「肩を並べる」とは?意味や使い方を類語も含めてご紹介

わたしたちが日常会話で使う言葉には、「肩」を含む慣用表現がたくさんあります。「肩を並べる」もそのひとつです。「~と肩を並べるようになったね」と言われたことがある方もいるでしょう。今回は、「肩を並べる」の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「肩を並べる」とは
  2. 「肩を並べる」の使い方
  3. 「肩を並べる」の類語
  4. 「肩」を用いた慣用句

「肩を並べる」とは

「肩を並べる」は、二つの意味をもっています。一つ目は「横に並ぶこと。肩をそろえながら進んでいくこと」という動作を表す意味です。

二つ目はこの意味から転じて、「同等あるいは対等の位置に立つこと。または、同様に地位や力を得て張り合うこと」を表しています。どちらかというと、この二つ目の意味の方がよく使われる場合が多いようです。

では、「肩を並べる」を構成する「肩」と「並べる」はどういう意味をもっているのでしょうか。

「肩」の意味

「肩」の意味はたくさんあります。主なものは次のとおりです。

  1. 腕が胴体に接続する部分の上部。(例:肩を組む)
  2. 山頂から下ってきた平坦な場所。(例:肩の小屋)
  3. ボールなどを投げる力。(例:肩が強い)
  4. 責任を背負うこと。(例:君の肩にかかっている)

「肩を並べる」の「肩」は、この1の意味です。

「並べる」の意味

「並べる」の主な意味は次のとおりです。

  1. 列をなして位置させること。「連ねる」と同様に用いられる。(例:軒を並べる)
  2. ひきあてて優劣を比べる。(例:二人を並べて論じる)
  3. いろいろなものを次々と置くこと。(例:料理を並べる)
  4. 次々とあげていうこと。(例:欠点を並べる)

「肩を並べる」の「並べる」は、この1の意味です。

「肩を並べる」の使い方

  • 隣国は見事に戦後の復興を成し遂げ、我が国と肩を並べるようになりました。
  • 弱小チームでしたが、監督の指導により強豪チームと肩を並べるほどになりました。
  • 彼は他に肩を並べる者がいないほど素晴らしい選手でした。
  • 彼は猛勉強によりクラスのトップに肩を並べるレベルとなりました。

「肩を並べる」の類語

「比肩する」

「比肩する」とは、「同じレベルのものとして並ぶこと」という意味です。このフレーズも「肩」という語を使って同等のさまを表しています。

【例文】

  • 駅前のデパートは県外の大型店に比肩する規模になりました。
  • 今回の発明はノーベル賞にも比肩するような偉業です。

「匹敵する」

「匹敵する」とは、「試してみたり、比較したりする中で能力や性能などが同じ程度であること」です。この言葉も「肩を並べる」と同じように用いられます。

【例文】

  • 今回の台風は大災害をおこした2年前の台風に匹敵するものです。
  • 彼は県のトップクラスに匹敵するような力をもった選手です。

「立ち並ぶ」

「立ち並ぶ」とは、「(人や建物などが)並んで立つ」という意味です。建物について言う場合は「建ち並ぶ」と表記することもあります。また、ここから転じたのが、「能力や力が同等である」という意味です。

【例文】

  • 新米だった彼も技術を磨いてきたおかげで、今や熟練の技術者たちに立ち並ぶまでになった。
  • わが社において、事務処理能力で彼女に立ち並ぶ者はいない。

「遜色ない」

「遜色ない」(そんしょくない)とは、「他の物と比べてみても見劣りがしないこと」という意味です。「比較をする中で同等のもの」という点で「肩を並べる」に似ています。

【例文】

  • 多くの作品が出品されどれも遜色ないものばかりです。
  • 二人の演技はどちらも遜色なく審査員も困惑しています。

「肩」を用いた慣用句

「肩を並べる」以外にも「肩」を使った慣用句は沢山あります。ここではその一部を紹介しましょう。

  • 「肩を張る」:威勢よさそうに見せること。肩を張り出したさまを例えとした言葉。
  • 「肩を抜く」:自分が担当していたことから離れること。または、手を引くこと。
  • 「肩をたたく」:上司が部下に退職を勧めること。肩の凝りをほぐすため肩を打つさまから転じた言葉。
  • 「肩をすぼめる」:元気なくしょんぼりとすること。肩を落としているさまを例えとした言葉。
  • 「肩が軽くなる」:負担や責任がなくなり楽になること。肩の凝りが取れて軽くなる意から転じたもの。

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