「矜持」とは?意味や使い方をご紹介

「矜持」という言葉、一度は見たことがあると思いますが、正しく意味を説明できるでしょうか?実はこれ、私たちがよく聞くカタカナ語と同じ意味なのです。それでは、今回は矜持の意味と使い方のポイントについて、例文を含めてご紹介します。

目次

  1. 矜持とは
  2. 矜持の意味
  3. 矜持の使用例
  4. 矜持の類義語や対義語
  5. 矜持の注意点

矜持とは

読み方は「きょうじ」です。「持」は読めても「矜」は中々読めないものです。読み方さえわかれば聞いたことがあるような気がしますが、実際はどのような意味で用いられているのでしょうか。「持」と書いてある以上、何かを持っているのだろうということは予想できますが、何を持っているのかという観点から見てみましょう。

矜持の意味

漢字それぞれの意味を確認します。「矜」は「名誉に思うこと。自慢すること」を意味しており、それを心の中に「持」っているわけですね。

そして、誰しも「プライド」という言葉を聞いたことがあると思います。「プライド」とは、自分の才能や個性、また、業績などに自信を持ち、他の人によって自分の優越性・能力が正当に評価されることを求める気持ちのことです。実は、このプライド(pride)を日本語に訳すと矜持になるため、矜持とプライドは同じ意味になるのです。

つまり矜持とは、自分の能力をすぐれたものとして、他に誇ることですね。ちなみに、「持」を「恃」とも書きます。りっしんべんは心の動きを表す部首で、「恃」は「あてにする、たよりにする」という意味なので、どちらでとっても意味は大して変わりません。

矜持の使用例

主に書き言葉で使われる言葉なので、見たことがない、知らないという方もいるかもしれません。しかし、見たことがあるという方でも、正しくイメージを捉えられるかは難しい言葉です。以下の例を通して確認してみましょう。

「彼はプライドが高い」と言うと、「偉ぶっている」イメージが漂う一方で、「プライドを持て!」と言うと、偉そうなイメージが薄まり「周囲に屈しない」というイメージが強くなりますね。

プライドと矜恃は同義なので、置き換えても同じです。そのため、「彼は自分の能力に矜持を持っている」と「矜持を持て!」では、相手に与えるイメージが変わってしまうということです。

他にも、「日本国民としての矜持を持っている」と言えば、日本人であることを誇らしく思うという意味になります。ここでは、偉ぶっている感じはありません。(あえて偉ぶっている感じを読み取ろうとすると「話し手の周囲に世界各国の外国人がいて、その人達に『外国人よりも日本人の私の方が勝れている』ことを伝える」という不自然な状況が想像されてしまいます。)

矜持の類義語や対義語

矜持の類義語としては、「プライド」の他にも「天狗になる」「鼻に掛ける」「鼻を高くする」があります。これらはどれも「偉ぶる」という意味が含まれているので、「矜持」も本質的には「偉ぶる」という意味が含まれます。

矜持の対義語としては、「へりくだる」「卑下」(ひげ)「謙遜」(けんそん)があります。これらは「自分を相手よりも下に見ること」です。

「矜持」はイメージによって意味が揺れ動く厄介さを持ち合わせています。類義語や対義語とセットにしておくことで、目にした際や使おうと思った際、どのような意味合いなのかがわかりやすくなります。

矜持の注意点

矜持は本質的に「偉そうにする」という意味が含まれるので、「矜持(プライド)を持て!」と言った際、厳密に見ると「自分に自信を持って、偉そうにしろ!」となってしまいます。ただ、先程確認した通り、この場合は「偉そうにする」という意味が薄れているように感じられます。したがって、文脈次第で意味が大きく変わってしまう厄介な言葉なのです。

使い方次第ではもしかすると、相手を不快にさせてしまうかもしれません。ご利用の際は、その点に注意してみてください。実は多くの日本語でそうなのですが、相手や状況次第で意味は様々に変化します。「矜持」はその中の一例ということですね。

いかがでしたでしょうか。「矜持」についてのご紹介は以上となります。

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