「ぼんやり」とは?意味や使い方を類語も含めてご紹介

以前はカメラのピント合わせは手動だったので、顔や景色がぼんやりとした写真が撮れることもよくありました。この「ぼんやり」という言葉には複数の意味があり、それぞれに対して類語も多くあります。今回は「ぼんやり」の意味や使い方について、類語も含めて解説します。

目次

  1. 「ぼんやり」とは
  2. 「ぼんやり」の使い方
  3. 「ぼんやり」の類語

「ぼんやり」とは

「ぼんやり」は次のような意味を持つ副詞です。

  1. 形や色がぼやけてはっきりしない様子。
  2. ある事柄の内容などがはっきりしない様子。
  3. 活気がなく、集中力を欠いている様子。
  4. 間が抜けている様子。

このほかにも、「ぼんやり」には、4の意味の名詞形として「間が抜けている人」という意味もあります。この記事では、使う機会の多い上記の1~4について説明します。

「ぼんやり」の使い方

意味1:色や形がはっきりしない様子

意味1の「ぼんやり」は、視覚で認識できる情報がはっきりしない場合に用いられます。また、慣用的な用例かもしれませんが、聴覚に関わる情報に対しても使うこともあります。

【例文】

  • 暗がりの中で愛猫らしき姿がぼんやりと見えた。
  • プロジェクタの調子が悪いのか、映した画像が少しぼんやりとしている。
  • 壁越しなので、彼らの話し声はぼんやりとしか聞こえなかった。

意味2:内容などがはっきりしない様子

意味2は、「はっきりしない」という点では意味1と似ていますが、対象は違います。目で捉えられない内容や記憶、印象などがはっきりしないことに対して使うのが意味2です。

【例文】

  • クライアントのぼんやりとした要望は、もう少し洗い出して煮詰める必要がある。
  • 授業中眠くなって、先生の話をぼんやりとしか覚えていない。
  • 新製品のアイディアはあるにはあるが、まだぼんやりとしている。

意味3:活気がない様子

意味3は、元気がない、あるいは、物事に集中できずにボーッとしている様子を表す場合に使います。

【例文】

  • 愛犬を亡くしてからというもの、母はぼんやりとしていることが多くなった。
  • 疲れがたまっていたのか、今日はぼんやりとしていて、作った書類に誤字が多かった。

意味4:間が抜けている様子

意味4は意味3と少し似ています。しかし、元気がない、集中していない状態がずっと続いていることをネガティブに表現したのが意味4です。愚か、見当外れ、手抜かりがあるなどとも言い換えられるでしょう。

【例文】

  • ぼんやりしているとすぐに他の生徒に成績を追い越されるぞ。
  • 夫はぼんやりしていて、家事も育児も全然やろうとしない。

「ぼんやり」の類語

意味1:色や形がはっきりしない様子

【朧げ】(おぼろげ)
不確かな様子・はっきりしない様子を表す形容動詞です。1の意味で「月が朧げに見える」のように使いますが、「記憶が朧げだ」といった用法では意味2の類語に相当します。

霞む】(かすむ)
多義語ですが、物の形や色がはっきり見えなくなる・(疲れ目などで)はっきりと見えない様子という意味は「ぼんやり」に通じます。「霧で景色が霞んでいる」「涙で霞んで前が見えない」のように使う言葉です。

【不鮮明】(ふせんめい)
鮮やかでない・はっきりしないという意味です。「不鮮明な画像しか残っていない」のように用いられます。また、意味2のように「彼に対しては不鮮明な印象しか残っていない」のようにも使います。

意味2:内容などがはっきりしない様子

曖昧】(あいまい)
物事や態度がはっきりとしないことやその様子や、疑わしいことやその様子を指します。「ぼんやり」に似ているのは前者です。「彼女は賛成か反対か、曖昧な意見しか言わない」のように使います。

【あやふや】
物事がどっちつかずで不確かな様子を言います。「彼のあやふやな証言では信憑性に欠ける」のように用いられる形容動詞です。

漠然】(ばくぜん)
果てしなく広い様子または、まとまりがなくはっきりしない様子という意味です。「担当者の説明は漠然として分かりにくい」のように用いられます。

意味3:活気がない様子

【気が抜ける】
(炭酸飲料などの)風味が抜ける気持ちの張り合いが無くなるという意味がありますが、「ぼんやり」に似ているのは後者です。「プロジェクトが一段落して気が抜けた」のように用いられる慣用句です。

【放心】
気に掛けないという意味もありますが、「ぼんやり」に類するのは何かに心を奪われて、魂が抜けたようになっている様子という意味です。「彼女は思わぬ大事故を前に放心していた」のように使います。

【ぼさっと】
放心してボーッとしている様子を指します。「ぼさっと突っ立ってないで、さっさと荷物を運んで!」のように、批判を込めて使う言葉です。

意味4:間が抜けている様子

ここでは、「ぼんやり」の形容動詞の意味4と、名詞の「間が抜けている人」に関する類語を合わせて紹介します。

【うつけ】(虚け/空け)
中身が空っぽな様子または、愚かな様子・愚かな人を表します。「あのようなうつけは見たことがない」のように使います。かの織田信長が「うつけ者」と呼ばれていたのは有名な話ですね。

【昼行灯】(ひるあんどん)
昼に灯した行灯が役に立たないことから、間が抜けている人・ボーッとしていて役に立たない人を嘲る(あざける)ときに使う言葉です。「一日中ボーッと過ごして、まるで昼行灯だな」のように用られます。


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