あけすけとは?あけすけの意味
言動に包み隠しがなく、遠慮のない様子
あけすけの説明
「あけすけ」は、本心や考えを隠さずにさらけ出す態度や話し方を表す言葉です。漢字では「明け透け」と書き、物事が明らかで透けて見えるような状態をイメージすると理解しやすくなります。良い意味では「率直で正直」、悪い意味では「露骨で配慮に欠ける」という両方のニュアンスを持ち、文脈によってどちらの意味で使われているかが変わります。日常会話では、プライベートな話題を躊躇なく尋ねるような場面や、遠慮なく本音をぶつけるような態度に対して用いられることが多いです。
あけすけな人は時にトラブルメーカーにもなりますが、裏表のない性格として評価されることもありますよね。
あけすけの由来・語源
「あけすけ」の語源は、江戸時代にまで遡ります。もともと「明け透け」と書き、「明ける(あける)」と「透ける(すける)」という二つの動詞が組み合わさってできた言葉です。「明ける」は隠れていたものが見える状態になること、「透ける」は向こう側が透けて見えることを意味し、合わせて「隠すところがなく全てが明らかで透き通っている様子」を表現します。元々は物理的な物の状態を表していましたが、次第に人の態度や言動にも使われるようになりました。
あけすけさも使いようで、時には宝石のように輝くこともありますね。
あけすけの豆知識
面白いことに、「あけすけ」は時代によって評価が大きく変わってきた言葉です。昭和の高度経済成長期までは「あけすけな人」は「無遠慮で品がない」と否定的に捉えられることが多かったのですが、平成以降の価値観の多様化に伴い、「率直で嘘のない人」という肯定的な意味合いでも使われるようになりました。また、関西地方ではより日常的に使われる傾向があり、大阪の漫才などでは「あけすけなツッコミ」としてコミュニケーションの特徴の一つにもなっています。
あけすけのエピソード・逸話
お笑いタレントの明石家さんまさんは、まさに「あけすけ」の体現者と言えるでしょう。さんまさんはテレビ番組でよく「私、結婚してませんから」「給料いくらもらってるの?」など、通常ならタブーとされるようなあけすけな質問を繰り出します。しかし、そのあけすけさが却ってゲストの本音を引き出し、視聴者からも「ざっくばらんで好感が持てる」と評価されています。また、政治家では小泉純一郎元首相が「あけすけな物言い」で国民的人気を獲得し、「郵政解散」など劇的な政治決断をしたことも有名なエピソードです。
あけすけの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「あけすけ」は日本語特有の「複合動詞から派生した形容動詞」の典型例です。動詞「明ける」と「透ける」が結合し、状態を表す形容動詞化しました。このような語形成は日本語に多く見られる特徴で、類似例には「差し支える」「立ち止まる」などがあります。また、「あけすけ」はポジティブとネガティブの両方の意味合いを持つ「両価的語彙」であり、文脈や話者の関係性によって意味が変化する興味深い言葉です。この両価性は日本語の曖昧表現の特徴をよく表しており、コミュニケーションにおける「空気を読む」文化とも深く関連しています。
あけすけの例文
- 1 飲み会で初対面の人に『給料いくらですか?』とあけすけに聞かれて、どう答えていいか困ったこと、ありますよね。
- 2 親戚の集まりで、おばさんに『最近太ったんじゃない?』とあけすけに言われて、思わず俯いてしまったあの瞬間。
- 3 友達がデートの感想をあけすけに『まあまあだった』とだけ伝えてきて、もっと詳しく聞きたいのに歯がゆい思いをした経験。
- 4 職場の先輩が『その服、似合ってないよ』とあけすけに指摘してきて、朝からテンションが下がったあの朝。
- 5 SNSで知り合った人がいきなり『結婚してる?』とあけすけに聞いてきて、現代のコミュニケーションの速さに驚いたこと。
「あけすけ」の適切な使い分けと注意点
