可否とは?可否の意味
物事の良し悪し、あるいは賛成か反対か、実行してよいかどうかを表す言葉。「可」(よい・認める)と「否」(いけない・認めない)という反対の意味の漢字を組み合わせた二字熟語です。
可否の説明
「可否」は、大きく分けて「良いか悪いか(事の是非)」「賛成か反対か」「実行してよいかどうか」という意味で使われる二字熟語で、読み方は「かひ」です。「可否を問う」といえば議案などに賛成か反対かを尋ねること、「可否を決する」といえば採決して結論を出すこと、「実施の可否」「参加の可否」といえばそれを行うかどうか・できるかどうかを指します。会議や稟議、事務連絡など、比較的あらたまった場面で用いられることが多く、日常会話では「やっていいかどうか」「賛成か反対か」などとくだいて言い換えられることも少なくありません。
「可否」は、二つの反対の状態をまとめて一語で表せるところが便利ですね。使う場面によって「良し悪し」「賛否」「できるかどうか」とニュアンスが変わるので、文脈とあわせて読み取るのがコツです。
可否の由来・語源
「可否」は、「可」と「否」という反対の意味を持つ漢字を組み合わせてできた熟語です。「可」は「よし」「認める」「してよい」を表し、許可・可決・可能などの語に使われます。一方の「否」は「いな」「そうではない」「認めない」を表し、否定・否決・拒否などに使われます。このように意味の対立する漢字を並べて全体で「その両方、またはどちらか」を表す成り立ちは、漢語に古くから見られるもので、「可否」もそうした対義結合の熟語の一つと考えられます。日本語の中では、賛否を問う場面や物事の良し悪しを論じる場面で、書き言葉を中心に定着してきた表現とされています。
反対の意味の漢字を組み合わせて全体を表す、という発想はとても合理的ですね。「可否」「賛否」「是非」と似た形の言葉が並ぶと、日本語の造語のパターンが見えてきて面白いです。
可否の豆知識
「可否」は日常会話ではやや硬い響きを持つため、話し言葉では「やっていいか」「賛成か反対か」などと言い換えられることが多い言葉です。また、豆知識として「可否」を「コーヒー」の当て字として使った例が知られています。明治期に開業した初期の喫茶店の一つに「可否茶館」という名の店があったと伝えられ、飲み物のコーヒーに「可否」や「珈琲」といった漢字を当てていたとされます。ただし当て字としての「可否」は歴史的・限定的な用法で、現在の一般的な文章で「可否」と書けば、まず「良いか悪いか」「賛成か反対か」の意味に受け取られます。
可否のエピソード・逸話
会議の場では、「それでは本件の可否をお諮りします」「賛成の方は挙手をお願いします」といった形で「可否を問う」場面がよく見られます。議長が議案について賛成・反対の意思を確認し、その結果として「可否同数」(賛成と反対が同じ数)になったときは、あらかじめ定められたルールに従って議長が最終的な判断を下す、という運用がとられることがあるとされます。また、ビジネスメールでは「ご参加の可否を◯日までにお知らせください」のように、出欠や実施の意思を丁寧に尋ねる決まり文句としても広く使われており、相手に「する/しない」をやわらかく確認する便利な表現として機能していると言えます。
可否の言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「可否」は反対の意味を持つ二つの漢字を並べた「対義結合(反義複合)」の二字熟語で、「賛否」「是非」「真偽」「正誤」「有無」「善悪」などと同じ仲間に位置づけられます。これらはいずれも、対立する二つの側面をひとまとめにして「どちらであるか」「その両方」を表す構造を持っています。「可否」の場合、文脈によって「良いか悪いかという性質そのもの」を指すこともあれば、「してよいかどうかという判断・選択」を指すこともあり、同じ語形でありながら焦点が移動する点が特徴です。こうした対義結合語は、日本語の抽象的な議論や判断を簡潔に言い表すうえで、重要な役割を担っていると考えられます。
可否の例文
- 1 本日の会議では、新プロジェクト立ち上げの可否について話し合います。
- 2 懇親会にご参加の可否を、今週金曜日までにご連絡いただけますでしょうか。
- 3 予算の都合もあるため、まずは実施の可否を慎重に検討する必要がある。
- 4 議長は議案の可否を諮り、賛成多数で可決されたことを確認した。
- 5 その計画の可否をめぐって、部内では活発な議論が交わされた。
「可否」の主な意味と使い方
「可否」は文脈によっていくつかの意味合いを持ちますが、大きく整理すると次の三つのパターンに分けられます。どの意味で使われているかは、前後の言葉から読み取るのが基本です。とくにビジネス文書では、「実施の可否」「参加の可否」のように、名詞に続けて「してよいか・できるか」を尋ねる形が多く見られます。
- 良いか悪いか(事の是非・良し悪し)を表す:「計画の可否を論じる」
