「馬鹿」の意味
「馬鹿」は以下のように、広い意味で使われる熟語です。
- おろかなこと、またその人
- 取るに足らないつまらないこと、無益なこと、とんでもないこと
- 役に立たないこと
- 度が外れていること
- 特定のものに度を越して熱中すること
「馬鹿」以外に、「莫迦」という表記もありますが、一般的なのは前者です。
「馬鹿」の使い方
馬鹿:おろかなこと
「おろかなこと」という意味の馬鹿は、行為や人物評価などに用いられます。
ただしその基準は発言者の主観によるもので、実際に一般的な利口さのラインを下回っている場合もあれば、客観的に見れば利口ながら発言者よりは劣っている場合などさまざまです。また文脈などにより、「馬鹿」の意味するところも大きく変わります。
【基準の違い】
- 兄は馬鹿なのでいつもテストで赤点をとっている。(基準が低い)
- この俺を相手に心理戦を仕掛けるとは馬鹿な奴だ。(基準が高い)
【ニュアンスの違い】
- あいつは馬鹿だから会話したくない。(蔑視)
- 馬鹿だなあ、お前を嫌いになるわけないじゃないか。(好意)
- フッ…俺なんかの命を助けるとは…馬鹿な奴だ…。(感謝)
馬鹿:取るに足らないつまらないこと
「取るに足らないつまらないこと、無益なこと、とんでもないこと」という意味の「馬鹿」は、発言内容や行為に対する評価として用いられます。
【取るに足らないつまらないこと】
- 博打に溺れて自己破産なんて、馬鹿なことをしたものだ。
- 俺が浮気してるだって?馬鹿なことを言うもんじゃない。
【無益なこと】
- あの2人、またつるんで馬鹿なことをやってるよ。
- 馬鹿なことはやめろ!人質を解放するんだ!お袋さん泣いてるぞ!
【とんでもないこと】
- 卵をレンジで温めるとは、なんて馬鹿なことをしたんだ。
- 俺に囮になれだって!?馬鹿を言うなよ!
馬鹿:役に立たないこと
「役に立たないこと」という意味の「馬鹿」は、道具やその部品など、本来機能すべきものが機能しなくなったときに用いられます。
- 蝶番(ちょうつがい)が馬鹿になってドアが傾く
- 鼻が馬鹿になってしまって匂いがわからない
馬鹿:度が外れていること
「度が外れていること」という意味の「馬鹿」は、程度の甚だしさを表します。とくに接頭語として、別の単語の頭につくことが多いのが特徴です。
- 彼女は馬鹿正直だから、都会に出るのが心配だ。
- 馬鹿騒ぎはそこまでだ。
- 馬鹿丁寧にお辞儀をする。
- 今夜は馬鹿に蒸し暑い。
馬鹿:特定のものに度を越して熱中すること
「特定のものに度を越して熱中すること」という意味の「馬鹿」は、「熱中しているもの+馬鹿」という単語の組み合わせで用いられます。ただ熱中しているというよりは、熱中するがあまりそれ以外が疎かになるようなニュアンスです。
- 父が親馬鹿まる出しで恥ずかしい。
- 課長は自他ともに認める釣りバカだ。
「馬鹿」の類語
- 阿呆…愚かであるさま、馬鹿なこと、またその人
- 愚か…知能・理解が乏しいこと、馬鹿げていること
- 戯(たわ)け者…戯けたもの、痴れ者、馬鹿者
- 間抜け…間の抜けたこと、することに抜かりのあること、またその人
- 頓馬(とんま)…のろま、まぬけ
- 痴(し)れ者…愚かな者、馬鹿者
- 暗愚(あんぐ)…道理に暗く愚かなこと、またそういう人
- 唐変木(とうへんぼく)…気が利かない人物、偏屈な人物、わからずや、間抜け
「馬鹿」を使ったことわざ・慣用句
- 馬鹿と鋏は使いよう…切れない鋏でも使いようによっては切れるように、馬鹿も使いようによっては役に立つ。
- 馬鹿に付ける薬はない…馬鹿を治す方法はない。馬鹿は教え導く方法がない。
- 馬鹿の一つ覚え…ひとつのことだけを覚えて、それをどんな時も得意げに振り回すことを嘲って言う。
- 馬鹿も休み休み言え…相手の言ったつまらないこと、いい加減なことをたしなめて言う。
- 馬鹿を見る…つまらない目にあう。損をする。