「あ察し」の意味
「あ察し」とは、相手の発言や周囲の状況などから、何かを察したことを表す言葉です。いわゆるネットスラングのひとつで、インターネット掲示板や動画サイト『ニコニコ動画』などで、よく見られます。
インターネット上では、多くの場合「あっ…(察し)」という形で表記されているようです。
「あ察し」の使い方
「察し(さっし)」とは、本来は動詞「察する」の名詞形です。「察しがいい/悪い」の形でよく使われますね。
「察する」とは、人の心の中や物事の事情を推測したり、思いやったりすることを意味する言葉です。推測される事情や心情がポジティブなものかネガティブなものかは問いません。
それに対して、ネットスラング「あ察し」は、基本的にはネガティブな内容や事柄を察したときに使われます。
使用例①
(A)
「そういや最近バイト増やしたんだって?彼女へのプレゼントを買うためって聞いたけど」
(B)
「あぁ、そのバイトならもう辞めたよ。必要なくなったから」
(A)
「あっ…(察し)」(彼女と別れたってことか…)
使用例②
(C)
「せっかくの夏休みだし、明日みんなで遊びに行こうぜ!」
(D)
「ごめん、明日は無理なんだ。その…期末テストの点数悪かったからさ…」
(C)
「あっ…(察し)」(テストで赤点だったから、補習授業に出席しなきゃいけないんだろうなぁ…。)
「あ察し」の元ネタ
「あ察し」という言葉の元ネタは、ゲイポルノビデオ『真夏の夜の淫夢』シリーズの「ザ・フェチ Vol.3 フェチシリーズ初心者編」における冒頭インタビューシーンでのやり取りです。
ソファに座っている男子学生(通称:野獣先輩)に対し、インタビュアーが年齢を尋ねます。彼が「24歳です」と答えたところ、何かを察したインタビュアーは「あっ…」と一瞬言葉を詰まらせたものの、流れるように次の質問に移りました。
24歳といえば、日本では一般的には就職している年齢ですが、医学部などの6年制学部や大学院などに通っている場合は、学生であることはごく自然なこととして捉えることができます。
しかし、本人にとって都合の悪い事情で学生を続けているケースもありえます。インタビュアーは、あらゆる可能性を考慮したうえで、あえてそのことについて触れずに次の話題に切り替えたのです。
「真夏の夜の淫夢」とは?
「真夏の夜の淫夢(まなつのよるのいんむ)」とは、2001年に株式会社コートコーポレーション(Coat Corporation Ltd.)から発売されたゲイポルノビデオのタイトルです。
当時プロ入りが有力視されていた大学野球の選手が当該ビデオに出演していたことが明らかとなり、インターネット掲示板『2ちゃんねる(現在の5ちゃんねる)』を中心としたネット界隈では広く知られる存在となりました。
2010年頃から動画サイト『ニコニコ動画』にて、本作の映像や台詞を編集・合成して作成した動画(MAD動画)の投稿数が急増し、一躍人気ジャンルとなります。
なかでも「野獣先輩」と名付けられた男優が出演している作品は人気を博し、出演作品の発掘や関連動画の投稿が相次ぐようになったのです。
ネットユーザーから高評価を受けた、「野獣先輩」のビデオ内での台詞は「淫夢語録」としてまとめられています。「淫夢語録」の中のいくつかの言葉は、『ニコニコ動画』の枠を超えて、ネット上で広く使われるスラングとなりました。
「真夏の夜の淫夢」関連のネットスラング
微レ存
「微レ存(びれぞん)」とは、「微粒子レベルで存在している」を略した表現です。可能性はとても低いものの、ゼロとは言い切れないような事柄に対して使います。
小並感
「小並感(こなみかん・しょうなみかん)」とは、「小学生並みの感想」を略した表現です。小学生でも言えるような簡単な感想や意見などに対して使われています。
いいゾ~これ
「いいゾ~これ」は、何か良いことがあった時や、素晴らしいと感じた作品などを称賛したい時に使う表現です。
オナシャス
「オナシャス」は、「お願いします」を意味する表現です。「〇〇してください、オナシャス」のように、自分の要求や希望などを書いた後、語尾に「オナシャス」を添えて使うのが一般的です。