「ドメスティック」の意味
カタカナ表記で目にすることのある「ドメスティック」ですが、もともとは英単語の「Domestic」が語源です。単語の意味は「家庭の」「家事の」「家庭向きの」「所帯じみた」と、「家庭」を表します。語源はラテン語の「家庭の」を表す「Domesticus」です。
「ドメスティックバイオレンス」は熟語
普段ニュースなどで「ドメスティック」という単語を耳にするのは、社会的な問題となっている「ドメスティックバイオレンス」ではないでしょうか。
ついつい一つの単語としてとらえてしまいがちですが、「ドメスティック」は「家庭の」、「バイオレンス」は「暴力」と二つの単語からなる熟語で、日本語では「家庭内暴力」になります。
家庭はとても温かく守られた印象のある言葉ですが、反面、小さく閉ざされた世界です。ほかの人の目に触れない小さな世界で、夫が妻を、または妻が夫に暴力をふるう、または親が子供に暴力をふるう虐待も「ドメスティックバイオレンス」と言えるでしょう。
高齢化社会が問題になってきている昨今では、介護疲れによる家庭内暴力、殺人のニュースも増えています。残念なことですが、核家族化がどんどん進む中、「ドメスティック」な問題はこれからも社会的な課題となり続けるでしょう。
「ドメスティック」の使用例
「家庭」を表す言葉としてお伝えした「ドメスティクス」ですが、もう一つ「国内の」「国産の」という意味を持ちます。最近はこちらの意味で、特にビジネスシーンで使用されることが増えてきました。勘違いをしないようにしましょう。
仕事上の会話を例にとると、
「うちの製品はドメスティクスです。」
「弊社はドメスティクスの会社とのみ、お取引をしております。」
と、伝えられた時に「家庭の」としてとらえ解釈してしまうと、後で失礼になってしまったり、せっかくの機会を取り逃がしたりと、マイナスの展開になってしまう恐れもあります。
英語が社内用語の会社がある昨今、一般的な使い方だけで解釈せず、疑問が生じたら正しい意味を確認しましょう。
ファッション界の「ドメスティック」
まだまだ、使用される機会の少ない「ドメスティック」ですが、「国産」としての意味でファッションの分野では徐々に浸透しているようです。
以前はファッションブランドというと外国のブランドが良質で、デザイン的にも良いと人気がありましたが、昨今では日本の丁寧で繊細な技術とデザインの良さから、「ドメスティックブランド」が注目されています。
世界的にも注目され続けているブランドとしては「ヨウジ・ヤマモト」や、「イッセイ・ミヤケ」、「コムデギャルソン」などが、有名ですね。
ファッションのみでなく、日本の仕事の丁寧さが改めて評価されている昨今、他の分野からも、世界から注目される新たなブランドが台頭してくることでしょう。
少年漫画「ドメスティックな彼女」
「ドメスティックな彼女」は「流石景」原作の少年漫画です。週刊少年マガジンで2014年から連載が始まり、2018年にはアニメ化されることが決まりました。
主人公は高校生の男の子。初めて肉体関係を持った女の子が実は想いを寄せている女の子と姉妹だった。そのうえ、お互いの親の再婚がきっかっけで姉妹と義理の兄弟になってしまうストーリーです。
性的な描写や、不倫などの不道徳要素はありますが、「ドメスティック」とついていても「ドメスティックバイオレンス」といった暴力的な要素はありません。