「東奔西走」とは?意味や使い方をご紹介

「東奔西走(とうほんせいそう)」の語句から連想できるのは、「東や西を走る」ということだと思います。今回は、この「東奔西走」の意味や使い方、その語源および類義語である「南船北馬(なんせんほくば)」の意味もあわせてご紹介します。

目次

  1. 「東奔西走」の意味
  2. 「東奔西走」の例文
  3. 「東奔西走」の語源
  4. 「東奔西走」の類語「南船北馬」
  5. 「東奔西走」まとめ

「東奔西走」の意味

東奔西走(とうほんせいそう)とは「ある仕事・目的の為に、あちこち忙しく駆け巡ること。または、忙しく働くこと」という意味です。

東へ西へ、あちらこちら駆け回ることを指しますが、何かを成し遂げるため、忙しく働くときに用います。これに対し、特に目的もなく「(慌てて)あちらこちら行くさま、うろたえて混乱するさま」の場合は「右往左往」を用います。

類義語として、「南行北走(なんこうほくそう)」や「東行西走(とうこうせいそう)」「南船北馬(なんせんほくば)」などがあります。「南船北馬」は後程ご紹介致します。

「東奔西走」の例文

例文は次のようになります。
 

  • 会社の新部署設立のため、東奔西走した。
  • 東奔西走した努力が報われた。
  • 舞台公演に向けて東奔西走する。

「東奔西走」の語源

「東奔西走」は、「東西」と「奔走」が混ざりあってできた熟語という説があります。「東西」は東と西の方角であり、「奔走」とは、「走ること。物事がうまく運ぶようにあちこち駆け回ること。努力すること。」を意味します。

「東奔西走」のように方角が入る熟語は他にもたくさんありますが、特に「東と西」「北と南」のように対になっている熟語は、得てして「あちらこちら」という意味が含まれます。

「西奔東走」と言っても意味は同じかと思いますが、一般的にそのように言いません。それは、「東西南北」のように「東」が最初の文字であることからもわかりますが、中国では昔から太陽が昇る方角の「東」を重視しているからです。東西を優先する言い方は、漢字と共に中国から伝わり、日本に定着しました。ちなみに、方位磁針が北を指すことからもわかりますが、西洋では南北の軸を重んじるそうです。

「東奔西走」の類語「南船北馬」

「東奔西走」の類義語として有名な「南船北馬(なんせんほくば)」は中国のことわざで、前漢時代に編纂された思想書、『淮南子(えなんじ)』から出た言葉と言われています。

かつての中国において、南方では川や運河が多いためよく船を使って、北部では山や平原が多いのでよく馬に乗り移動をしました。これらが転じて「南船北馬」は「広く各地を旅すること」「次々と旅を続けること」という意味を指すようになりました。

「東奔西走」まとめ

「東奔西走」は、「奔」も「走」も大きく「はしる」という意味です。「東」と「西」は方角も然りですが、太陽が昇って沈む意味、今日1日を表しているとも言えると思います。よって、「1日を走って過ごす=あちこち駆け巡る=忙しく働く」というように、視点を少し変えて考えると、また面白いかもしれません。

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