「初鰹」とは?意味や使い方をご紹介

初夏を代表する食材の「初鰹(はつがつお)」。しかし「初鰹」ってそもそも何?普通の鰹と何が違うの?と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?本記事では「初鰹」についての解説や、「初鰹」の美味しい食べ方などをご紹介します。

目次

  1. 「初鰹」とは
  2. 「初鰹」の食材としての使い方
  3. 「初鰹」の値段
  4. 「初鰹」を使った俳句①
  5. 「初鰹」を使った俳句②

「初鰹」とは

鰹(かつお)は熱帯、温帯の海域に広く分布する大型の肉食魚。大型のものだと1mほどに成長するというこの魚は、日本では主に太平洋側の海域に生息しています。餌を求めて黒潮に乗り、4月~6月頃に太平洋岸を北上する鰹のことを「初鰹」といいます。

初鰹に限らず、その季節に初めて収穫された穀物や野菜、果実などのいわゆる“初物(はつもの)”は、縁起がよいとされ古くから珍重されてきました。「初物七十五日」といって、初物を食すと寿命が75日延びるという俗説もあります。なかでも初鰹は、俳句で「女房を質に入れても初鰹」と詠まれるほどの人気ぶりでした。

「初鰹」の食材としての使い方

初鰹は脂が乗っていないため、さっぱりとした味と鮮やかな赤い魚肉が特徴。鉄分やビタミンB12を含んでいるため、貧血気味の人にもよさそうですね。

初鰹のポピュラーな食し方と言えば、やはり“たたき”でしょう。鱗を落とし皮ごと炙る調理法で、鰹の旨味と皮のほろ苦さに薬味の風味が加わって、なんとも言えない美味しさです。またさっぱりした味を好む人は、刺し身やカルパッチョなどにしてもよいでしょう。

鰹の漁獲高の大きい高知県では、漁師が鰹を「パイレン」にして食すこともあるそうです。パイレンは土佐の漁師たちに伝わる酒のつまみ。本来は料理に使用されない、中落ちの付いた骨を塩漬けにしておき、食べるときは酢で洗ってからしゃぶるのだそう。酒飲みが多いとされる高知ならではの漁師メシですね。

「初鰹」の値段

初鰹を購入しようとすると、どのくらいのお金が必要なのでしょうか。実は鰹の値段はそう高くありません。相場は時期や獲れ高によって変動するものの、初鰹で小ぶりなものなら千円しない場合もあります。少なくとも、予算が1万円あれば足が出ることはないでしょう。

春から初夏にかけて北上する初鰹に対し、秋ごろに南下してくる鰹は「戻り鰹」と呼ばれます。脂が乗って濃厚な味わいの戻り鰹は、初鰹よりも高値で取引されています。

「初鰹」を使った俳句①

「初鰹」を使った文章で最も有名なものは、山口素堂(やまぐちそどう)の詠んだ以下の俳句でしょう。
 

目には青葉 山ほととぎす 初鰹

「青葉」「山ほととぎす」「初鰹」はすべて夏の季語。1句のなかに季語が複数入るものを、俳句の世界では「季重なり(きがさなり)」といいます。通常であれば敬遠される季重なりですが、素堂の句は季語を3つも連ねることによって、否応なく読者に初夏を感じさせています。

目には鮮やかな青葉、耳には爽やかなほととぎすの鳴き声、そして口にはさっぱりとした味わいの初鰹。季重なりにも関わらず、どの季語も主役を張っているところがまたよいですね。

「初鰹」を使った俳句②

男気があり思い切りのよい様を称賛する「粋(いき)」という美意識が生まれた江戸時代、初鰹が高級品とされていた時期があります。

もともと初物の鰹は、それ以外の時期の鰹に比べ高値で取引されていました。しかし「高い金額を払ってでも初鰹を食べるのが粋」という認識が定着したことから初鰹の需要が高まり、値段がさらに高騰することになったのです。

その様子を、江戸時代の俳諧師である宝井其角(たからいきかく)の句に見ることができます。
 

まな板に 小判一枚 初鰹

一両小判の換算相場は時期によって異なるため、現代の金額でいくらと明言することはできませんが、大体小判1枚が10万円前後だったと考えられます。現代では数千円出せば買える初鰹が、当時は10万円もしたというんですね。

そう考えると、現在手頃な価格で初鰹を食すことができるようになったのは、喜ぶべきことと言えるでしょう。みなさんも、初夏には旬の初鰹をぜひ味わってみてください。


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