それともとは?それともの意味
二つ(またはそれ以上)の事柄を並べて示し、そのどちらかを選ぶよう相手に問いかけるときに使う接続詞。「AですかそれともBですか」のように、主に疑問文の中で用いられます。
それともの説明
「それとも」は、複数の選択肢のうちどちらか一方を選ぶ場面で使われる接続詞です。「行きますか、それとも行きませんか」「電話にしますか、それともメールにしますか」のように、前後に対立する(あるいは並列する)事柄を置き、その間に入って両者を選択肢として結びつけます。特徴的なのは、多くの場合が疑問文で使われる点で、相手に判断や返答を求めるニュアンスを含みます。話し言葉でも書き言葉でも使える一方、ビジネス文書などかたい文章では「または」「もしくは」に置き換えられることも多く、「それとも」はやや会話的でやわらかい響きを持つ表現といえます。
「それとも」は、相手に選択をゆだねる問いかけの言葉ですね。二択を並べてそっと差し出すような、会話に寄り添うやわらかさが魅力だと感じます。
それともの由来・語源
「それとも」は、指示語の「それ」に助詞「と」「も」が付いて成り立った語と考えられています。「それ」で前に示した事柄を受け、「と」で並列し、「も」で添える——こうした要素が組み合わさり、「それはそれとして、あるいは別の可能性として」という選択のニュアンスを担うようになったとされます。古典語にさかのぼる固有の故事があるわけではなく、日本語の指示語と助詞の組み合わせから自然に発達した接続表現の一つと位置づけられます。現代語としては、二つの可能性を並べて問う場面で定着しています。
同じ「どちらか」を表す言葉でも、疑問文で相手に問いかける役割を担うところに「それとも」らしさがありますね。文法上の分布に、言葉の気づかいがにじんでいるように思います。
それともの豆知識
「それとも」は、原則として疑問文の中で使われる点が大きな特徴です。「AですかそれともBですか」は自然ですが、「Aです。それともBです。」と平叙文で並べると、やや不自然に感じられることが多いとされます。同じ選択でも、平叙文で並べる場合は「または」「あるいは」が選ばれやすく、問いかけの場面でこそ「それとも」が生きるという住み分けがあります。また、会話では「コーヒー、それとも紅茶?」のように語尾を省いて軽く使えるのも、話し言葉ならではの柔軟さといえるでしょう。
それとものエピソード・逸話
日常のなかで「それとも」は、相手の気持ちや事情を気づかう問いかけとして活躍します。たとえば「今日中に仕上げますか、それとも明日でも大丈夫ですか」と尋ねれば、相手に無理を強いず、選択の余地を残した丁寧な聞き方になります。一方で、選択肢を次々と「それとも…それとも…」と重ねると、かえって相手を迷わせてしまうこともあると言われます。二択にしぼって差し出すほうが、相手も答えやすいという場面は多いようです。問いの立て方ひとつで印象が変わる、奥の深い言葉です。
それともの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「それとも」は選択を表す接続詞(選択接続詞)に分類され、二つの節や句を「選言(どちらか一方)」の関係で結びます。同じ選言でも、「または」「もしくは」が平叙文でも疑問文でも比較的広く使えるのに対し、「それとも」は疑問文との結びつきが強いという分布上の偏りが指摘されます。これは、「それとも」が単に選択肢を並べるだけでなく、聞き手に判断を求める語用論的な機能(相手への問いかけ)を帯びているためと考えられます。文体の面ではやや口語寄りで、改まった書き言葉では類義の接続詞に置き換えられる傾向がある点も特徴です。
それともの例文
- 1 お飲み物はコーヒーになさいますか、それとも紅茶になさいますか。
- 2 この件は今日中にご対応いただけますか、それとも明日以降でも問題ないでしょうか。
- 3 電車で行こうか、それともバスにしようか、いまだに決めかねている。
- 4 本当にそう思っているのか、それとも冗談で言っているのか、彼の表情からは読み取れなかった。
- 5 会場でお渡ししましょうか、それとも事前に郵送でお送りしましょうか。
「それとも」の使い方と押さえておきたいポイント
「それとも」は、二つの選択肢のあいだに入り、相手に「どちらか」を選んでもらう接続詞です。最大の特徴は、疑問文と結びつきやすいこと。平叙文で単に可能性を並べるより、「AですかそれともBですか」と問いかける形で使うと、もっとも自然に機能します。会話でも文章でも使えますが、かたい書き言葉では類義の接続詞に置き換えられることも多い、やや口語寄りの表現です。
