「溜飲」とは?意味や使い方を「溜飲を下げる」も含めてご紹介

現代はストレス社会と言われていますが、たまにはモヤモヤが晴れることもあるかもしれません。そうした様子に関わる言い回しが「溜飲を下げる」です。では、そもそも「溜飲」の意味は何でしょう。今回は「溜飲」の意味と使い方を「溜飲を下げる」も含めてご紹介します。

目次

  1. 「溜飲」とは?
  2. 「溜飲」の使い方
  3. 「溜飲を下げる・溜飲が下がる」の類似表現

「溜飲」とは?

「溜飲」は、(りゅういん)と読みます。「溜飲」単体ではなく、言い回しによって使われることがほとんどです。メディア記事などでは「留飲」と表記されますが、これは「溜」が常用漢字ではないためです。

今回の解説は、実際に使われる頻度が高い「溜飲」を含む慣用表現が中心となりますが、まずは根幹の「溜飲」の意味を紹介します。その意外な意味に驚くかもしれません。

「溜飲」の意味

「溜飲」は、胃の中のものが十分消化されずに、口に酸っぱい液が出てくる症状、または、その液を表します。平たく言えば、胸焼け胃酸のことです。ほかに、おくび(げっぷのこと)を意味に含めている辞書もあります。

「溜飲」の使い方

「溜飲」を単体で使うのは、おもに医学の分野です。しかし、現在では、「溜飲」よりも、胃酸の逆流、胃酸による酸性のおくび、などと表現されることが多いようです。

一般的によく使われるのは、「溜飲を下げる」や「溜飲が下がる」という慣用句です。

「溜飲を下げる・溜飲が下がる」とは

胃の調子が悪いとき、「溜飲」が上がってきたら気持ちが悪いですが、それが下がればすっきりするでしょう。「溜飲を下げる」や「溜飲が下がる」は、すっきりした状態になることの比喩です。

つまり、わだかまり・不平不満・恨み・憎しみ・悩み・もやもやした気持ちなどのネガティブな感情が解消して気が晴れること「溜飲を下げる」「溜飲が下がる」と言います。

これらを文法的に見れば、「溜飲を下げる」は自発的に行動してすっきりさせた、「溜飲が下がる」は自分以外の要因ですっきりした、と捉えられます。しかし、実際には、ほとんど区別なく使える言い回しです。

なお、辞書には明確な定義はありませんが、ここで言う解消するネガティブな感情とは、自分に原因があるものではありません。他人や周囲の状況に対する不平不満などを指すことが多いようです。

「溜飲を下げる・溜飲が下がる」の例文

  • 彼女は浮気をした彼の顔を一発殴って、少しだけ溜飲を下げた。
  • インサイダー取引で私腹をこやしてきた政治家が逮捕されて、溜飲が下がった。

「溜飲を下げる・溜飲が下がる」の類似表現

「鬱憤を晴らす」

「鬱憤を晴らす」は、(うっぷんをはらす)と読みます。「鬱憤が晴れる」という言い方もありますが、どちらも意味は同じです。

「鬱憤」とは、心のなかに抑圧している怒りや恨み、また、そのような感情が積もることです。したがって、「鬱憤を晴らす」とは、心のなかの不満、怒り、恨みなどのネガティブ感情を、なんらかのかたちで発散して解消させることを表します。

【例文】受験で何度も失敗してきたが、就活では希望する会社の内定を勝ち取って鬱憤を晴らした。

「胸のつかえがおりる」

「胸のつかえがおりる」とは、文字のとおりに、心(胸)につかえていた心配事や悩みが解決してすっきりとし、安心することです。「胸のつかえがとれる」とも言います。

ここでの「つかえ」とは、心配や悩みといった不安の類いです。よって、「胸のつかえがおりる」は、「溜飲を下げる」のように恨みや憎しみなどの敵対感情については使いません。

【例文】長期療養していた息子がすっかり回復して社会復帰したので、親として胸のつかえがおりた。


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