ロゴドンとは?ロゴドンの意味
「ロゴドン」とは、ブランドロゴが大きく目立つように配されたTシャツ・スウェット・キャップ・バッグなどのアイテム、およびそれらを取り入れたファッションスタイルを指す俗語です。「ブランドロゴがドーン(と大きく入っている)」を縮めた言い方で、主にハイブランドの大きなロゴ入りアイテムについて使われます。トレンドを語る中立的な用語としても、これ見よがしなブランド誇示への揶揄としても使われる、両義的な言葉です。
ロゴドンの説明
「ロゴドン」の面白さは、使う人の立場によって温度がまったく変わる点にあります。ファッションメディアでは「一点豪華に取り入れられれば感度の高さをアピールできる」といった攻略すべきトレンドとして中立〜肯定的に扱われる一方、ネット掲示板やSNSでは「成金っぽい」「服じゃなくてロゴにお金を払っている」といった批判の文脈で使われることも少なくありません。他方で、コーディネート投稿サイトには着る側が自らハッシュタグとして使う例もあり、自称としても機能しています。褒め言葉か皮肉かは文脈しだい、という点を押さえておきたい言葉です。
同じ言葉がトレンド用語にも揶揄にもなるのが興味深いですね。誰がどんな文脈で言っているかで、意味の色がガラッと変わります。
ロゴドンの由来・語源
「ロゴドン」は「ブランドロゴがドーン」を縮めた造語で、「壁ドン」のような「◯◯ドン」という語形に乗せた言い方です。実際、メンズファッション誌のLEONは2018年8月の記事で「壁ドンならぬ『ロゴドン』」として、覚えるべき新語のひとつに挙げていました。確認できる範囲では、この2018年前後に日本のファッションメディアやSNSで呼び名として一般化したとみられます。ただし、最初に誰がどこで言い始めたのかを特定できる資料は確認できず、初出は断定できません。また、国語辞典やファッション用語集への収載も確認できず、メディア・SNS発の俗語にとどまっています。
「ドーン」という擬態語ひとつで、ロゴの大きさだけでなく“これ見よがし感”まで伝わるのが日本語らしいですね。
ロゴドンの豆知識
「ロゴドン」という呼び名自体は俗語ですが、その後もファッション誌が「いわゆる“ロゴドン”のアイテム」と紹介したり、マネー系メディアが見出し語に使ったりと、幅広い媒体で通じる言葉になっています。言い換え・仲間の表現としては「デカロゴ」「ロゴもの」などがあり、上位語としてはハイブランドを略した「ハイブラ」がよく併用されます。また、コーディネート投稿サイトのWEARには「ロゴどん」のタグが存在し、着る側が自分のスタイルを表す言葉として使う用法も定着しています。
ロゴドンのエピソード・逸話
「ロゴドン」が指すトレンド自体は、2015年ごろからの海外ハイファッションに始まるとされています。象徴的なのがVETEMENTS(ヴェトモン)の「DHL Tシャツ」で、その後2017年前後にはバレンシアガがロゴを視認性の高いものに刷新し、大きなロゴを押し出すスタイルが広がりました。背景としては、シンプルさを極めたノームコアへの反発、そしてInstagramの隆盛によって「ひと目でわかる」アイテムが求められたことが指摘されています。日本で「ロゴドン」という呼び名がメディアに登場するのは2018年ごろで、トレンドの定着とともに言葉も広まっていきました。
ロゴドンの言葉の成り立ち
言語学的に見ると、「ロゴドン」は外来語の「ロゴ」に、勢いよく現れるさまを表す擬音語・擬態語の「ドーン」を付けて縮めた混成的な造語です。注目したいのは「壁ドン」「顎クイ」のように、名詞+擬態語で状況を一語に圧縮するネット発の語形成パターンに乗っている点で、「ドン」の一音が「これ見よがしな大きさ」というニュアンスまで背負っています。なお、同じ現象を指す国際的なトレンド用語には1990年代からの「ロゴマニア(logomania)」があり、「ロゴドン」はいわばその日本ネット俗語版と位置づけられます。
ロゴドンの例文
- 1 今日のコーデは胸元にロゴドンのスウェットを一点投入して、あとはシンプルにまとめた。
- 2 ロゴドンって成金っぽく見えるって言う人もいるけど、僕は好きで着てるからいいんだ。
- 3 全身ロゴドンだと主張が強すぎるから、キャップだけにしておくのが無難かな。
- 4 最近はクワイエットラグジュアリーが人気で、ロゴドン離れが進んでいるらしい。
- 5 彼はブランドに目覚めたばかりで、まずはわかりやすいロゴドンから入ったタイプだね。
「ロゴドン」の使い方と二つの温度感
「ロゴドン」は、アイテムやスタイルを指す名詞として「ロゴドンのTシャツ」「全身ロゴドン」のように使います。押さえておきたいのは、この言葉が中立的なトレンド用語と揶揄の両方で使われることです。ファッション誌が「効果的に取り入れれば最高のスパイスになる一方、一歩間違えると子供っぽさが出る」と指南するように、着こなしの難易度が高いスタイルとして語られることも多く、話し手がどちらの温度で使っているかは文脈から判断する必要があります。
- トレンド文脈:「ロゴドンを一点豪華に効かせる」など、着こなしのテクニックとして語る