- 基本は二つの選択肢のあいだに置き、「AかそれともBか」と問いかける形で使う
- 多くの場合が疑問文。平叙文で選択肢を並べるなら「または」「あるいは」が向く
- 会話ではくだけた印象になりやすいので、丁寧な文末と組み合わせると安心
- 選択肢を三つ四つと重ねすぎると相手が迷うため、二択にしぼると答えやすい
- かしこまった文書では「または」「もしくは」に置き換えると引き締まる
「それとも」と似た選択の言葉の違い
「それとも」を理解するうえで役立つのが、同じく選択を表す言葉との比較です。「または」「もしくは」「あるいは」はいずれも「どちらか」を示しますが、使われやすい文の種類やあらたまり度合いに違いがあります。おおまかな傾向を表にまとめると、使い分けの見当がつけやすくなります。
| 言葉 | 主に使われる文 | あらたまり度・印象 |
|---|---|---|
| それとも | 疑問文(相手への問いかけ) | やや会話的でやわらかい |
| または | 平叙文・疑問文・案内文など幅広く | 中立的で書き言葉にもなじむ |
| もしくは | 契約書・規程などかたい文章 | ややあらたまった書き言葉 |
| あるいは | 説明的な平叙文、可能性の列挙 | 文章的でやや硬め |
あくまで大まかな傾向であり、文脈によって重なる部分もあります。迷ったときは、相手に選んでもらう問いかけなら「それとも」、説明として可能性を並べるなら「または」「あるいは」と考えると選びやすいでしょう。
場面別に見る「それとも」の使い分け
「それとも」は、相手に選択の余地を残しながら問いかけられる便利な言葉です。日常会話から接客、ビジネスのやり取りまで幅広く使えますが、場面によって丁寧さの調整が必要になります。以下は、それぞれの場面で「それとも」がどのように使われるかの例です。
- 日常会話:「歩いて行く? それともタクシーにする?」と気軽に二択を差し出す
- 接客・サービス:「店内でお召し上がりですか、それともお持ち帰りですか」と丁寧に確認する
- ビジネスの相談:「オンラインで実施しますか、それとも対面がよろしいでしょうか」と相手の都合をうかがう
- 文章表現:「賛成なのか、それとも反対なのか」と対立する二つの立場を提示する
- 自問・独白:「続けるべきか、それともやめるべきか」と自分の迷いを言葉にする
いずれの場面でも共通するのは、相手(あるいは自分)に「どちらか」を選ぶ余地を示している点です。押しつけずに選択を促せるのが「それとも」の持ち味であり、丁寧な文末や表情と組み合わせることで、気づかいの伝わる問いかけになります。相手が答えやすいよう、選択肢はできるだけ整理して差し出すのがコツと言えるでしょう。
よくある質問(FAQ)
「それとも」はどんなときに使う言葉ですか?
二つ以上の選択肢を並べて、そのどちらかを相手に選んでもらいたいときに使います。「AですかそれともBですか」のように、多くは疑問文の中で用いられ、相手に判断や返答を求めるニュアンスを含みます。
「それとも」と「または」はどう違いますか?
どちらも選択を表しますが、「それとも」は主に疑問文で相手に問いかける場面で使われ、やや会話的でやわらかい印象があります。一方「または」は平叙文でも疑問文でも使え、契約書や案内文などかたい書き言葉でも広く用いられる点が異なるとされています。
「それとも」はビジネスメールで使っても大丈夫ですか?
使えますが、ややくだけた響きがあるため、かしこまった文書では「または」「もしくは」に置き換えると引き締まった印象になります。取引先へのメールなどでは、丁寧な言い回しと組み合わせて「〜でしょうか、それとも〜でしょうか」とすれば、失礼にはあたりにくいと考えられます。
「それとも」は文の途中でしか使えませんか?
基本は選択肢と選択肢のあいだに置きますが、会話では「それとも、やめておく?」のように文頭で使い、直前の話題に別の可能性を付け加えることもできます。ただし平叙文で単独の選択肢を並べる用法にはなじみにくいとされ、疑問の文脈で使うのが自然です。
「それとも」と「あるいは」は同じ意味ですか?
どちらも選択を表す点では近い言葉ですが、「あるいは」は平叙文でも使いやすく、可能性を並べて述べる硬めの文章にも向きます。「それとも」は相手への問いかけの色合いが強く、会話寄りです。迷ったときは、疑問文なら「それとも」、説明的な文なら「あるいは」「または」と考えると選びやすくなります。