「いみじくも」とは?意味や使い方を「いみじ」との違いを含めてご紹介

「いみじくも」。しばしば目や耳にすることがある表現ですが、いざ「どんな意味?」と聞かれると答えに窮してしまいます。似たような日本語の言い方も多く、「この使い方で正しいのかな?」と不安になることも。今回は「いみじくも」の意味や正しい使い方を解説します。

目次

  1. 「いみじくも」の意味
  2. 「いみじくも」の語源や漢字表記
  3. 「いみじくも」の正しい使い方
  4. 「いみじくも」と間違いやすい言葉
  5. 「いみじくも」のまとめ

「いみじくも」の意味

「いみじくも」という言葉は、後に続く文章を修飾したり強調したりする副詞です。

「いみじくも」とは、「非常に巧みに」や「適切に」「とてもうまく」といった意味を示します。現代の日本語では、一般的にはポジティブな意味合いで使われ、あるものごとや状況が「自分の思い通りに、大変上首尾に進んでいる」、「望ましい形で、理想的に展開している」と評価し、たたえる言い方だといえます。

「いみじくも」の語源や漢字表記

「いみじくも」は、もともとは古語の表現が由来となっている言葉です。古語に「いみじ」という形容詞があり、この連用形に、驚きや感動を表す係助詞「も」をつなげたものが「いみじくも」となりました。

古語の「いみじ」とは、「ものごとの善悪にかかわらず、程度がはなはだしいさま」を示す形容詞です。すなわち「並並ではない」「非常に素晴らしい」「ひどい、恐ろしい」といった意味合いです。中学校の教科書などでどなたも習った経験がおありかもしれませんが、随筆「徒然草」などの中で、よく登場する表現です。
 

徒然草 七
 「世は定めなきこそ、いみじけれ」(この世は無常であるからこそ、すばらしい)

「いみじ」とは、漢字で書くと「忌みじ」で、すなわち「忌む」という言葉が語源になっています。つまり元来は「忌まなければならないほど、すさまじい」といった意味合いを持つ表現だったわけです。古文では「あないみじ」(ああ、ひどい)といった言い方もしばしば見られます。

しかし、現代日本語の「いみじくも」は、こうした元来の「ひどい、恐ろしい」といった悪い意味合いはなくなり、主としてよいこと、うまいことについて、その対象をほめる言い方として定着しています。

「いみじくも」の正しい使い方

「いみじくも」は、前述のように現在では「良い」「上首尾だ」「ぴったりしている」など、ものごとをほめたたえ、評価する強調の表現だといえます。

ただ古語から由来している言葉ですので、日常的な会話などよりも、一般には文章や、かしこまったあいさつなどの中で使われる言い方でもあります。例文としては次のようなものが挙げられます。
 

  • 「暑さ寒さも彼岸まで」とは、いみじくも言ったものだ。
  • 彼が最後に残した言葉は、真実をいみじくも言い表していた。
  • 先生がいみじくもご指摘の通り、早めに対策しておいて正解でした。

「いみじくも」の類語

「いみじくも」は「適切だ」「大変巧みだ」と、後に続く語句をたたえる強調表現ですので、類語としては次のような副詞的な語句を示すことができるでしょう。

「上手に」「首尾よく」「ばっちり」「的を射た」「まさに」「見事に」「完璧に」「的確な」などがあげられます。

「いみじくも」と間違いやすい言葉

「いみじくも」は、文章や日常のやり取りでも身近に接する表現ですが、日本語には似たような別の言い方もあり、間違った使い方をしやすい言葉でもあります。

例えば「くしくも」「いやしくも」といった言葉があります。どちらも一見「いみじくも」と語感が似ていますが、意味合いはまったく異なります。

「くしくも」は漢字で「奇しくも」と書くように、「奇妙なことに」「不思議だ」といったニュアンスを持ちます。「偶然にも」「何の因果だろうか」と、その出来事や状況を不思議がるイメージの副詞です。例えば「先生は奇しくも誕生日に亡くなった」などと使います。

また、「いやしくも」は漢字では「苟も」と表記します。これは「もしも」「仮にも」といった意味のほか、後ろに打ち消しの言葉を伴って「いい加減に~しない」「おそろかに~しない」といった表現でも用いられます。「苟も上に立つ者のすることではない」などです。

これらを混同して、例えば「いみじくも、ここであなたに会えるとは!」や「いみじくも、それが事実なら大変なことだ」といった用い方をするのは誤用となりますので、注意が必要です。

「いみじくも」のまとめ

「いみじくも」がその一つであるように、文を修飾したり強める日本語の副詞的表現には、大変多くの種類があります。

ただ言葉の意味だけを覚えるのは無味乾燥で難しいものですが、由来や字の成り立ちなどを知ることで、その言葉の印象が深まり、理解が進むこともあります。気になる日本語に出会ったら、その語源などにも少し関心を持つと、思わぬ発見があるかもしれません。

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