「取り越し苦労」とは?意味や使い方をご紹介

「取り越し苦労」とは、「考えすぎること。心配しすぎること」を言います。必要ないと分かっていても「取り越し苦労」をしてしまってストレスを溜めている人も多いのではないでしょうか? ここでは、「取り越し苦労」の正しい意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「取り越し苦労」の意味
  2. 「取り越し苦労」の語源
  3. 「取り越し苦労」の例文
  4. 「取り越し苦労」の類語
  5. さいごに

「取り越し苦労」の意味

「取り越し苦労」とは、「先のことをあれこれ考えて、つまらない心配をすること」を意味する慣用句です。

先の物事を心配すること自体は、時には必要なこととも言えます。目的を達成する過程に問題や障害があることが分かれば、対策を講じたり軌道修正したりできるからです。

しかし、「取り越し苦労」には「つまらない心配」というニュアンスが含まれいます。ただ単に「先のことを考えて心配する」のではなく、「まだどうなるかも決まっていない将来のことや、現実には起こりそうもないことを不必要に心配したり気に病んだりする」のが「取り越し苦労」なのです。

「取り越し苦労」の語源

「取り越し苦労」の「取り越し」は「取り越す」という動詞を名詞化したもので、江戸時代から使われている言葉です。

「取り越す」には、「期日が先の物事を、それより前へ繰り上げて行う」という意味があります。期日を繰り上げるには、それに間に合うよう改めて考えたり計画を立てることが必要です。ここから「取り越す」という言葉は「先のことを考える、予測する」という意味を持つようになりました。

この「取り越し」に「苦労」を併せて、「起こるかどうかわからないことを不必要に心配して思い悩む」という意味の「取り越し苦労」という言葉に変化したと考えられています。

「取り越し苦労」の例文

「取り越し苦労」は、心配の対象になっている物事が、起こる前にも後にも使える言葉です。例えば、物事が悪い結果になるとまだ決まったわけではないのに、過剰に心配してしまう時に使います。

 

  • ただの取り越し苦労ならいいが、自分が何かの病気ではないかと不安で仕方がない
  • 取り越し苦労かもしれないが、面接に落ちるのではないかと心配で落ち着かない


また、不必要に心配していたことに後から気がついた時にも、「取り越し苦労」を使います。

 

  • 彼がプレゼンに失敗したらどうしようと心配していたが、取り越し苦労だったようだ
  • 上手く行かないのではないかと取り越し苦労をして、仕事を始める前から気持ちが滅入ってしまった

「取り越し苦労」の類語

「杞憂」

杞憂」は「取り越し苦労」と同じ意味を持つ熟語です。

「杞憂」という言葉は、かつて中国の「杞」の国の人が「天が落ちてきたらどうしよう」と全く必要の無い心配をして食事や睡眠までままならなかったという話から生まれました。それでこの言葉は「杞人の憂い」とも表現されます。

ただ、「取り越し苦労」は柔らかい印象、「杞憂」はよりかたい印象を与えます。ですから、会話では「取り越し苦労」、文書やメールでは「杞憂」などと使い分けると良いでしょう。

「懸念」「気がかり」

「取り越し苦労」や「杞憂」は、「心配する必要が無いのに過剰に心配してしまうこと」を表します。ですから、「何らかの理由や兆候があって、心配をするのがもっともな時」には当てはまらない言いまわしです。その場合には「懸念」や「気がかり」といった表現があります。

ただし現実には、明確な理由があって心配していたものが、終わってみればそんな心配は無用だったという状況も大いにありうることです。そのような場合は、問題なく事が済んだあとで初めて、”結果的に「取り越し苦労」だった”ということになるわけです。

さいごに

「杞憂」の項でご紹介した逸話に出てくる杞人には、「天が落ちてくることなんて絶対にありえない」と説明し、納得させてくれた人がいたと言います。

同じように「取り越し苦労」ばかりしてストレスを溜めている人が、皆さんの周りにもいないでしょうか? そんな同僚や友人を助けてあげられる人になれたらいいですね。

そのためにはまず、自分自身も「取り越し苦労」から抜け出すことが必要かもしれません。本物の苦労だけでも毎日のようにあるのですから、それで十分ではないでしょうか。わざわざ現実には起こりそうもないことまで心配して余分に苦労するなんて、ばかばかしいですよね。


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