「あけすけ」を使いこなすには、状況や人間関係に応じた適切な使い分けが重要です。親しい友人同士ではコミュニケーションを円滑にする潤滑油となることもあれば、ビジネスシーンではトラブルの原因になることもあります。
- 親しい友人や家族との率直な意見交換
- 建設的なフィードバックが求められる場面
- お互いの理解を深めるための本音トーク
- 緊急時や危機的状況での明確な意思伝達
- 初対面やあまり親しくない人との会話
- 目上の人や上司とのビジネスシーン
- デリケートな話題や個人的な問題について
- 公の場やSNS上での発言
言葉は時として刃物にもなる。あけすけさも使いようだ。
— 吉田兼好『徒然草』
関連用語と微妙なニュアンスの違い
「あけすけ」には多くの類似表現がありますが、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。適切に使い分けることで、より正確なコミュニケーションが可能になります。
| 用語 | 意味 | ニュアンス | 使用例 |
|---|---|---|---|
| あけすけ | 遠慮がなく包み隠しのない様子 | やや批判的なニュアンスを含むことも | あけすけな物言い |
| 率直 | ありのままで飾らない様子 | 好意的で建設的な印象 | 率直な意見を聞かせてください |
| 露骨 | 隠さずむき出しの様子 | 欲望や本音が前面に出すぎている | 露骨な要求 |
| ざっくばらん | 遠慮がなく気取らない様子 | 親しみやすく好意的な印象 | ざっくばらんに話そう |
これらの言葉は文脈によって使い分けることが重要です。ビジネスシーンでは「率直」や「ざっくばらん」が、より適切な場合が多いでしょう。
時代とともに変化する「あけすけ」の受容性
「あけすけ」という言葉の社会的受容性は、時代とともに大きく変化してきました。かつては「無作法」とされたあけすけな態度が、現代では「誠実さ」として評価されることも少なくありません。
- 昭和時代:年功序列社会では「あけすけ」は無遠慮とされ、特に目上の人への使用はタブー視されていた
- 平成時代:バブル崩壊後、効率性重視の社会になり、率直な意見交換が徐々に評価されるようになる
- 令和時代:多様性重視の時代となり、あけすけなコミュニケーションが「透明性」として再評価される傾向にある
特にSNSの普及により、匿名性の高い環境ではあけすけな発言が増加する一方、その影響力の大きさから適切な使い方が求められています。現代では、あけすけさと配慮のバランスがこれまで以上に重要視されています。
よくある質問(FAQ)
「あけすけ」と「率直」の違いは何ですか?
「あけすけ」は時に配慮に欠けるニュアンスを含むのに対し、「率直」は誠実で好意的な印象を与えます。例えば「あけすけな意見」は遠慮なくぶつける感じですが、「率直な意見」は正直で建設的なアドバイスというイメージです。
「あけすけ」は褒め言葉として使えますか?
文脈によりますが、近年では「あけすけな人」を「裏表がなくて信頼できる」と肯定的に捉える傾向もあります。特に若い世代では、ざっくばらんさを評価する場合に褒め言葉として使われることもあります。
ビジネスシーンで「あけすけ」な発言は避けるべきですか?
基本的にはTPOを考慮すべきです。建設的な意見交換では率直さが求められますが、相手の立場や感情を考えずにあけすけに発言すると人間関係にヒビが入る可能性があります。特に上下関係が厳しい場面では注意が必要です。
「あけすけ」の反対語は何ですか?
「婉曲」や「遠回し」が反対語に当たります。また「奥歯に物が挟まったような」という表現も、あけすけの対極を表す慣用句としてよく使われます。
あけすけな性格を直す方法はありますか?
まずは「一度深呼吸してから発言する」習慣をつけるのがおすすめです。また、自分の意見を伝える前に「こう言ったら相手はどう感じるか」を一瞬でいいので考えるクセをつけると、自然と配慮のある伝え方が身に付きます。