「クライシス」とは?意味や使い方をご紹介

「クライシス」という言葉を目にしたことがある人は多いと思います。クライシス単独でも、何かの言葉と合わせた言葉でも、目にする機会の多い言葉です。でも、どういう意味の言葉なのか、わからないことも多そうです。この記事では、「クライシス」について解説します。

目次

  1. 「クライシス」とは?
  2. 産後クライシス
  3. アイデンティティークライシス
  4. ドラマ『クライシス』
  5. クライシスマッピング

「クライシス」とは?

英語では、「crisis」と書きます。危機や重大な局面、あるいは経済上の危機、恐慌を指す言葉です。「an oil crisis」で「石油危機」、「a financial crisis」で「財政危機、金融恐慌」という意味になります。

また「crisis」は、悪い方向だけでなく、良い方向にも向かう転換点という意味もあります。医学的に使われるときには、「峠、重篤な状態からの転機」という意味も持ちます。「pass the crisis」で「(病人が)峠を越す」という意味です。

語源はギリシャ語で「決定」「転機」を指す言葉です。

産後クライシス

「産後クライシス」は、2012年にNHKが提唱した言葉です。夫婦の関係が、妻の出産後2年くらいの間に急に悪くなり、最悪は離婚にまで至ってしまう状態を言います。

2012年9月、NHKテレビの情報番組『あさイチ』で、『夫婦を壊す⁈"産後クライシス”』という特集が放送されました。妻の出産後、夫婦の関係が悪くなることがあるというのはよく知られていたことですが、これがテレビで取り上げられたことで、大きな反響を呼びました。その後、「産後クライシス」についての書籍が出版されたり、雑誌やインターネット上でも取り上げられたりしたことで、広く社会に知られる言葉になりました。

「産後クライシス」の原因には、ホルモンバランスの変化や育児についての不安など、さまざまな心身両面の問題が挙げられています。また、夫が育児や家事に協力的でないことも原因の一つとされています。

アイデンティティークライシス

「アイデンティティークライシス」は、思春期、青年期に見られることの多い自己同一性の喪失のことです。「自分は何者なのか」「社会における自分の価値は何なのか」という疑問に直面し、心理的な危機に陥ることを指します。アメリカ合衆国の発達心理学者・精神分析家のエリク・ホーンブルガー・エリクソンが提唱した概念です。

アイデンティティー(identity)という英語は、主体性、自己同一性などと訳されることが多い言葉です。また、身分証明という意味もあります。身分証明書であるIDカードは、「identity card」「 identification card」の略です。

なお、「アイデンティティークライシス」は、歴史の転換期に、民族や国民などが自己認識の危機に陥ることも指します。

ドラマ『クライシス』

『CRISIS  公安機動捜査隊特捜班(クライシス こうあんきどうそうさたいとくそうはん)』というテレビドラマもあります。この番組は、関西テレビ(カンテレ)が制作し、フジテレビ系列で2017年4月から6月まで火曜21時ドラマ枠で放送されました。

小栗旬さん主演、西島秀俊さん共演のアクションドラマで、カルト教団やテロリストなど、国家を危機に陥れる脅威に立ち向かう公安機動捜査隊特捜班、通称「特捜班」の活躍を描いています。原案と脚本は、2000年に直木賞を受賞した小説家の金城一紀さんが担当しています。

クライシスマッピング

「クライシスマッピング」は、防災用語です。災害時に、SNSに投稿された情報やGPSの情報に基づいて、リアルタイムでインターネット上で、被害の状況が視覚的にわかる地図を作っていくことを指します。ITエンジニアが中心になって、ボランティアで作成していることが多いようです。

クライシスマッピングは、2010年に32万人の死者を出したハイチ地震のときに作られたのが最初です。日本でも、東日本大震災や、熊本地震のときにも作成されています。

被害の状況を視覚的に把握できること以外にも、支援に当たる行政や各団体などがインターネット上で最新の情報を共有できることも、大きなメリットです。一方、作成する人員の確保や、投稿される情報が正しいかどうかなどの課題もあります。

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