- 揶揄の文脈:「全身ロゴドンは成金っぽい」など、これ見よがしなブランド誇示への批判として使う
- 自称の文脈:コーディネート投稿のハッシュタグなど、着る側が自分のスタイルとして名乗る
- 対象はTシャツ・スウェット・キャップ・バッグなど、ロゴが大きく入ったアイテム全般
ロゴドンを着る人の心理をめぐる言説
「ロゴドンを着る人の心理」は、掲示板やQ&Aサイト、ファッション系ブログで繰り返し論争になってきたテーマです。ネット上で語られてきた主な見方を整理すると、次のようになります。いずれも一つの言説であり、着る人が実際にどう考えているかを決めつけるものではない点には注意しましょう。
| 言説 | 内容 |
|---|---|
| アピール説 | ロゴがなければブランドはひと目で伝わらないため、所有をわかりやすく示す手段としてロゴを選ぶという見方 |
| 高揚感説 | 他人への誇示だけでなく、好きなブランドを身に着けて自分のテンションを上げる自己満足の側面を重視する見方 |
| 鎧説・見栄説 | 自信のなさをブランドで補っている、若いうちの見栄の通過儀礼だとする、掲示板などでよく見られる批判的な見方 |
| すれ違い説 | 着る側は「どう見られたいか」の外発的ファッション、批判側は「何を着たいか」の内発的ファッションで、そもそも価値観の軸が違うから争いになるという整理 |
批判側からは「着ている人がブランドの広告塔になっている」「服ではなくロゴにお金を払っている」という声があがる一方、「好きなように着ればいい。それがおしゃれの原点」「ブランド物というだけで否定するのも狭い価値観だ」という擁護も根強くあります。また、ブランド側にも、SNSで拡散されやすいわかりやすいロゴを打ち出す宣伝上の狙いがあると指摘されており、着る人の心理だけでは語れない構図もあります。
関連語と「ロゴドン」のその後
「ロゴドン」の周辺には、同じ現象や正反対のトレンドを指す言葉がいくつもあります。あわせて知っておくと、ファッションの話題がぐっと読み解きやすくなります。
| 言葉 | 意味 | ロゴドンとの関係 |
|---|---|---|
| ロゴマニア | ロゴを前面に押し出すファッション現象を指す1990年代からの国際的なトレンド用語 | ほぼ同じ現象の正式名称。ロゴドンはその日本ネット俗語版 |
| デカロゴ/ロゴもの | 大きなロゴ入りアイテムを指す口語表現 | ロゴドンとほぼ同義の言い換え |
| ハイブラ | ハイブランドの略 | ロゴドンの話題で対象となるブランド群を指す上位語 |
| クワイエットラグジュアリー | ロゴを押し出さず、控えめに上質さを漂わせるスタイル | 2023年ごろから広がった対極のトレンド |
2023年以降は「ロゴがなければもっと着たい」といった声とともにロゴを排したミニマルなブランドの人気が高まり、「ロゴドン離れ」という派生表現も生まれました。もっとも、SNS時代のロゴを「仲間内の会員証や合言葉」として再評価する論者もおり、ロゴドンは単に廃れたのではなく、ステータスの誇示から共同体の記号へと意味を変えつつある、という見方もできます。トレンドの振り子とともに評価が揺れ続ける、ファッションと言葉の関係を映した一語といえるでしょう。
よくある質問(FAQ)
「ロゴドン」とはどういう意味ですか?
ブランドロゴが大きく目立つように入ったTシャツ・スウェット・キャップ・バッグなどのアイテムや、それを取り入れたスタイルを指す俗語です。「ブランドロゴがドーン(と入っている)」を縮めた言い方で、主にハイブランドの大きなロゴ入りアイテムについて使われます。
「ロゴドン」の語源・発祥はどこですか?
「ロゴがドーン」の略で、「壁ドン」型の「◯◯ドン」という語形に乗せた造語です。トレンド自体は2015年ごろからの海外ハイファッションに始まり、日本では2018年ごろにファッションメディアで「ロゴドン」という呼び名が紹介されました。ただし、最初の使い手を特定できる資料は確認できず、初出は断定できません。
「ロゴドン」はダサいのですか?
評価は分かれています。ファッションメディアでは「一点豪華に取り入れればおしゃれ」と攻略すべきトレンドとして扱われる一方、ネット上では「成金っぽい」「下品」と批判する声もあります。どちらが正しいというより、価値観の違いによって賛否が割れている言葉だと理解するのが実態に近いでしょう。
「ロゴマニア」との違いは何ですか?
「ロゴマニア(logomania)」は1990年代後半から観察された、ロゴを前面に押し出すファッション現象を指す国際的なトレンド用語です。「ロゴドン」はほぼ同じ現象を指す日本のネット俗語で、2015〜2018年ごろのリバイバル期に生まれた呼び名という位置づけになります。
「ロゴドン」は今も流行っているのですか?
2023年ごろからは、ロゴを押し出さない「クワイエットラグジュアリー」やロゴレス志向が広がり、「ロゴドン離れ」という表現も生まれています。一方で、SNS時代のロゴを仲間内の「会員証や合言葉」のような記号として再評価する見方もあり、単純に廃れたというより意味が変化しつつある段階といえます。