「ぞんざい」の意味とは?
「ぞんざい」は、物事のやり方、取り扱いの仕方が雑であること、口の聞き方や振る舞いが乱暴で礼儀に適っていない様子を表す形容動詞です。
文学作品などで「存在」と漢字表記をする例もありますが、これは借字(しゃくじ:意味に関係なく、漢字の読み方から表記をする方法。「当て字」の一種)で、ひらがなでの表記が一般的です。
「ぞんざい」の使い方と例文
「ぞんざい」は、人の性質や態度、様子などを表せますが、あまり良い意味では使われません。人となりについての使い方を、2つのパターンに分けて説明します。
1.雑でいい加減
「ぞんざい」で人の態度や性格がいい加減であるさまを表します。例えば、細かいところまで気を配らずに全てにおいて雑な性質や、物などを手荒に扱って平気でいる態度、粗暴な振る舞いや言動が目立つ様子などが挙げられます。
【例文】
2.礼儀を知らない
礼儀をわきまえていないという意味でも「ぞんざい」という言葉で表せます。目上の人への態度がなっていないこと、例えば、マナーに適った所作をしなかったり、敬語を使わなかったりする様子などが挙げられます。
【例文】
- 彼は年長者にぞんざいな口調で対応するので、お叱りを受けないかとヒヤヒヤした。
- 後を継いだ社長は来客にぞんざいな挨拶で済ませたため、贔屓(ひいき)客が離れてしまった。
- 思い上がっている彼は、振る舞いを注意されてぞんざいに口答えをしたので、それ以降は誰からも相手にされなくなった。
「ぞんざい」を使った表現
【いけぞんざい】
ひどくいい加減で粗略に扱うような人の様子を表します。「いけ」は接頭語で、相手について不愉快な気持ちを強める時に使います。
- 彼は、いけぞんざいに客の手荷物を受け取った。
【ぞんざい千万】
迷惑なくらいいい加減である、ひどく粗野な振る舞いをするといった意味です。「千万」は接尾辞のように使う場合、程度がひどい様子を言います。
- 受付の男は、無愛想でぞんざい千万な奴だ。
「ぞんざい」の類語
がさつ
「がさつ」とは、性質や振る舞いが下品で荒っぽく、細かいところに気を配らずにいる人を表す語です。一説によると、動詞の「がさつく」(ガサガサと音を立てることから転じて、言動が落ち着かない様子を表す)が形容動詞に変化したと言われています。
【例文】
- 彼のがさつな振る舞いが目にあまった。
- おおらかと言えば聞こえが良いが、彼女の場合は「がさつな人間」という評価のほうが適切だ。
おざなり
「おざなり」(漢字表記:御座なり)とは、その場だけの間に合わせをすること、物事をいい加減に済ます様子を言います。一般的に「おざなり」とひらがなで表記することがほとんどです。
「御」は丁寧を表す接頭語、「座」は座敷を表しますが、ここでは、「お座敷」、つまり、宴会の席のことで、「なり」は形のことです。宴会に出席した時に、その場を形だけ取り繕ったいい加減なことを言ってやり過ごすところから来ています。
【例文】
- 客からの問い合わせにおざなりな返答をして、後から問題となった。
- おざなりに対応したところ、上司からひどく怒られた。
無作法/不作法
「無作法/不作法」(ぶさほう)とは、礼儀作法(社会生活を円滑にするために守るべきとされる規範)が身についていない様子、不躾で礼を欠くさまを言います。
【例文】
- (相手にへりくだって言う)無作法をお許しください。
- 挨拶もろくろく出来ないなんて、無作法な人間だな。
「ぞんざい」と反対に近い表現の語
丁寧
「丁寧」(ていねい)とは、相手に対する言動などが親切で礼儀に適っていること、細かな配慮が行き届いていることを言います。「ぞんざい」の持つ意味とは真逆の様子を表しています。
【例文】
- 丁寧な御返事をいただき、恐縮しております。
- あの旅館の女将さんは、いつも丁寧なおもてなしをしてくれる。