「人事を尽くす」とは?意味や使い方をご紹介

「人事を尽くす」という語句は、慣用句やことわざで聞いたことがある方もいるかもしれません。「人事を尽くす」の意味と使い方を例文を挙げて説明します。また、派生する元の語句や関連する言葉といわれ、類語表現についても紹介します。

目次

  1. 「人事を尽くす」の意味
  2. 元の語句「人事を尽くして天命を待つ」
  3. 「人事を尽くす」の類語

「人事を尽くす」の意味

「人事を尽くす」とは、「人ができること全てを完全にやり遂げる」という意味です。自分ができることすべて、悔いのないように全力を出し切って実行することを表します。

「人事」は「人間としてできる物事」や、「一個人としてなし得る事柄」という意味です。「尽くす」には「問題の打開を図るために策を練り、悔いを残さないように持てる全ての力を出し切って仕上げる」という意味合いがあります。

【使用例】

  • 人事を尽くすような気持ちで災害への備えをするべきだ。
  • 大事な記念式典の責任者を任され、人事を尽くして開催までこぎつけた。

元の語句「人事を尽くして天命を待つ」

「人事を尽くす」は人事を尽くして天命を待つ」の派生語で、前半部分の「人事を尽くして」が独立したものです。

「人事を尽くして天命を待つ」の意味は、「人ができる最大限のことをし終えたら、後は天から授けられた運命に任せる」です。

派生語「天命に安んじて人事を尽くす」

「天命に安んじて人事を尽くす」ですが、こちらの語句は明治時代の仏教学者・清沢満之(きよざわ・まんし)によって作られました。元の「人事を尽くして天命を待つ」が、「結局は物事を運に任せている」意味合いに思え、清沢は自分で努力をしないで他力本願ではないだろうかと感じていたということです。自発的な意味になるように言い換えて「天命に安んじて人事を尽くす」という語句を作ったと言われています。

意味は「天からの使命を満足して受け入れ、運命の中で自分ができる限りのことを努力してやり遂げる」です。運を天に任せるのも大切だが、自分が叶えたいことへ全ての力を注いで努力することも重要だと言いたいのではないでしょうか。

「人事を尽くす」の類語

「人事を尽くす」の類語例

  • 最善を尽くす「選択できる手段の中で、最も善いと考えられる全てを行うこと」
  • 全身全霊を傾ける「物事を行う時に精魂込めて本気で取り組むこと」
  • 全力投球「全ての力を尽くして行動すること」

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