「安易」とは？意味や使い方をご紹介

「安易」（あんい）の意味は、以下の通りです。

1. 努力などが必要ないくらいたやすくできる
2. 真剣な気持ちが感じられずに性格・振る舞いなどがいい加減な様子

「安」と「易」の両方に、たやすいなどの字義があります。似た意味の漢字を重ねて強調している熟語です。

たやすくできるという意味で「安易」を使う場合、特に地道な努力が必要なく、熟練した技能を身に着けなくても、すぐに簡単に物事ができるということを表現できます。

また、自分が取り掛かっていることを「誰にでもできる」というように、自虐的もしくは謙遜して言う場合もありますね。

【例文】

• 時間をかけたくないため、できるだけ安易な方法を取りたいです。
• 詳しくない人でも操作できるよう、できるだけ安易に動かせるように工夫しています。
• 私がやっているのは安易な作業なので、未経験でも大丈夫ですよ。

「安易」は、人物についていい加減な性格、またはそのような行動や考え方などを描写する際にも使えます。

例えば、真剣に物事に向き合おうとしない性格や、のんきで一生懸命さが足りない行動の仕方、考えや計画に先々の見通しが甘いような印象を受けたなどのケースが挙げられますね。

【例文】

• 安易に独立しようとするなんて、彼はなんて浅はかなんだろう。
• このような安易な考えで、プロジェクトが成功するとは思えないね。
• あなたは実力が伴わないくせに、安易にできると請け合うのはよくないよ。

「手軽」（てがる）とは、面倒な手順や手続きが必要なく簡単に対処ができる様子を言います。労力があまりかからずに手間なくできる点が、「安易」のたやすくできる意味とよく似ていますね。

【例文】

• よく使う通販サイトではコンビニ決済ができるので、祖母が手軽で支払いやすいと言っていた。
• こちらの機種はシニア向けで機能を最小限に絞り、手軽に操作できるスマートフォンと評判です。
• お子さんと一緒にいかがですか？レンジでチンするだけで、手軽にカップケーキができますよ。

「軽率」（けいそつ）は、人の性格や振る舞い、物言いが軽はずみなこと、物事について深く考えずに行動に移すことなどを言います。性格などに慎重さを欠いている点で、いい加減な様子を表す「安易」の意味とよく似ていて、代わりに使うこともできますね。

【例文】

• あの人は調子が良くて軽率な性格だから安請け合いしがちで、手に負えないと分かると他の人に任せる傾向がありますよ。
• Aさん！開発中のおもちゃのことを家族に話すなんて、なんて軽率な行動をしたんだ。
• SNSに実名入りで会社の先輩の悪口書いちゃったの？軽率でしょ！早く削除しなさいよ。

「難解」（なんかい）とは、難しくて理解できないこと、物事の内容などがわかりにくく解釈がしにくい様子を言います。「安易」のように、物事をたやすくできる様子とは真逆の意味に取れますね。

【例文】

• 古文書はガイドブックや訳本がないと難解で、何が書かれているのかちっとも分からない。
• ワープロソフトや表計算ソフトは難解で、すぐに一人では上手く使いこなせないと悟り、パソコンスクールに通った。
• 「うちの職場の新入社員の話す若者言葉はとても難解だ」と父がこぼしていた。

「慎重」（しんちょう）は人の性格や行動、様子を表し、注意深くてめったに危険な真似をしないことや、落ち着いていて軽々しいことをしないことを言います。「安易」でいい加減な様子を表すこととは、反対に近い意味を持っています。

【例文】

• Bくんは石橋を叩いて渡るような慎重な性格です。少し物事の進め方は遅くとも、無理のない計画を練るので、上司からの受けが良いようですね。
• あの俳優は写真週刊誌に女性スキャンダルを掴まれないように、慎重な行動を心がけているらしい。
• Cさんはすべてにおいて慎重な人で、多くの人から信頼を勝ち得ている。