「暫定的」とは
「暫定的」は「ざんていてき」と読みます。一見難しそうな漢字にみえますが、言葉を構成している漢字の、暫、定、的の語がもつ意味を調べると、「暫定的」の意味も把握しやすくなります。
「暫定」は、「暫く(しばらく)+定める」という言葉から成り立ち、そこから想像しやすいように意味は、しばらくの間、仮に定めること。
「的」は、接尾語で意味は、~に関する、~の傾向がある、~の状態の。
これらの語から成り立つ「暫定的」の意味は、
- 本式に決定せず確定するまでの間、とりあえず一時的に定めるさま。
- 臨時の措置。
「暫定的」の例文
「暫定的」の用例は、「暫定的」とそのまま使うほかに、「暫定+名詞」という形で使用されることも多いです。「暫定+名詞」の場合、既存の言葉として認知されている語彙もあります。
「暫定的」の例文
- 老朽化した校舎を建て替えている間、暫定的にプレハブを建てて教室としました。
- まだ一年先の同窓会の話なので、暫定的な計画でしたが、結局そのままの案で実行することになりました。
- 新規のプロジェクトを立ち上げることになりましたが、まだ始動前なので、各チームのメンバーは暫定的です。
- 会社のトップが急逝したので、複数名いる副社長のうち、Aさんが暫定トップになりました。
「暫定+名詞」の熟語
【暫定予算】
【暫定球】
【暫定政府】
「暫定的」と似た意味をもつ英語
「暫定的」を英語で表現する場合、いくつかの英単語が挙げれます。用例とともに紹介いたします。
- interim・・・暫定的な。 an interim government(暫定政府)
- provisional・・・一時の、条件つきの。 a provisional budget(暫定予算)
- temporary・・・一時の、仮の。 a temporary contrat(仮契約)
- tentative・・・仮の、試験的な。 a tentative disposition(暫定措置)
「暫定的」の関連語
「暫定的」と似たような意味をもつ言葉と、反対の意味をもつ言葉を以下に挙げます。
「暫定的」の類語
- 仮の・・・少しの間それと決めること。間に合わせ。永久でないこと。
- 一時的・・・しばらくの間であるさま。その場かぎりで、物事が長続きしないさま。
- 試験的・・・本格的でなく、試しに行ってみるさま。
一方で、「暫定的」は、その場しのぎでなく、期間も限定されず、その後に変更しない可能性も秘めています。
「暫定的」の反対語
- 確定的・・・確かに決まるさま。物事がはっきりと決まるさま・決めるさま。定まって変動しないさま。
- 決定的・・・物事が、そこではっきりと決まろうとするさま。ほとんど決まっていて、動かしがたいさま。
- 最終的・・・最後のこと。一番終わりのこと。
「暫定的」のまとめ
上記の通り、「暫定的」は、正式に決まるまでの状況や状態などに使われますが、これから変更される可能性があるだけで、必ず変更するというわけではありません。暫定的なことが、そのまま確定となることも十分ありえるといえます。
そのため、「暫定的」な物事であっても、等閑にせず、最初からきちんとした取り組みをするように、心がけたほうがいいかもしれませんね。