目次
「トリプルスリー」とは
「トリプルスリー」とは、プロ野球において、1シーズンに打率3割以上、本塁打30本以上、盗塁30以上の記録を同時に達成することです。「3割30本30盗塁」とも呼ばれています。
野球の本場であるアメリカにおいては、「トリプルスリー」という言葉は定着していません。それよりも、年間30本塁打、30盗塁を高く評価し、「30-30」と呼んでいます。なお、「トリプルスリー」自体は和製英語です。
「トリプルスリー」の使い方
- 彼は、トリプルスリーを2年連続で達成したすばらしい選手だ。
- 1シーズンで2人の選手がトリプルスリーを達成しました。たいへん珍しいことです。
- トリプルスリーを目指して打力と走力の両方を毎日鍛えています。
「トリプルスリー」とはその変遷:無名の時期
1950年代に当時のプロ野球選手がトリプルスリーを達成しました。岩本義行(松竹ロビンズ所属)、別当薫(毎日オリオンズ所属)、中西太(西鉄ライオンズ所属)の3人の選手です。
岩本義行と別当薫は2人とも1950年のシーズンに達成しました。同一シーズンで2人のトリプルスリー達成は初めてのことでしたが、当時は「トリプルスリー」という言葉は存在せず、注目もされませんでした。
トリプルスリーとはその変遷:知名度がアップした時期
1980年代は、トリプルスリーがようやく注目され、話題となり始めた時期です。そのきっかけとなったのは、1983年に当時の阪急ブレーブスの蓑田浩二が30年ぶりにトリプルスリーを達成したことです。
マスコミなどにも取り上げられ、その6年後の1989年には、西武ライオンズの秋山幸二が次いでトリプルスリーを達成しました。
「トリプルスリー」とはその変遷:記録ラッシュの時期
2015年から2018年にかけては、トリプルスリー達成の記録ラッシュとなりました。2015年には、東京ヤクルトスワローズの山田哲人と、福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐がトリプルスリーを同時達成。
1950年に同時達成して以来、65年ぶりの快挙となりました。そのため、マスコミなどで話題となり、2015年の流行語大賞となりました。
その後、山田哲人は2016年、2018年とトリプルスリーを達成しました。1950年から2018年までの68年間で、トリプルスリー達成者は12人います。
その内、トリプルスリーを3回達成した人は山田哲人1人です。トリプルスリーの2年連続及び3回の達成はプロ野球史上初めてです。
「トリプルスリー」を達成するポイント
「トリプルスリー」は、打力と走力がないと達成できません。打力のある打者は、盗塁を成功させる走力が課題となります。また、走力のある打者は、打力が課題となります。
打力と走力の両方を兼ね備えた選手もいますが、どちらかに課題のある選手が多い傾向にあります。そのため、「トリプルスリー」は難易度の高い記録となっており、毎年達成者がでるとは限りません。
打率3割以上
トリプルスリーを達成するためには、打率は常に3割以上をキープしなくてはなりません。
本塁打や盗塁なら記録が下がることはありませんが、打率は打席に立つ度にヒットかフォアボールを選ばないかぎり下がってしまいます。毎試合、ヒットかフォアボールで出塁することが必要です。
本塁打30本以上
本塁打を30本以上打つには長打力が必要です。長打力のある打者は、3番、4番、5番のクリーンアップをつとめるスラッガーです。
しかし、長打力はあっても走力を兼ね備えた選手は少ないので、盗塁30以上を達成するためには、走力のある俊足の長距離バッターが必要です。
盗塁30以上
盗塁30以上を達成するには俊足でなければなりません。また、投手との駆け引きの習得やスライディング技術なども必要です。同時に出塁率の高さも求められます。