- 賛成か反対か(可決・否決)を表す:「議案の可否を問う」「可否を採決する」
- 実行してよいか・できるかどうかを表す:「実施の可否」「参加の可否」
- あらたまった書き言葉として使われ、会話ではくだいて言い換えられることが多い
似た二字熟語との違いを比較
「可否」は、反対の意味の漢字を組み合わせた二字熟語の一つです。同じ仲間の「賛否」「是非」「諾否」などと意味が近く、混同されやすいので、それぞれの中心的なニュアンスと使われ方を整理しておくと便利です。以下は代表的な例をまとめたものですが、実際には文脈によって重なり合うこともあります。
| 言葉 | 読み方 | 中心となる意味 | 使い方の例 |
|---|---|---|---|
| 可否 | かひ | 良し悪し・賛成か反対か・してよいか | 実施の可否を検討する |
| 賛否 | さんぴ | 賛成か反対かという意思 | 賛否が分かれる |
| 是非 | ぜひ | 善し悪し(副詞で「どうしても」の意も) | 是非を問う/ぜひ参加したい |
| 諾否 | だくひ | 承知するか断るか | 諾否のご返事をお願いします |
| 採否 | さいひ | 採用するかしないか | 採否の結果を通知する |
このように、いずれも「〜か、〜でないか」という対立を一語で表す点は共通していますが、焦点の当たる部分がそれぞれ異なります。迷ったときは、何について「どちらであるか」を尋ねているのかを意識すると、適切な語を選びやすくなります。
ビジネスシーンでの「可否」の使い方
「可否」は、会議・稟議・メールなどのビジネス場面で使われることの多い言葉です。とくに「実施の可否」「導入の可否」「参加の可否」のように、名詞と組み合わせて「それを行ってよいか・できるか」をあらたまって尋ねる形が定番です。相手に「する/しない」をやわらかく確認できるため、出欠確認や意思確認の定型表現として重宝されます。以下は代表的な使われ方の例です。
- 会議での採決:「本件の可否をお諮りします」
- 出欠・参加確認:「ご参加の可否を◯日までにご連絡ください」
- 実施判断:「イベント開催の可否を検討する」
- 稟議・決裁:「新規契約の可否について上長の判断を仰ぐ」
- 回答依頼:「ご対応の可否をお聞かせいただけますと幸いです」
ただし、「可否」はやや硬い印象を与える言葉でもあります。社内のカジュアルなやり取りや口頭での確認では、「参加できますか」「やってもよいですか」といった平易な表現に言い換えたほうが伝わりやすい場面も少なくありません。相手や状況に合わせて、あらたまった「可否」と、くだけた言い回しを使い分けることが、円滑なコミュニケーションのポイントと言えるでしょう。
よくある質問(FAQ)
「可否」は何と読みますか?
「かひ」と読みます。「可」を音読みで「か」、「否」を音読みで「ひ」と読む組み合わせです。「賛否(さんぴ)」「是非(ぜひ)」などと同じく、反対の意味の漢字を並べた二字熟語で、読み方自体は難しくありませんが、日常会話で口にする機会は比較的少ない言葉です。
「可否」と「賛否」はどう違いますか?
「賛否」は「賛成か反対か」という人の意思・態度に焦点があり、「賛否が分かれる」「賛否を問う」のように使います。「可否」も「賛成か反対か」の意味で使えますが、加えて「良いか悪いか(是非)」「してよいかどうか(実施の可否)」といった、物事の性質や実行の判断まで含んで表せる点が特徴です。おおまかには、賛否は意見、可否は判断や良し悪しに軸足があると捉えると整理しやすいでしょう。
「可否」と「是非」の違いは何ですか?
どちらも「良いか悪いか」を表す点は共通しますが、使われ方に違いがあります。「是非」は「是非を論じる」のように物事の善し悪しを論じる場面で使うほか、「ぜひお越しください」のように副詞的に「どうしても・きっと」という強い希望を表す用法があります。「可否」にはこの副詞的な用法はなく、「実施の可否」「参加の可否」のように、してよいか・できるかどうかを問う名詞として使われるのが一般的です。
「参加の可否」とはどういう意味ですか?
「参加の可否」は、その会や催しに「参加するかしないか」「参加できるかどうか」を指す表現です。案内メールなどで「ご参加の可否をお知らせください」と書かれていれば、出席・欠席(または参加できる・できない)のどちらであるかを返信してほしい、という意味になります。出欠確認をあらたまった言い方で伝える、丁寧な定型表現の一つです。
「可否同数」とはどういう状態を指しますか?
「可否同数」は、採決の際に賛成(可)と反対(否)の票数が同じになった状態を指す言葉です。この場合、会議体のルールによって、議長が最終的な判断を下したり、議案が否決の扱いになったりするなど、あらかじめ定められた方法で結論を導くのが一般的とされています。具体的な取り扱いは組織や規程によって異なるため、その会議体の規則を確認するのが確実です。