「鶴の一声」とは?意味や使い方をご紹介

「鶴」とは、長寿や吉祥(きっしょう)など、めでたいことの象徴とされる鳥です。すらっとした長い脚、白と黒の羽に赤い頭がとても美しい鳥ですね。そんな「鶴の一声」とはどのような意味があるのでしょうか。この記事では、「鶴の一声」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「鶴の一声」とは
  2. 「鶴の一声」の語源
  3. 「鶴の一声」の例文と使い方
  4. 「雀の千声鶴の一声」
  5. 「鶴」を使ったことわざ
  6. 「鶴の一声」のまとめ

「鶴の一声」とは

「鶴の一声(つるのひとこえ)」とは、「大勢の人が議論して決まらなかったことが、権威ある人の一言によって決定する」という意味のことわざです。皆さんも、学校や職場の会議などで経験したことがあるのではないでしょうか。

そもそも、「一声」とは、「一回出す声」「短い言葉を発すること。またはその一言」という二つの意味があります。このことから、「鶴の一言」と間違えやすいですが、正しくは「鶴の一声」です。

「鶴の一声」の語源

皆さんは、鶴の鳴き声を聞いたことがありますか?「ケーン」という、高音でよく響く声をしています。常に声を発しているわけではなく、危険を感じた時や他の鶴を威嚇する時に鳴くといわれています。

鶴の首はとても長く、例えるなら楽器のラッパのような構造をしています。そのおかげで、遠くまで響くような大きな鳴き声を出せるのです。数百メートルの距離でも聞こえるといわれています。

それは、他の鳥たちを圧倒するほどの大きな鳴き声であるため、その影響力の大きさから、転じて「権威ある人の発言」を表すようになり、「鶴の一声」ということわざが生まれました。

「鶴の一声」の例文と使い方

  • 学級会で、運動会の目標がなかなか決まらなかったが、委員長の鶴の一声で解決した。
  • その議論にみんながうんざりしていたが、社長がやってきてその鶴の一声で会議は終了した。

上記2つの例は、「助かった」「納得した」という意味で使われていることがわかります。話し合いが長丁場になると、話すことそのものに疲れてくることもあるかもしれません。そのような時に「鶴の一声」があると、ありがたいのではないでしょうか。
 
  • 旅行先について家族であれこれと話していたのに、父の鶴の一声で決まってしまった。
  • 私はこの部署が気に入っていたのに、社長の鶴の一声で異動になってしまった。

一方で、このように「権力者の意見でねじ伏せられる」というようなネガティブな意味で使われることもあります。良くも悪くも、人の上に立つということは、周囲に与える影響が大きくなるのではないでしょうか。

「雀の千声鶴の一声」

「鶴の一声」が入ったことわざで、「雀の千声(すずめのせんこえ)鶴の一声」というものがあります。意味はほぼ同じで、「つまらない多くの言葉より、優れた人の一言の方が勝(まさ)っている」ということです。

雀といえば、チュンチュンと集まって鳴いているイメージが浮かぶのではないでしょうか。このように、小さな雀が集まって騒ぐより、大きな鶴の一声の方が威厳がある、ということですね。

「鶴」を使ったことわざ

  • 鶴は千年亀は万年
鶴と亀の寿命は長く、めでたいとされていることから、縁起を祝う時に使われる言葉です。実際の寿命は、鶴は20~30年、亀は長生きの種類だと100年以上にもなるといわれています。
 
  • 掃き溜め(はきだめ)に鶴
つまらない所や汚い所に、際立って美しいものや優れたものが現れることのたとえです。「掃き溜め」とは、ちりやごみの捨て場のことです。
 
  • 焼け野の雉子夜の鶴(やけののきぎす・よるのつる)
子を思う親の愛情が極めて深いことのたとえです。雉子(きじ)という鳥は、巣のある場所が火事になっても、身の危険を忘れて子を救います。鶴は、寒い夜に子を羽で覆って温めます。

「鶴の一声」のまとめ

鳥の鶴は、普段は鳴き声を上げることなく暮らしています。滅多にない一言を「鶴の一声」というのです。権威のある人が頻繁に意見を述べていても、それは「鶴の一声」にはなりません。

いつもは黙っている人が、ここぞという時に意見を出すと、それだけで驚いて賛同してしまうのではないでしょうか。もしかすると、「鶴の一声」は人を従わせるための作戦にもなるのかもしれませんね。

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