「功を焦る」の意味
「功を焦る」(こうをあせる)とは、勉強や仕事などの成果をあげようとして苛立っている、功績を残そうとして慌てている状況を表しています。「功」は、実績や手柄などのこと、「焦る」は慌てる、苛立つなどの意味があります。
「功を焦る」の使い方
「功を焦る」は、結果を残すために必死であがいている状況を表していて、自分にも他人にも使えます。
早く成果を出したい
評価されている人がいて、自分も結果を出さなくてはと慌てたり、周囲の人からそろそろ十分な成果を出すよう求められたりすることがあります。「功を焦る」で、一刻も早く実績をあげなければと慌てているところを描写できます。
【例文】
- 同級生のA君が県の大会で受賞したことから、自分も「結果を残さないと」と功を焦っている。
- 入社1年目のBさんは店内で営業成績がトップになり、他の先輩社員はいたたまれず功を焦る状態だ。
結果を残すのに手段を選ばない
目に見える功績を残すためなら、どのような手段を用いても構わないという行動をする時に「功を焦る」が使えます。不正な方法を使ってでも良い結果を出そうとするのを非難するニュアンスが込められます。
【例文】
- 功を焦るCさんは、顧客の満足度調査の結果を操作してでも、一番になろうとしている。
- Dさんは、有力な出場者に辞退させるよう工作をするなど、功を焦っているように感じられる。
負けず嫌い
負けず嫌いの人は、他の人よりも優位に立つ状態でいようとする様子が見られます。常に先頭に立っている状態で、成果を残さねばとプレッシャーを感じている様子を「功を焦る」と表現できます。
【例文】
- いつもトップでいるからか、功を焦るあまり余裕が無くなっているように見受けられる。
- 彼はできて当たり前と自分に言い聞かせているため、だんだん功を焦り追い詰められてきているようだ。
十分な成果が出ない
「功を焦る」人は、必要以上に気持ちを駆り立てられているふしがあります。そのため、成果を出すのを急ぐあまり内容が詰めきれずに、気合が空回りして十分な成果が出ないことに使われることもあるでしょう。
【例文】
- 功を焦るあまり、十分な資料ができず問題点を多く指摘された。
- 自分の思いとはうらはらに十分な準備ができず、功を焦って散々な結果に終わってしまった。
「功を焦る」の類語
功名心にはやる・功名心に駆られる
「功名心(こうみょうしん)にはやる」「功名心に駆られる(かられる)」は、手柄を立てて成功したくて焦る、欲求が強くなることです。「功を焦る」と同じような意味合いで使えます。
「功名心」は、手柄や実績を積んで名をあげる気持ちを意味します。「はやる」は、早期の実現を願って焦ること、一方「駆られる」は、気持ちが高まって突き動かされることを意味し、そこから派生して、欲求が強くなることを言います。
【例文】
- 功名心にはやり、経験もないのに先頭に飛び出して後で注意を受けた。
- 早く華々しく活躍したいと功名心に駆られる。