弄するとは?弄するの意味
「弄する(ろうする)」には、主に二つの意味があります。一つは、物事をもてあそぶ、思うままに操ること。もう一つは、人をあざける、からかう、なぶりものにすることです。現代では前者の意味で、「策」「詭弁」「言葉」「技巧」などを目的語に取る硬い文章語として使われるのが一般的です。
弄するの説明
現代の「弄する」は、「策を弄する」「詭弁を弄する」「言葉を弄する」など、何を用いるのかを示す目的語とともに現れることが多い言葉です。「策を弄する」は策略をめぐらすこと、「詭弁を弄する」は道理に合わない議論を巧みに使うこと、「言葉を弄する」は言葉を巧みに操ることを表します。多くの場合、必要以上に技巧を凝らす、誠実さを欠く、ごまかそうとするといった批判的な含みがあります。文脈によっては単に技巧を駆使する意味にもなりますが、肯定的に褒めたい場面では「工夫する」「知恵を絞る」「駆使する」の方が誤解されにくいでしょう。
「工夫する」の格調高い言い換えとして安易に使うと、意図せず批判的に聞こえることがあります。目的語と文脈を確かめて使うのが大切です。
弄するの由来・語源
「弄」は、もてあそぶ、なぶる、思うままに扱うという意味を持つ漢字です。「弄する」は、この漢字の音読み「ロウ」にサ変動詞の「する」が付いた語で、文語形は「弄す」です。辞書には古い形として「ろうず」も記載されています。漢字の成り立ちには解釈の違いがあるため、特定の字源説だけを確定的な語源とはしない方が安全です。
読み方だけでなく、「何を弄するのか」という結び付きを覚えると、文章の意味を正確につかみやすくなります。
弄するの豆知識
「弄する」の標準的な読みは「ろうする」です。古い形の「ろうず」は、現代の通常の文章や会話ではほとんど用いません。また、「弄」は「いじる」「もてあそぶ」とも読めますが、「弄する」を「いじする」「もてあそびする」とは読みません。
弄するのエピソード・逸話
「弄する」は単独で意味を捉えるより、前に来る名詞との組み合わせで理解すると実用的です。「策」なら策略をめぐらすこと、「詭弁」ならもっともらしい言い逃れを使うこと、「言葉」なら言葉を巧みに操ることを表します。いずれも、話し手がその手段に距離を置き、批判的に評価する文脈でよく使われます。
弄するの言葉の成り立ち
文法上の「弄する」は他動詞のサ変動詞です。活用は「弄しない・弄します・弄する・弄するとき・弄すれば・弄しろ」のようになります。目的語には「策」「詭弁」「言葉」「技巧」「小細工」など抽象的な名詞が来やすく、日常的な物の操作には通常「いじる」「操る」を使います。硬い文章語であることと、目的語の選択が比較的限られることが特徴です。
弄するの例文
- 1 交渉を有利に進めようと策を弄したが、かえって相手の不信を招いた。
- 2 詭弁を弄して責任を逃れようとしても、事実は変わらない。
- 3 言葉を弄するより、状況を率直に説明した方がよい。
- 4 相手の裏をかくために小細工を弄したことが、敗因になった。
- 5 技巧を弄しすぎた文章は、かえって要点が伝わりにくくなる。
「弄する」の代表的な使い方とニュアンス
「弄する」は、技巧や手段を意のままに用いる様子を表す硬い言葉です。現代では次のような組み合わせが理解の手掛かりになります。
| 表現 | 意味 | 主なニュアンス |
|---|---|---|
| 策を弄する | 策略をめぐらす | 策に頼る、こざかしい手段を使う |
| 詭弁を弄する | 道理に合わない議論を巧みに使う | 言い逃れやごまかしへの強い批判 |
| 言葉を弄する | 言葉を巧みに操る | 内容より言い回しを優先する含み |
| 技巧を弄する | 技巧を凝らして用いる | 技巧過多への批判を伴うことがある |
「知恵を絞ってよい方法を考えた」と肯定的に伝えたいなら、「工夫する」「創意を凝らす」「技術を駆使する」と言い換える方が自然です。
類語との違いと使い分け
| 言葉 | 中心的な意味 | 使い分け |
|---|---|---|
| 弄する | 手段や技巧を思うままに用いる | 硬い表現で、批判的な含みを持ちやすい |
| 操る | 意のままに動かす | 機械・人・言葉など幅広い対象に使える |
| 駆使する | 能力や道具を自在に使いこなす | 技能を肯定的に評価する場面にも適する |
| 弄ぶ | 手でいじる、面白半分に扱う | 物や人の感情など対象が広い |
| 翻弄する | 思うままに動かして振り回す | 翻弄される側の困惑や被害に焦点がある |
特に「弄する」と「駆使する」は評価の方向が異なります。「話術を駆使する」は能力を生かす肯定的な表現になり得ますが、「話術を弄する」は技巧に頼る印象や、相手を言いくるめる印象を与えやすくなります。
誤読・誤用を避けるポイント
- 読み方は「ろうする」。古い形の「ろうず」と混同しない
- 日常的に物を触る意味なら「弄する」ではなく「いじる」を使う
- 多くは「策」「詭弁」「言葉」などの目的語と組み合わせる
- 肯定的な工夫を褒める場面では「駆使する」「工夫する」を選ぶ
- 「策を弄する」は中立とは限らず、策に頼ることへの批判を含み得る
「弄する」は、改まった文章や評論、報道などで見かける表現です。日常会話では意味が伝わりにくい場合があるため、「策略をめぐらす」「言い逃れをする」など、文脈に合う平易な言葉へ置き換えるとよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
「弄する」の読み方は何ですか?
「ろうする」と読みます。辞書には古い形として「ろうず」も載っていますが、現代では「ろうする」が一般的です。「弄」を「いじる」と読む場合もありますが、「弄する」は「いじする」とは読みません。
「策を弄する」とはどういう意味ですか?
目的を達成するために策略をめぐらす、さまざまな手段を用いるという意味です。単なる工夫よりも、策に頼りすぎる、こざかしい手段を使うといった批判的なニュアンスを帯びることがあります。
「弄する」と「弄ぶ」の違いは何ですか?
どちらにも「もてあそぶ」という意味がありますが、「弄する」は「策を弄する」のような硬い文章語で、抽象的な目的語と結び付きやすい言葉です。「弄ぶ」は、物を手でいじる、人の感情を軽く扱うなど、より広い場面で使われます。
「弄する」の類語・言い換えは何ですか?
文脈に応じて「操る」「駆使する」「策略をめぐらす」「小細工をする」「言葉を巧みに使う」などに言い換えられます。「駆使する」は肯定的にも使えますが、「弄する」は批判的な含みを持ちやすい点が異なります。
「弄する」は英語でどう表しますか?
一語で常に対応する英語はなく、目的語と文脈に合わせます。「詭弁を弄する」は use sophistry、「策を弄する」は resort to schemes や use tricks、「言葉を弄する」は play with words などと表現できます。