「冴えない」とは?意味や使い方をご紹介

寝不足でぼんやりしている人のことを「冴えない」様子などと言いますね。ほかにも生活のいろいろな場面で「冴えない」という表現を使いますが、意味がうまく説明できるでしょうか。この記事では、「冴えない」の意味や使い方を類語と一緒にご紹介します。

目次

  1. 「冴えない」の意味とは
  2. 「冴えない」の使い方
  3. 「冴えない」の類語

「冴えない」の意味とは

「冴えない(さえない)」とは、なんとなく物足りない、暗い、つまらない、パッとしないといった意味の言葉です。動詞「冴える」の未然形に打消しの助動詞「ない」がついたものが「冴えない」ですから、「冴える」の意味についても見てみます。

「冴える」の「冴」は、氷の結晶を表す「冫(にすい)」と「互」が組み合わさって、氷が両側から張りつめて固くつくさまから、かたまる、こおる、ふさがるという意味の「」が変化した漢字です。そこから「冴える」は、「冱える」とも書く多義語で、主な意味は以下の通りです。

  1. 寒さが厳しい。冷え込む。
  2. 空気が澄んで、はっきりと見える。
  3. 楽器の音などが、はっきり聞こえる。
  4. 色や顔色、表情などが鮮やかに見える。
  5. 心身の調子がいい。
  6. 技量が優れている。
  7. (打消しの語がついて)パッとしない。不満がある。

以上のような「冴える」の意味を打ち消し、否定する言葉が「冴えない」ですが、主に4から7の意味で使う場面が多く、7の意味は、その他の意味の中に含まれていることが多い表現です。

「冴えない」の使い方

「冴えない」は、人の顔色や表情によく使います。誰しも、その日の体調や気分によって表情などが、「冴えない」時があります。また、顔つきや雰囲気、ファッションなどにも「冴えない」を使います。

さらに、学校の試験やスポーツの成績などにも「冴えない」が使われますが、そこには、不満があるとかパッとしないといった気持ちが含まれています。以下では、人の様子とそれ以外のものに分けて例文をご紹介します。

人の様子に関する「例文」

  • Aさん、朝から顔色が冴えないけど、何か心配事があるの?
  • 毎日会社訪問をしているが、まだ内定が一つももらえず、このところ息子の表情が冴えないようだ。
  • 部長は、健康診断の結果が悪かったらしく、一日中冴えない顔をしていた。
  • 百貨店の食料品売り場にいた店員が、冴えない顔つきをしていたので買う気が失せてしまった。
  • この推理小説に登場する探偵は、冴えない風貌に似合わず、切れ者で鮮やかに事件を解決する。

その他の「例文」

  • 期末試験の成績が冴えなかったので、次はよっぽど頑張らないといけない。
  • 今日の横綱は、技が冴えないだけでなく、覇気がなかった。
  • 一日中、冴えない天気で、気分まで暗くなるようだ。
  • 大将、今日は包丁さばきが冴えないね。なにかあったのかい。
  • この著者の評論はいつも切れがいいことで評判なのに、今回は冴えない内容で面白くなかった。

「冴えない」の類語

「いまいち」

「いまいち」は、「イマイチ/今一」などとも表記します。「今一つ」の口語的表現で、思い通りにいかず不満だ、何か少し足りない、もう少しといった意味の副詞です。「冴えない」とほぼ同じような使い方ができますが、砕けた表現でしょう。

【例文】

  • このところ残業続きで体調がいまいち良くない。
  • 答案は全部書けたけど、いまいち自信がない。
  • 精密検査の結果はいまいちだったが、無理しなければ勤務を続けてもいいそうだ。

「野暮」

野暮(やぼ)」は、世の中の事情に暗いこと、気が利かないこと、人の心情や物事のを理解しないことですが、「冴えない」の類語としては、センスが悪いこと、洗練されていないことを意味しています。冴えないファッションを、野暮なファッションと言い換えても通用しますね。

【例文】

  • 大学の卒業式では奇抜な衣装で出席する人もいるが、野暮な格好で出席した彼は、もっと目立っていた。
  • お気に入りの帽子を被ってデートに行ったら、彼から野暮ったいと言われて腹が立った。

関連するまとめ


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