「清濁併せ呑む」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「清濁併せ呑む(せいだくあわせのむ)」ということわざをご存じですか?「清らか」と「濁る」という反対の意味の言葉を組み合わせたものですが、何を表すのでしょうか。この記事では、「清濁併せ呑む」の正しい意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「清濁併せ呑む」とは
  2. 「清濁併せ呑む」の例文と使い方
  3. 「清濁併せ呑む」の類語
  4. 「清濁併せ呑む」ような人

「清濁併せ呑む」とは

「清濁併せ呑む」の意味

「清濁併せ呑む(せいだくあわせのむ)」とは、「善人も悪人も分け隔(へだ)てることなく、広い心で受け入れる」という意味のことわざです。「清濁」は、「正と邪」「善人と悪人」「賢者と愚者」のたとえです。

「清流でも濁流でも、大海はすべてを迎え入れる」という様子が由来です。どのような川の流れでも、最終的には海にたどり着きます。海は、何かを区別したり拒んだりすることはないでしょう。

このような、「海はすべてを飲み込む」という様子が転じて、「清濁併せ呑む」は人間の「心の広さ」を表すようになりました。

正しくは「併せ呑む」ですが、「併せ持つ」と間違えないように注意しましょう。大きな海が何もかもを持っているのではなく、飲み込んでいるのだとイメージすると良いかもしれません。

四字熟語

「清濁併せ呑む」は、「清濁併呑(せいだくへいどん)」という四字熟語に言い換えることもできます。意味は同じです。一般的には、「清濁併せ呑む」という表現を使うことが多いです。

「清濁併せ呑む」の例文と使い方

正しい使い方

  • 彼はいつもみんなの意見を尊重する。まさに清濁併せ呑む人物だ。
  • 政治家に必要なのは、清濁併せ呑むような度量の広さだ。
  • 清濁併せ呑むように、どんな人の気持ちも受け止められるようになりたい。

このように、「清濁併せ呑む」はその人の心が広いことを表しています。様々な価値観を受け入れる素質が必要とされる、人の上に立つ人物に使われることが多いです。

誤った使い方

  • 彼は学校では立派な教師だが、友人には借金ばかりしている。清濁併せ呑むとはこのことだ。
  • 彼女は清濁併せ呑むように、慈善活動もするが万引きもする。

このように、「清濁併せ呑む」を使って「善悪両方の面を持っている」ということを表すのは誤りです。あくまでも、自分ではなく「他人の善悪を受け入れ許す」という意味で使います。

また、「清酒(米を原料とする澄んだ酒)」と「濁り酒(こしていない白濁した酒)」どちらも好んで飲む、という意味で使われることもありますが、こちらも誤りです。「呑」は「吞兵衛(のんべえ)」など、お酒好きを表す言葉に使われるので、勘違いしやすいのかもしれません。

「清濁併せ呑む」の類語

「清濁併せ呑む」は、日常生活ではあまり使わない言葉かもしれません。ここでは、皆さんもよく耳にするような「清濁併せ呑む」と似た意味の言葉をご紹介します。
 

  • 来るもの拒まず(きたるものこばまず)
自分の考えや言動に賛同して寄ってくる人がいれば、その人の意思を受け止めて拒絶しない、という意味のことわざです。
 
  • 寛容
よく人の行動を受け入れ、あやまちも責めずに許す、という心の広さを表します。
 
  • おおらか
ゆったりとして細かいことを気にしない、という意味です。

「清濁併せ呑む」ような人

「清濁併せ呑む」ようになるには、何が必要なのでしょうか。なかなか難しいことかもしれませが、私たちも実践できるような小さなことをいくつかご紹介します。
 

  • 人の話を聴く
誰かと話す時は、当然相手の話も聞くものです。しかしただ聞くのではなく、意志を持って注意深く聴くと、その人の本質が見えてくるかもしれません。
 
  • 決めつけない
自分の経験から「こうに決まっている」と思い込むと、視野が狭くなってしまいます。様々な考えを理解するために、常にまっさらな気持ちでいると良いのではないでしょうか。
 
  • 自分を知る
人を理解しようとするには、まず、自分がどのような人間なのか把握することが大切なのではないでしょうか。自分を認め許すことで、人にも広い心で接することができるかもしれません。

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