「ブツブツ(ぶつぶつ)」とは
「ブツブツ(ぶつぶつ)」には様々な意味があります。
- 小声でものを言うさま
- 不平・不満・小言を言うさま
- 泡立つように煮え立つさま
- 小さな粒や泡が沢山できるさま
- ものを細かく切る・何度も穴を開けるさま
- 表面に沢山できた粒状のもの
なお、意味1〜5は副詞、6は名詞として用いられ、副詞の場合は「ブツブツと」という形で使われることもあります。
アクセントは、副詞として用いられる場合は「埼玉」と同じく頭高、名詞として用いられる場合は「東京」と同じく中高となります。
「ブツブツ(ぶつぶつ)」の意味・使い方
意味①小声でものを言うさま
「ブツブツ」は、小声でものを言うさま、言葉を口先で発するさまを表すことがあります。「ツプツプ」「フツフツ」「プツプツ」「ボソボソ」「モゴモゴ」も同じ様子を指す言葉です。
【使い方】
- 彼女はいつもブツブツ(と)ひとりごとを言っている。
- 文化祭が近いので、帰り道、ブツブツ(と)台詞の練習をした。
- 坊主はブツブツと経を唱えていたようだった。
意味②不平・不満・小言を言うさま
「ブツブツ」には、意味①の派生で、小声で言う内容が不平・不満・小言である場合もあり、「ツプツプ」「ぶつくさ」で言い換えられます。
【使い方】
- あの人たちは、陰でブツブツ(と)愚痴ばかり言っている。
- ブツブツ(と)言ってないで、文句があるならハッキリ言ってよ!
- 笑顔で返事をしたものの、給湯室でブツブツ(と)不平を言っていた。
意味③泡立つように煮え立つさま
「ブツブツ」には、泡立つように煮え立つさま、音を立てて沸騰するさまという意味ががあり、「グツグツ」「ブクブク」も同じ様子を表します。また、転じて、胸がどきどきするさまを指すこともあります。
【使い方】
- 粥がブツブツ(と)煮えてきた。
- ガスが水面にブツブツ(と)吹き出している。
- 興奮して胸がブツブツ(と)なる心地だ。
意味④小さな粒や泡が沢山できるさま
「ブツブツ」は、小さな泡や粒が次から次へと出るさま、粒状の物が多くあるさまを表わすことがあり、「ブクブク」「ツプツプ」と言い換えることができます。
【使い方】
- カニがブツブツ(と)泡を吹いている。
- 顔にブツブツ(と)湿疹が出たので薬を塗った。
意味⑤物を細かく切る・何度も穴を開けるさま
「ブツブツ」は、綱や縄などを勢いよく切断する音や、物を細かく切るさま、切れ切れになるさま、また、細く鋭いもので何度も穴をあけるさまを表わすことがあります。この場合、「プツプツ」と言い換えることが可能です。
【使い方】
- 仕掛けの縄をブツブツ(と)切った。
- 魚をブツブツ(と)切って鍋に入れた。
- 袖を引っ張られて縫い目がブツブツ(と)切れた。
- 子供達は障子にブツブツ(と)穴をあけて遊んでいる。
意味⑥表面に沢山できた粒状の物
「ブツブツ」には、意味④でできた粒状の物それ自体を指して、表面に沢山出来た粒状の物という意味もあります。
【使い方】
- 背中にブツブツができたので皮膚科に通院している。
- 痒みは治まったが、まだ肌にブツブツが残っている。
ブツブツ恐怖症(トライポフォビア)
タンチョウヅルの頭部をアップにした写真がネットに出回った際に話題になった、通称「ブツブツ恐怖症」は、正しくは「トライポフォビア(trypophobia)」といい、小さな穴や粒や斑点などの集合体に対する恐怖症を指す言葉です。
「トライポフォビア」は2005年に命名された、ギリシャ語の「trypo(小さく開いた穴)」と「phobia(恐怖症)」を組み合わせた造語。日本語では「集合体恐怖症」と通称されることもあります。
現状では、精神疾患として認知されていませんが、実際のところ、数千人規模の人が、蜂の巣や蓮の実など小さな穴の集合体に対して、恐怖や嫌悪感を抱くことが分かっています。