「閉じコン」とは
「閉じコン」の意味
「閉じコン」とは「閉じたコンテンツ」の略語。「一部の愛好者やマニアの間でのみ、好まれているコンテンツ」という意味です。「閉じた」とは、「狭いコミュニティ(閉じた世界)」を指しています。
「閉じコン」が使われる対象は、漫画やアニメ、映画、ゲームだけでなく、アイドル、タレント、音楽などさまざまです。
「閉じる」とは
「閉じる」とは、「しめる」「しまる」「やめる」「とじこめる」ことを表す言葉です。「閉じコン」というときの「閉じる」に近い、「閉」を含む熟語には、次のようなものがあります。
- 閉鎖(へいさ):出入り口を閉じること。組織体がその活動や機能を停止すること。
- 閉塞(へいそく):閉じて塞ぐこと。先行きが見えないこと。
「コンテンツ」とは
「コンテンツ」は、内容を意味する英語の"content"に由来するカタカナ語です。本来は「書籍などの目次や内容」を指す言葉ですが、現在では ネット上の文書・音声・映像・ゲームソフトなどの、デジタル情報という意味もあります。
「閉じコン」の基準はさまざま
何を対象に「閉じコン」と言うかは状況に依存し、またそれを発する人によっても異なります。人によって好き嫌いの激しいマニアックな新規のジャンル(ホラーや残虐系など)に対して使うこともあれば、人気が落ちてきた作品に対して使うこともあります。
また、制作サイドの体制やサービス、あるいは古参のファンが排他的であるなどの理由で、にわかファン(新参者)が入りにくい閉鎖的な作品やジャンルを対象とすることもあります。
「閉じコン」の使い方
「閉じコン」の使い方は二通りです。ひとつは、あるコンテンツを評する場合。この場合は、「マニアックだね」「なんでそんなもの好きなの?」というニュアンスが含まれることがあります。
もうひとつは、自分が好きなコンテンツに対して「人気がなくとも自分は好きだ」、あるいは、「人気がない」と自虐的に用いる場合です。
(A)
もう○○は閉じコンでしょ。
(B)
え?閉じコンなの?まだ人気あると思ってた。
(C)
閉じコンでも俺は○○が好きだな。
(D)
俺も。閉じコンは閉じコンのままでも良くない?
自分が好きなものを、他人から「閉じコン」と評されるのは気分が良いものではありません。他人が好きなものを指して使う場合には注意が必要です。
派生語「閉じコン化」
「閉じコン」から派生した言葉に「閉じコン化」があります。「閉じコン化」とは、「以前は一般的に人気が高かったコンテンツが、現在では一部のマニアにしか支持されなくなった現象」を表す言葉です。「○○はすっかり閉じコン化したね」のように用いられます。
「閉じコン」の類語
「閉じコン」は、一部の人にしか支持されていないものですから、次のような類語が考えられます。
- カルト作品
- ニッチな趣味
- マイナーな作品
- マニアックな作品
「閉じコン」と「オワコン」
「オワコン」とは
「閉じコン」は「オワコン」から派生した言葉だと言われています。「オワコン」とは「もう終わっているコンテンツ」という意味です。
この場合の「終わった」は、テレビ放送や漫画連載、ゲーム配信が終了したということではなく、人気がなくなった、ファンから見放されたことを指しています。
「閉じコン」と「オワコン」の違い
もう終わっている「オワコン」に対して、「閉じコン」とは「まだ終わっていない。一部の人たちからはまだ支持されている」ことを強調した表現です。
そのほかの「○○コン」
「閉じコン」「オワコン」のほかにも「○○コンテンツ」や「○○コン」という言葉があります。
「エンドコンテンツ」
英語の"end game content"が、カタカナ語では「エンドコンテンツ」と縮められています。「エンドコンテンツ」は、RPGゲームなどをクリアした後のお楽しみ要素という意味です。
例えば、クリア後に出現する新たな敵やアイテム、新たに追加されるステージやダンジョンなどのことです。
「キラーコンテンツ(キラコン)」
「キラーコンテンツ(キラコン)」は、特定の分野を普及させるきっかけとなるような、集客力がある魅力的な情報やソフトウエア、商品、サービスを指しています。
「詰みコン」
「詰みコン」は、「先の展開が詰んでいるコンテンツ」の略。現在も放送中、連載中、サービス継続中であるものの、これから発展する見込みがなく、このまま人気が下火になって「終わる」だろうと思われるコンテンツを指す言葉です。