「軋轢」とは?意味や使い方をご紹介

「軋轢(あつれき)」は、読み方が難しく、使う機会も少ない漢字を使った熟語ですが、人間関係を表す時によく使われる言葉です。どちらの字にも「車」が使われているのに人間関係を表すというのはちょっと不思議ですね。この記事では、「軋轢」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「軋轢」とは
  2. 「軋轢」の使い方
  3. 「軋轢」の類語

「軋轢」とは

「軋轢(あつれき)」の漢字「」と「」は、どちらも「きしる」と読みます。「きしる」は、古語の副詞で擬音語の「きしきし」が動詞化したもので、硬い物体がこすれあって(「きいきい。ぎしぎし」といった不快感を感じる)音を立てること、きしむことを意味しています。

」は、車輪が物を押し曲げること、車輪がこすれあって軋(きし)み音を出すことを意味し、「」は、車輪で物を踏み砕くこと、人をないがしろにしたりすることを意味しています。

ここから「軋轢」は、他者との関係がスムーズに運ばないこと、つまり、人と人(国と国などの組織)の仲が悪くなること、不和になることを意味しています。同様の意味を「軋」一字を使って表すと、二人の間に軋(きし)みが生じるといった表現があります。

「軋轢」の使い方

「軋轢」は、主に人間関係が悪くなった時に使う言葉ですが、国同士や組織同士の関係に使うことができます。

「例文」

  • 都会のベッドタウンとして郊外に建設されたニュータウンの住民と昔からその土地に住む住民との間に地域の行事や風習のことで軋轢が生じている。
  • 退職を機に二世帯住宅を建てて長男の家族と同居を始めたが、しばらく前から嫁姑の軋轢を感じるようになった。
  • 社内では、社長派と専務派の軋轢が激化し、混乱を極めている。
  • 新進演出家と大物俳優の軋轢が芸能誌で取り沙汰されているようだ。
  • 新型感染症の対応について、国と地方自治体の軋轢が続いている。

「軋轢」の類語

「葛藤」

葛藤(かっとう)」は、植物の葛(かずら)と藤(ふじ)の組み合わせで、その枝やつるが絡みつくさまから、以下の三つの意味があります。1の意味が「軋轢」の類語です。

  1. 人や組織などが自己の意見考え方に固執し、互いに譲ろうとせず、対立すること。
  2. (心理学)心の中の異なった欲求や考えが対立して、どちらを選ぶべきか悩むこと。
  3. (仏教)悟りを開く妨げとなるもの。

【例文】
  • 両国との間にあった過去の様々葛藤を乗り越えて、本日、和解が成立しました。
  • 親族間の葛藤は、私たち夫婦の関係を微妙なものにしてしまった。

「摩擦」

「摩擦(まさつ)」は、物理学において、ふたつの物が接触して擦(こす)れあうことによって対立する力が働く現象のことです。そこから転じて、意見や考え方の違いから生じる対立や葛藤のことを「摩擦」と言います。「貿易摩擦」という言葉などが、よく使われますね。

【例文】

  • 両国間の経済摩擦は、首脳同士の会見では解決することができなかった。
  • 意見の食い違いから生じた摩擦は、二人の関係を決定的に破壊することになってしまった。

「確執」

確執(かくしつ/かくしゅう)」は、自己の意見に固執して、互いに譲ることがないこと、あるいは、そのために仲が悪くなることです。

「軋轢」とよく似た意味ですが、「軋轢」は、両者の関係がきしむ状態を表していて、齟齬(そご:食い違いや行き違い)のある場合も含みますが、「確執」は、かなり深刻な対立状態を表す言葉として使われています。

【例文】

  • 人気アイドルグループのメンバー間の確執が表面化して、来春解散することになった。
  • 本社と支社との間には長年の確執があり、人事異動案の作成にはいつも頭を痛めている。

「不協和音」

「不協和音(ふきょうわおん)」は、同時に鳴らした音の音程が調和しないために違和感を感じる和音のことです。そこから転じて、比喩的に人や組織の間で調和や協調関係を乱すような意見や考え方のこと、または、そのような不安定な関係のことを言います。

「不協和音」は、「軋轢」に近いニュアンスで使えることから、類語と言うことができるでしょう。

【例文】

  • 今までずっと一緒にペアを組んできたのに、彼一人が世間の注目を浴びるようになって二人の間に不協和音が生じてきた。
  • 同じ被害者同士が支えあっていく会なのに、それぞれの賠償額に違いがあることがわかると会の中に不協和音が聞こえるようになった。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