「エールを送る」とは?意味や使い方、類語まで徹底解説

スポーツ観戦でよく耳にする「エールを送る」という表現、実は声を出さなくても使えるって知っていましたか? 応援する気持ちを伝えたいとき、どんな場面でどう使えばいいのか、具体的なシーンを交えながら解説します。

エールを送るとは?エールを送るの意味

声を出して応援したり、心の中で激励の気持ちを伝えることを意味する表現です。

エールを送るの説明

「エールを送る」は、元々は英語の「yell」に由来する言葉ですが、日本語では独自のニュアンスで広く使われています。野球の試合で応援団が大声で声援を送るような場面はもちろん、友人や同僚が新しい挑戦をするときに「心からエールを送るよ」と静かに励ますような使い方も可能です。重要なのは「送る」を「贈る」と書かないこと。物理的な贈り物ではなく、気持ちや応援の念を伝えるという意味合いが強いため、文字を間違えるとニュアンスが変わってしまいます。スポーツ以外でも、ビジネスや日常生活で誰かを応援したいときに、柔軟に使える便利な表現です。

心のなかでそっと応援するときにも使える、温かい表現ですね。

エールを送るの由来・語源

「エールを送る」の語源は、英語の「yell」(叫ぶ、大声を出す)に由来しています。明治時代から大正時代にかけて、特に学生野球の応援で使われるようになりました。当時、早稲田大学と慶應義塾大学の野球対抗戦で、応援団が互いに大声で声援を送り合う習慣が生まれ、これが「エール」と呼ばれるようになったのが始まりです。英語の「yell」自体は単に「叫ぶ」という意味ですが、日本では「応援する」「励ます」という特別な意味合いで発展しました。

日本独自の進化を遂げた、温かみのある応援表現ですね。

エールを送るの豆知識

面白いことに、英語圏で「yell」と言っても「応援する」という意味では通じません。英語で応援するときは「cheer」や「root for」を使います。また、日本の高校野球では「エール交換」という独特の文化があります。甲子園では試合前に対戦校同士が互いにエールを送り合い、スポーツマンシップを尊重する姿が見られます。これは世界的にも珍しい習慣で、日本のスポーツ文化の特徴的な一面と言えるでしょう。

エールを送るのエピソード・逸話

2019年のラグビーワールドカップで、日本代表が強豪アイルランドを破った試合後、キャプテンのリーチ・マイケル選手が「日本の皆さんからのエールが力になりました」とコメントしました。また、歌手の松任谷由実さんはコンサートで「ファンの皆さんからいただくエールが、私の創作活動の原動力です」と語り、アーティストとファンの絆を表現しています。プロ野球では、長嶋茂雄氏が現役時代、ファンから送られる熱いエールについて「あの声が背中を押してくれた」と回想しています。

エールを送るの言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「エールを送る」は和製英語の一種であり、英語の「yell」から意味が転化した興味深い例です。これは「借用語の意味変化」と呼ばれる現象で、元の言語とは異なる意味や用法で定着するケースです。また、動詞「送る」と組み合わさって複合語を形成しており、日本語の造語力の高さを示しています。社会的には、集団で声を揃えて応援する行為が、日本の集団主義文化と深く結びついて発展してきた背景も見て取れます。

エールを送るの例文

  • 1 友達が大事なプレゼンを控えていると聞いて、メッセージで『心からエールを送るよ!』と伝えたら、『ありがとう、すごく勇気づけられた』と返事が来て嬉しくなった
  • 2 リモートワークで同僚の頑張りが見えづらくなったけど、チャットで『今日もお疲れ様!陰ながらエール送ってるよ』と一言添えるようにしている
  • 3 子どもが初めての運動会で緊張している様子を見て、スタートラインでこっそり手を振ってエールを送ったら、にっこり笑顔で返してくれた
  • 4 転職する後輩に『新しい環境でもきっと大丈夫!みんなでエールを送ってるから』と言ったら、目を潤ませながら感謝されて胸が熱くなった
  • 5 マラソン大会で知らないランナーが苦しそうに走っているのを見て、思わず『頑張れ!』とエールを送ったら、軽く会釈してペースを上げていく姿に感動した

「エールを送る」の適切な使い分け

「エールを送る」は様々なシーンで使えますが、状況に応じて適切な表現を使い分けることで、より効果的な応援ができます。

  • スポーツ観戦では大声での声援が基本ですが、静かな応援が必要な場面では拍手や手振りで
  • ビジネスシーンでは『心からエールを送ります』など、ややフォーマルな表現が適切
  • 親しい間柄では『応援してるよ!』『頑張って!』など、よりカジュアルな表現もOK
  • SNSではハッシュタグ #エールを送る を使って広く共感を呼ぶのも効果的

使用時の注意点とマナー

エールを送る際には、相手の状況や心情を考慮した適切な方法を選ぶことが大切です。

  • 相手が集中している時は、静かな方法でエールを送りましょう
  • 過度な期待やプレッシャーを与える表現は避ける
  • 公共の場では周囲への配慮を忘れずに
  • オンラインでは短文で分かりやすく、温かいメッセージを心がける

真のエールは、相手の心に寄り添うことから始まります

— スポーツ心理学専門家

関連用語と表現

「エールを送る」と併せて知っておきたい関連表現を紹介します。

用語意味使用シーン
声援を送る実際に声を出して応援するスポーツ観戦、応援合戦
激励する言葉や行動で勇気づけるビジネス、教育現場
後押しする背後から支援するキャリア支援、起業応援
サポートする具体的な支援を行うチームワーク、プロジェクト

よくある質問(FAQ)

「エールを送る」と「声援を送る」はどう違いますか?

「エールを送る」は心の中での応援も含みますが、「声援を送る」は実際に声を出して応援する場合に使われます。エールは無言の激励も含む広い概念で、声援は物理的な声による応援に限定される傾向があります。

ビジネスシーンで「エールを送る」を使っても大丈夫ですか?

はい、問題なく使えます。特に同僚のプロジェクト成功や転職、新しい挑戦を応援する際に『心からエールを送ります』などと表現すると、温かみのある励ましのメッセージになります。

英語で「エールを送る」はどう言えば伝わりますか?

英語では「cheer someone on」や「root for someone」が近い表現です。直訳の「send a yell」では通じないので注意が必要です。『I'm cheering for you!』などが自然な表現です。

SNSでエールを送る場合、どんな表現が適していますか?

ハッシュタグで #エールを送る を使ったり、『応援しています!』『頑張って!』などの短いメッセージと共に、応援のスタンプやアイコンを添えるのが効果的です。

エールを送る時に避けた方がいい表現はありますか?

プレッシャーになるような『絶対成功してね』といった強い期待表現や、相手の能力を疑うような言い回しは避けましょう。あくまで温かい励ましに徹することが大切です。