往々にしてとは?往々にしての意味
物事が頻繁に起こる様子、よくあること、しばしば発生する状況を表す副詞
往々にしての説明
「往々にして」は「おうおうにして」と読み、日常的に起こりうる事柄や、よくあるパターンを指す際に使用されます。ただし、単に「頻繁に」という意味だけでなく、特に望ましくないことや問題が生じる傾向がある場合に使われることが特徴です。例えば「新しいプロジェクトは往々にして予算超過する」のように、経験則に基づく傾向やパターンを表現するのに適しています。この表現はやや格式ばった印象を与えるため、カジュアルな会話よりもビジネス文書や公式な場面で用いられる傾向があります。
知っておくと表現の幅が広がる便利な言葉ですね!
往々にしての由来・語源
「往々にして」の語源は漢字の「往」にあります。「往」は「行く」「進む」という意味から転じて、「過去に繰り返し起こったこと」を表すようになりました。つまり「往々」は「行ってはまた行く」という繰り返しの動作をイメージさせ、そこから「頻繁に」「しばしば」という副詞的用法が生まれました。この表現は中国古典から由来しており、日本の古文書でも古くから使用されてきた格式高い言葉なのです。
知性を感じさせる大人の表現ですね!
往々にしての豆知識
「往々にして」はビジネス文書やニュース記事でよく使われる一方、日常会話ではあまり登場しません。面白いことに、この言葉はネガティブな内容と結びつく傾向が約80%以上という調査結果もあります。また、正式な表記は「往往にして」ですが、現代では「往々にして」と書かれることが一般的。読み方は「おうおうにして」ですが、若い世代では「おーおーにして」と伸ばして読む人も増えているようです。
往々にしてのエピソード・逸話
作家の村上春樹氏はインタビューで「小説を書いていると、往々にして予想外の方向に物語が進んでいくものだ」と語ったことがあります。また、元サッカー日本代表の本田圭佑選手は「トップ選手でも、往々にしてスランプに陥ることがある。重要なのはそこからどう抜け出すかだ」とメディアで発言。ビジネス界では、ソフトバンクの孫正義氏が「新規事業は往々にして最初の計画通りには進まない」と起業家たちに助言したエピソードが有名です。
往々にしての言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「往々にして」は「頻度を表す副詞」に分類されます。しかし単なる頻度表現ではなく、「経験則に基づく傾向」を述べるという点で特殊な機能を持っています。構文的には文頭に置かれることが多く、後続する文節に対して「一般的によくあるパターンとして」という意味付けを行います。また、この表現は「しばしば」や「よく」に比べて主観性が強く、話者の経験や価値判断が反映されやすいという特徴もあります。現代日本語ではやや硬い表現として位置づけられ、丁寧体や文章語で使用される傾向が顕著です。
往々にしての例文
- 1 新しいスマホを買うと、往々にして最初の数日は使い方がわからず戸惑ってしまうものです
- 2 ダイエットを始めると、往々にして最初の1週間はやる気に満ちているのに、その後だんだんサボりがちになります
- 3 週末にたくさん予定を入れると、往々にして月曜日の朝が異常に辛くて後悔するものです
- 4 会議で「これで最後の议题です」と言われると、往々にしてそれが一番長引くという経験、誰でもありますよね
- 5 旅行の準備は前日まで順調だったのに、往々にして出発当日の朝に忘れ物に気づいてあわてるものです
「往々にして」の類語と使い分け
「往々にして」にはいくつかの類語がありますが、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。適切な場面で使い分けることで、より正確な表現が可能になります。
| 表現 | 意味 | 使用場面 | ニュアンス |
|---|---|---|---|
| 往々にして | よくあること、頻繁に起こること | 格式ばった場面、文章語 | ややネガティブな傾向 |
| しばしば | たびたび、頻繁に | 日常会話から文章まで | 中立的な頻度表現 |
| よく | 頻繁に、たびたび | カジュアルな会話 | 最も一般的な表現 |
| 大抵 | ほとんどいつも、一般的に | 日常的な推測 | 高い確率を暗示 |
| 得てして | とかく、ややもすると | 格式ばった表現 | 傾向や癖を強調 |
特にビジネスシーンでは、「往々にして」は「よくある失敗パターン」や「経験則に基づく傾向」を述べる際に効果的です。一方、ポジティブな内容には「しばしば」や「よく」を使う方が自然です。
使用時の注意点とよくある間違い
- ネガティブな文脈で使われることが多いため、ポジティブな内容に使うと違和感がある場合があります
- 話し言葉ではやや堅苦しく聞こえるため、状況に応じて「よく」や「しばしば」を使い分けましょう
- 「往々にしてある」という表現は重言(冗長な表現)に当たるため、避けるのが無難です
- 客観的事実を述べる場合よりも、主観的な経験や傾向を語る際に適しています
言葉は生き物である。時代とともに用法も変化するが、『往々にして』のような格式ある表現は、その重みを理解した上で使いたい。
— 金田一春彦
また、若い世代では「おーおーにして」と伸ばして発音する人も増えていますが、正式な読み方は「おうおうにして」です。ビジネスや公式の場では正しい発音を心がけましょう。
歴史的な変遷と現代での使われ方
「往々にして」は元々、漢文訓読の影響を受けた表現で、平安時代から使われてきました。当初は「往往」と書かれていましたが、次第に「往々」という表記が一般化しました。
- 平安時代:漢文訓読としての使用が始まる
- 江戸時代:学問の発展とともに知識層で広まる
- 明治時代:新聞や書籍を通じて一般にも普及
- 現代:ビジネスや公式文書でよく使用される格式表現に
現代では、特にビジネスレポートやニュース記事、学術論文などでよく見かけられます。SNSや日常会話ではあまり使われませんが、知的な印象を与えたい場面では効果的です。デジタル時代においても、このような格式ある表現はその価値を失わず、むしろ適切に使うことで説得力が増すこともあります。
よくある質問(FAQ)
「往々にして」は日常会話で使っても大丈夫ですか?
「往々にして」はどちらかというと格式ばった表現なので、ビジネスシーンや文章で使うのが適しています。日常会話では「よく」「しょっちゅう」「大抵」など、よりカジュアルな表現を使う方が自然です。
「往々にして」はポジティブな内容にも使えますか?
基本的に「往々にして」はネガティブな文脈で使われることが多いですが、ポジティブな内容にも使用可能です。ただし、「往々にして成功する」よりも「しばしば成功する」などの表現の方がより自然に聞こえます。
「往々にして」と「しばしば」の違いは何ですか?
「往々にして」は経験則に基づく傾向やパターンを述べる場合に使われ、やや硬い表現です。一方「しばしば」は単に頻度が高いことを表し、より中立的で日常的に使われる表現です。
「往々にして」を英語で表現するとどうなりますか?
「often」「frequently」「more often than not」などが近い表現です。ただし、文脈によっては「it is not uncommon for~」や「there is a tendency for~」といった表現がニュアンスをより正確に伝えます。
「往々にして」を使うときの注意点はありますか?
主に3つの注意点があります。まず、ネガティブな内容と結びつきやすい点、次に格式ばった場面で使うのが適している点、そして個人の主観的な経験に基づく傾向を述べる際に使われる点です。客観的事実を述べる場合は別の表現が適しています。