の音が似ているせいか、「高鳴る」を「高まる」と誤用する方もいるということです。心の内が高揚することを「気持ちが高まる」という言い回しはあるので、「高まる」と混ざってしまったのかもしれません。
「胸が高鳴る」の類語
ドキドキワクワクする
「ドキドキワクワクする」とは、興奮して心がはずんで落ち着かない様子を表しています。「ドキドキ」は何らかの心の動きによって脈拍や心臓の動きが激しくなる様子、「ワクワク」は期待や喜びなどによって心が落ち着かずにいる様子です。
【例文】
- 1ヶ月も先なのに、修学旅行のことを考えるとドキドキワクワクする。
- 4月から晴れて大学生になると思うと、ドキドキワクワクする。
心が弾む
「心が弾む」(こころがはずむ)とは、気持ちが晴れやかになりウキウキする様子を言います。嬉しいことや楽しいことを期待して、興奮して呼吸や心臓の鼓動が激しくなることから、嬉しくてしかたがないことを指すようになりました。
【例文】
- 夏休みの旅行の計画を考えるだけで心が弾む。
- 久しぶりの休暇にあれをしよう、これをしようと思いを巡らせて心が弾む。