「間接自慢」とは？意味や使い方をご紹介

「間接自慢」は読んで時のごとく、間接的に自慢している様子をいいます。特にSNSに投稿された写真に対してよく用いられます。

「自慢」とは、「自分自身や、自分が深く関係している物事を他人に誇ること」です。「自慢顔」や「自慢話」という言葉もありますね。ただし、他者の行為を「自慢」と定義する場合、その根拠は受け手の印象によるものです。

たとえば服を褒められた人が、「でもこの服安かったのよ」と発言したとします。それを「なんだ安物か」と思って聞く人もいれば、「買い物上手だって自慢したいのね」と受け取る人もいるかもしれません。では、「この服安かったのよ」は自慢でしょうか？

答えは本人にしかわかりません。要するに「他人の言動を自慢と定義づけること」は、そもそもとても主観的で恣意（しい）的なことなのです。

上記を踏まえたうえで、間接自慢がどのようなときに使われるのか、ひとつ例を挙げてみます。

「ここのランチは美味しいよ」という情報を、料理の写真と共に投稿するのはよくあることですよね。でもその写真の隅に、ランチとは関係ない「高級財布」が、わざとらしく写り込んでいた。

「この人は本当にランチの情報を投稿したかったのだろうか？いや、『たまたま写っちゃった、他意はありません』とでも言いたげに写り込んでいる、この高級財布をこそ見てほしかったのだろう」

そんなときに、受け手はこの投稿を「間接自慢」と定義します。間接自慢は投稿の趣旨とは関係ないのでスルーすればよいのですが、どうしても鼻につくという感想を持つ人は少なくないようです。

• それ、間接自慢でしょ？
• はいはい、間接自慢
• 間接自慢かもしれないけど、本当に凄いわ
• 大したことないね、間接自慢になってない

間接自慢しているSNSを、芸能人の投稿で見てみましょう。

忙しい日々についての投稿ですが、その仕事風景がおしゃれ過ぎて「こんな素敵な空間が仕事場なの」という間接自慢ともとれます。

フランス滞在中の移動について投稿しています。

元自由民主党幹事長も務めた武部勉の次男で実業家の男性と結婚した田丸麻紀は、セレブな生活をインスタグラムで披露しています。最近セレブぶりが目につくとも噂され、これもその中の一つといわれています。

「フランスでの専属ドライバーも並みのドライバーではない」と間接的に自慢していると感じる人もいます。

「これから髪を切りに行く」という文章での投稿ですが、髪を切りに行くのとは関係のない、高級腕時計がばっちり写った写真です。スクーデリアというブランドです。

「間接自慢」に定義されるもののなかには、そういうつもりではないのに自慢と受け取られてしまったというケースもありますが、受け手の読みどおり確信犯だったというケースも勿論あります。

人間の心理ですから一概には言えませんが、間接自慢する人は以下のような傾向があると言われています。

他者からの称賛が欲しいけれど、ストレートに自慢をする勇気がない。だから自分からは発信せず、気づいた誰かが「すごいね！」と言ってくれるのを待ちます。

ステータスをアピールするのに、一番手っ取り早いのがブランド品です。高価な服、靴、バッグ、高級車、高級レストラン、高級ホテルなどで、セレブな雰囲気を出そうとします。

彼氏がこんなに格好いい、彼女がこんなにスタイル良いなど、第三者に褒めてもらいたくて写真の脇に写り込ませることもあります。付き合っている人がいるということ自体を悟って欲しくて、さりげなく異性の手や足を写す人もいます。

また、有名人とのツーショットも多く使われる手です。「展示会に行ってきました」と言いながら、有名アーティストと一緒に写った写真を載せて、自分の交友関係の広さや友人のレベルの高さをアピールします。

誰かから「幸せそうだ」と思われることを、実際に自分が幸せかどうかよりも重要視する人もいます。

見栄っ張りだったり、他人の目を気にしすぎたりするタイプの人は、「幸せアピール」とも言える間接自慢をしがちです。

間接自慢を見て気分を害する人もいますが、そういう感情は捨てて、「はいはい間接自慢ね」と間接自慢を見つけて楽しむ人もいます。

子どもはよく「自分は凄いのだ」と自慢しますが、大人はそれを否定せずに見守りますよね。その感覚に似ています。

ママ友に間接自慢され続けて嫌気がさすママもいるようですが、「はいはい、間接自慢ね」とスルーしたり、同じように嫌気がさしているママとその話で盛り上がったりすると、間接自慢を楽しめるようです。

時にはあからさまに自慢していると思えるような間接自慢をしてくる人たちもいます。間接自慢を楽しむ人にはご馳走です。