「概ね」とは?意味や使い方を例文も含めてご紹介

「概ね」という言葉があります。天気予報で、「おおむね晴れの模様です」という言い方をされることがあります。「概ね」の「概」が、「概略」の「概」であることに着目すると意味も推測できるのではないでしょうか。この記事では「概ね」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「概ね」とは
  2. 「概ね」の使い方
  3. 「概ね」の類語

「概ね」とは

「概ね(おおむね)」とは、だいたい(大体)、おおよそ、概略あらましといった意味で、名詞と副詞の用法があります。別表記で「大旨」とも書きます。「大旨」は、大まか、大体を表す「大」と、物事の内容や主旨を表す「旨」からなり、上記のような意味を表しています。

」は、「」+「(「」の略字)」からなります。まず、旧字「」の左側の「」は、器に盛りつけたご馳走(一説には「米」)を表し、右側の「」は、ごちそうを食べて満腹な人の様子を表しています。

次に、器に盛り上げた米を平らにならす棒「」を「)」に付けて、米を器全体に行きわたらせるとともに、器の外にあふれ出るさまから、おおむね、欠けたところがないように全体をならすという意味を表す「」という漢字が生まれたと言われています。

「概ね」の使い方

名詞としての「概ね」

名詞としての「概ね」は、物事を厳密にとらえるのではなく、その概要・大体の趣旨、あるいは大部分ということ表す場合に使います。したがって、例外が存在するという含みのある使い方をすることもあります。

【例文】

  • 君が私の所へ来た概ね事情はよく分かったから、今日は帰りなさい。
  • 今回のクレームについて先方の概ねの主張は担当者から聞いています。
  • 今日の会場は概ね満席になっています。

副詞としての「概ね」

副詞としての「概ね」は、全体を見渡せばある一定の状態にあると考えたり、判断したりすることができ、その考えや判断を覆したり、再考を促すような例外的なもの(無視できないもの)はないという含みがあります。

また、「概ね」がかかる動詞に対して、肯定的、あるいは、中立的な判断をする場合に多く「概ね」が使われますが、「概ね満足できない」というような否定的な使い方はあまりしません。

【例文】

  • 今回モデルチェンジしたミニバンは、概ねユーザーの評価が高いという記事が車雑誌に掲載された。
  • 主治医から「術後の経過は概ね順調です」と言われ、安心した。

「概ね」の類語

「概ね」の同義に近い類語はたくさんあります。大体・およそ・おおよそ・大方・ざっと・ほぼ概要概算・概略・あらかた・総じてなど数え上げたらきりがありません。この中から、およそ・ほぼ・総じてを以下でご紹介します。

「およそ」

「およそ(凡そ)」は、名詞・形容動詞としては、大体のところ、おおよそのところ、大筋ではや、いいかげんなことを表し、副詞としては、大体、約、一般的という意味で使われます。全体として一定の状態にあるという含みがあり、「概ね」の類語と言えるでしょう。

【例文】

  • 向こうの出方はおよそ見当がついている。
  • 会場までは、車でおよそ20分ぐらいで到着します。
  • 彼は、およそ恋愛とは無縁な男です。

「ほぼ」

「ほぼ」は、口語でよく使われる副詞で、(完全に近い状態で、かつ、例外がないという含みが希薄な)大体、おおかたという意味です。「概ね」は、否定的な場面では使いにくいのですが、「ほぼ」は、否定的な場面でも使うことができます。

【例文】

  • これだけ大量の得点差があるから勝利はほぼ間違いない。
  • 明日の遠足の準備は、ほぼできた。
  • 課長の提案には、課員のほぼ6割が反対している。

「総じて」

「総じて(そうじて)」は、多少の違いはあるものの全体としては~である、一般的には、大体のところではという意味の副詞です。「総じて」も「ほぼ」と同様、否定的な場面でも使うことができます。なお、「ほぼ」には、全体で、全部でという意味もあります。

【例文】

  • 車のデザインには流行があるのか、各社が発表した同クラスの新車は、総じてよく似たスタイルをしているようだ。
  • A高校バスケット部の選手の能力総じて高く、全国大会出場は間違いないと言われている。
  • B課長はやり手だが、傲慢で人を見下すことが多いので、総じて社内での評判は芳しくない。


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