「鎧袖一触」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「鎧袖一触」という言葉、みなさんはご存知ですか?ごくまれに剣道の手ぬぐいや、戦闘物のアニメの台詞で目や耳にすることはありますが、読み方や意味を正しく知っていますか?ここでは、そんな「鎧袖一触」の意味や使い方を、例文を含めて詳しくご紹介しています。

目次

  1. 「鎧袖一触」の読み方
  2. 「鎧袖一触」の意味
  3. 「鎧袖一触」の由来
  4. 「鎧袖一触」の使い方
  5. 「鎧袖一触」のまとめ

「鎧袖一触」の読み方

「がいしゅういっそく」と読みます。「鎧」の文字を「よろい」と簡単に読むことはできても、「がい」と読むのはなかなか難しいですね。「袖」の文字も同じく、「そで」と読むことはあっても、日常生活で「しゅう」と読む機会は滅多にありません。この機会に覚えてみてください。

「鎧袖一触」の意味

「鎧袖一触」とは、とても簡単に相手を打ち負かすことのたとえです。また、弱い敵に対して簡単に大きなダメージを与えることのたとえでもあります。「鎧袖」とは、読んで字のごとく「鎧(よろい)」の「袖(そで)」のことを意味しています。そして「一触」とは、ほんの少しだけ触れることです。

なので、「鎧袖一触」の本当の意味を知らないと、この漢字四文字から受けるイメージは、「鎧の袖にほんのちょっと触ること」となってしまうでしょう。しかし、ここに「相手を負かす」という意味が加わってはじめて「鎧袖一触」の意味が完成するのです。「ほんの少し触れる」という意味で使うと、間違いになりますのでご注意ください。

「鎧袖一触」の由来

「鎧袖一触」の歴史は意外にも浅く、江戸時代後期の歴史家「頼 山陽(らい さんよう)」が江戸幕府に依頼されて作成した、歴史書『日本外史(にほんがいし)』に由来となる一文があります。由来となったのは次の一文です。

“至如平清盛輩、臣鎧袖一触、皆自倒耳”
“清盛輩の如きに至りては、臣が鎧袖一触、皆自ら倒れんのみ”

これは「源為朝(みなもとのためとも)」が上皇に対して、「平清盛(たいらのきよもり)の輩(やから)ごときは、私の鎧の袖がちょっと触っただけで、みな勝手に自分から倒れていくでしょう。」と、自分の強さをアピールしている台詞です。

この、鎧の袖がわずかに触れただけで敵がすぐに倒れてしまうというところから、「鎧袖一触」は、いとも簡単に相手を負かしてしまうことを指すようになりました。

「源為朝(みなもとのためとも)」とは?

ちなみに、この台詞を言ったとされている「源為朝」は、身長が2メートルを超える巨体で、弓の名手で有名でありましたが、かなりの暴れん坊でもあったそうです。平均身長が約160㎝の平安時代の人々がそんな大男に向かってこられたら、鎧の袖が触れただけで気を失ってしまうのも容易に想像できそうです。

「鎧袖一触」の使い方

「鎧袖一触」の意味が理解できたところで、どの様に使えばいいのでしょうか。例文を見てみましょう。

「鎧袖一触」の例文

1.チャンピオンは初の防衛線で、開始10秒「鎧袖一触」の大勝利をおさめた。
2.小学生相手に大人が圧倒的に勝利したからと言って、「鎧袖一触」と喜ぶのは大人気ない。
3.新入社員の未熟な企画は、社長によって「鎧袖一触」に却下された。
4.目にもとまらぬ早業で、「鎧袖一触」に叩き切られた。

「鎧袖一触」の引用

1.“鮭かも知れないと思う途端に、沖へのして、太い人造を「鎧袖一触」という威勢で切って行ってしまった。”(『河鱸遡上一考』:佐藤垢石)
2.“肉体が疲れて意志を失ってしまったときには、「鎧袖一触」、修辞も何もぬきにして、袈裟けさがけに人を抜打ちにしてしまう場合が多いように思われます。”(『女の決闘』:太宰治)

※いづれも青空文庫出典

どの例文からも、二者の間に圧倒的な力の差があることが伝わってきます。反撃する機会もなく、完膚(かんぷ)なきまでに瞬時に負かされている様子が伺えます。

「鎧袖一触」のまとめ

いかがでしたでしょうか。「鎧袖一触」の意味や使い方をご理解いただけましたか。日常生活ではほとんど馴染みのない言葉ですが、それだけに知っていると少し自慢できるかもしれません。これを機会に、覚えてみてはいかがでしょうか。

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