誰得とは?誰得の意味
「誰が得するんだよ」が省略された言葉で、誰の得にもならない、価値が不明、目的が理解できないものごとに対して使われる否定的な表現
誰得の説明
「誰得」は2005年頃に2ちゃんねる(現5ちゃんねる)で生まれたネットスラングです。意味のないスレッドに対して「誰が得するんだよこのスレは」というツッコミが投稿され、そのフレーズが省略されて「誰得」という4文字の言葉になりました。基本的には他人の行動や情報に対して「これって誰の得になるの?」と疑問や批判を投げかける際に使われますが、自分の発言や行動を謙遜するときにも用いられます。例えば「誰得情報ですが…」といった使い方です。類似語として「俺得」(自分にとって得)や「私得」(女性が使う場合)も存在し、現代のネット文化を反映した面白い言葉の一つと言えるでしょう。
ネット発の言葉の進化って本当に面白いですね。省略から生まれた言葉がここまで広がるとは!
誰得の由来・語源
「誰得」の由来は、2005年頃のインターネット掲示板「2ちゃんねる」(現5ちゃんねる)に遡ります。ある無意味なスレッドが立ち上がった際、それに対して「誰が得するんだよこのスレは」という鋭いツッコミが即座に投稿され、そのフレーズの面白さと反応の速さが話題となりました。この「誰が得するんだよ」が次第に省略され、リズムの良い4文字「誰得(ダレトク)」として定着しました。ネット文化ならではの即興性とコミュニティ内での共有を経て、現在の形に進化した典型的なネットスラングです。
たった4文字に込められたツッコミの精神、さすがネット文化の傑作ですね!
誰得の豆知識
「誰得」には面白いバリエーションが存在します。例えば「俺得(オレトク)」は「俺の得になる」の省略で、自分だけが得する状況を指します。また、女性が使う場合は「私得(ワタシトク)」という表現も見られます。さらに、謙遜の意味で自分の発言に「(誰得)」と付ける使い方も広まっており、自己紹介や自慢話の最後に添えることで「こんな話、誰得だろうけど…」というニュアンスを加えられます。これらの派生語からも、ネット言語の柔軟性と創造性が窺えます。
誰得のエピソード・逸話
お笑い芸人の厚切りジェイソンさんは、自身のラジオ番組で「誰得」という言葉を取り上げたことがあります。アメリカ出身の彼は「日本語の省略文化は面白い」とコメントし、「誰得は英語で 'Who benefits?' という感じだけど、4文字に縮まるのが日本語らしい」と分析しました。また、人気YouTuberのヒカキンさんは動画内で視聴者から寄せられた「誰得な質問」に対して「これまさに誰得だよね!」と笑いながらツッコむ場面があり、現代のエンタメシーンでも自然に使われるようになっています。
誰得の言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「誰得」は「省略語」の一種であり、特に「文の省略」という特徴を持ちます。通常の省略語が単語を短縮するのに対し、「誰得」は完全な文「誰が得するんだよ」が4文字に凝縮されています。これは日本語の「主語省略」や「述語焦点」の特性が活かされた例です。また、ネットスラングとしての普及は、「言語の経済性原理」や「共同体における合意形成」のプロセスを反映しており、デジタルコミュニケーションにおける言語進化の典型例と言えます。さらに、否定形でありながら文脈によっては謙遜表現として機能するという、多義性を持つ点も興味深い言語現象です。
誰得の例文
- 1 友達がSNSに『今朝食べた朝食の写真』をアップしてきて…めっちゃ微妙な写真で「誰得?」って思っちゃった
- 2 会社の会議で1時間もかけて決めたことが、結局誰にもメリットない内容で「これ完全に誰得会議だよね」と同僚と苦笑い
- 3 電車の広告に超マニアックな商品が載ってて「こんなのいったい誰が買うの?まさに誰得広告…」とつぶやいてしまった
- 4 YouTubeで3時間かけて作った編集動画を友達に見せたら「面白いけど…これ誰得動画じゃない?」って言われてちょっと傷ついた
- 5 マンガの全集を買おうか迷って友達に相談したら「高いし置き場ないし…誰得な買い物だよ」って止められた(結局買ったけど)
「誰得」の適切な使い分けと注意点
「誰得」は便利な表現ですが、使い方によっては相手を傷つける可能性があります。特に創作活動や誰かの努力の成果に対して使う時は注意が必要です。
- 親しい友人同士のカジュアルな会話ではOK
- 職場では同僚との雑談程度に留める
- 目上の人や公式な場面では使用を避ける
- 誰かの作品や努力を評価する場面では使わない
基本的には「自分ごと」として使うのが安全で、自分自身の発言に謙遜として添える使い方がおすすめです。
「誰得」の関連用語と派生語
| 用語 | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|
| 俺得(オレトク) | 自分だけが得すること | 「この情報、俺得だわ」 |
| 私得(ワタシトク) | 女性が使う「自分得」の表現 | 「これ私得な情報かも」 |
| みんな得 | 全員が得すること(造語) | 「この企画、みんな得になりそう」 |
| 誰損(ダレソン) | 誰が損するのかという意味 | 「これって誰損なシステム?」 |
これらの派生語からも分かるように、ネットスラングは常に進化し続けています。新しい表現が生まれる可能性も大いにあります。
「誰得」の歴史的背景と文化的意義
「誰得」が生まれた2005年頃は、インターネット文化が急速に発展した時期です。2ちゃんねるを中心に、短くてリズムの良い言葉が次々と生まれ、ネット内で流通していきました。
- 2005年:2ちゃんねるで誕生
- 2008年頃:ニコニコ動画で広まる
- 2010年代:TwitterなどのSNSで一般化
- 現在:若者言葉として定着
この言葉の普及は、インターネットが言語形成に与える影響力を示す良い例です。短いフレーズで複雑なニュアンスを伝えるという、現代のコミュニケーションスタイルを象徴する言葉と言えるでしょう。
よくある質問(FAQ)
「誰得」はビジネスシーンでも使えますか?
カジュアルな会話や社内の雑談では使われることもありますが、公式な場面や目上の人に対しては避けた方が無難です。特にクライアントへの提案や上司への報告で使うと失礼にあたる可能性があります。若手同士の打ち合わせなど、ラフな雰囲気の時に限るのが良いでしょう。
「誰得」と「無駄」の違いは何ですか?
「無駄」は単に役に立たないことを指しますが、「誰得」は「誰の得になるのか」という視点から価値のなさを強調します。特に「誰かの得になるはずなのに、実際は誰の得にもなっていない」という皮肉やツッコミのニュアンスが強いのが特徴です。
「誰得」は英語でどう表現しますか?
直訳すると「Who benefits?」となりますが、ニュアンス的には「What's the point?」(ポイントは何?)や「Who is this for?」(これは誰向け?)の方が近いです。また、「This is useless to everyone」(これは全員にとって役立たない)という表現も状況によって使えます。
「誰得」を使う時の注意点はありますか?
相手を傷つけないよう注意が必要です。特に創作活動や努力の成果に対して安易に「誰得」と言うのは避けましょう。自分自身の発言に謙遜として使う分には問題ありませんが、他人に対して使う時は関係性や文脈を考慮することが大切です。
「誰得」の反対語はありますか?
直接的な反対語はありませんが、「俺得」や「私得」という派生語があります。これらは「自分にとって得」という意味で、個人の利益に焦点を当てた表現です。また、「みんな得」のような造語で全体の利益を表現することもあります。