「アディショナルタイム」の意味とは?「ロスタイム」との違いを含めてご紹介

手に汗握るサッカー観戦。とりわけ後半終了後の「アディショナルタイム」は、ほんの数分なのですが「点が入るかも」とドキドキしますよね。そもそも「アディショナルタイム」とはどういう意味でしょうか。「ロスタイム」との違いも合わせてご紹介します。

目次

  1. 「アディショナルタイム」の意味
  2. 「アディショナルタイム」の語源
  3. 「ロスタイム」との違い
  4. 「アディショナルタイム」にまつわる過去の試合
  5. 「アディショナルタイム」のまとめ

「アディショナルタイム」の意味

「アディショナルタイム」はサッカー用語の一つです。もともとは英語で、直訳すると「追加時間」という意味になります。プロサッカーの試合は前半45分、後半45分の合計90分間プレーし、その間に入れた得点の多い方が勝ちとなります。この正規のプレー時間に、上乗せして追加される時間のことを「アディショナルタイム」と呼びます。

一般には、試合中に選手が負傷して治療したり選手が交代するなど、競技そのものとは関連しない「空費された時間」を意味します。相手チームがリードしている展開で、相手選手の負傷の手当のために試合時間が浪費されると、負けているチームには不公平になります。公平性確保のため、ケガの手当時間などについては、正規の試合時間が終わった後に、その分だけ延長して続行します。それで「追加時間」、すなわちアディショナルタイムというわけです。

「アディショナルタイム」の語源

「アディショナルタイム」の語源は英語です。「additional time」と表記します。「additional」とは「付加的な、追加の」という意味の形容詞です。このため「additional time」を和訳すると「追加の時間」ということになります。

サッカーの試合では、選手負傷などのため「空費時間」が発生すると、主審の判断で追加する時間を決めています。手当に要した時間を厳密に計測するわけではなく、「アディショナルタイム」はあくまで主審の裁量で決められます。

近年は、選手や観客がどのくらい延長されるのか認識しやすいように、前半や後半の正規時間の終了間際に、1分単位でアディショナルタイムが掲示されるようになりました。おおむね2~3分、長くても5分程度といわれています。

「ロスタイム」との違い

昔からのサッカーファンなら、「アディショナルタイム」に相当する「若干の延長時間」を指す言葉としては「ロスタイム」の方が馴染みがあるかもしれません。「ロスタイム」は和製英語で、元来は英語の「loss of time」から由来しているといわれます。「loss of time」は和訳すると「時間の空費、浪費」ということです。

公式なサッカーの競技規則では、「アディショナルタイム」「ロスタイム」といった特定用語は使われず、負傷の手当などに要した時間のことを「空費された時間」と記述しています。ここから日本では「ロスタイム」という用語が生まれたようです。

実際2000年ごろまでは日本国内でのサッカーの試合では「ロスタイム」の呼称が一般的でした。しかし2010年に日本サッカー協会が「アディショナルタイム」に名称を統一したことから、その後は競技者やテレビの実況、解説などでも「アディショナルタイム」の使用が定着しました。

このように「ロスタイム」は「アディショナルタイム」の旧称であり、同じ意味ということになります。ちなみにかつてサッカーなどでは、他に「インジャリータイム」(負傷時間)といった呼び方もありました。

「アディショナルタイム」にまつわる過去の試合

サッカーの「アディショナルタイム」といえば、日本のファンにとって忘れられない「サッカー史に残る」試合があります。「ドーハの悲劇」です。

1993年10月、カタールの首都ドーハで、翌年開かれるFIFAワールドカップのアジア地区最終予選が行われました。日本は悲願の初のW杯出場を目指し、かなり「出場濃厚」な形でこの日の対イラク戦を迎えました。勝てば文句なくW杯出場が決まる状況で、試合は2-1で日本がリードしたまま後半終了。「アディショナルタイム」(当時はロスタイム)に入りました。

すると20秒後、イラクがまさかの同点ゴール。そのまま試合は引き分けで終了し、他国の試合結果により日本はまたもW杯出場を逃してしまいました。日本列島がショックと悲しみに包まれ、アディショナルタイムの怖さを象徴する試合ともなりました。

「アディショナルタイム」のまとめ

アディショナルタイムはわずか2、3分という短い時間なのですが、なぜか得点が入ったり、試合が動いたりとスリルがある時間帯です。「あと2分守れば勝てる」「まだ2分あるぞ」といった微妙な心理が選手に影響するのかもしれません。「スポーツの神秘」ともいえる興味深い現象ですね。

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