「一概には言えない」とは?意味や使い方をご紹介

「一概には言えない」の「一概に」の意味は曖昧でも、「一概には言えない」となればなんとなく分かる人は多いかもしれません。それほど、よく見聞きする言い回しです。まずは「一概に」の意味を知りましょう。今回は「一概には言えない」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「一概には言えない」とは?
  2. 「一概には言えない」の使い方
  3. 「一概には言えない」の類似表現

「一概には言えない」とは?

「一概(いちがい)には言えない」の意味を知るためには、まず副詞「一概に」をしっかりと理解することが先決です。「一概」は、強情なこと、すべてをひっくるめるさま、という2つの意味をもちます。

「一概に」は、ひっくるめて、おしなべて、ひとくちに、という意味の言葉です。細かな異なりは考慮せずに一様に扱うさまを表現し、用例の多くが打消し、否定の言葉を伴って「すべてが同じようには扱えない」という文意を構成します。

「一概に言えない」は、上記の「一概に」に「~ない」という否定の言葉を伴ったもので、ひとまとめにそうだと言えない、すべてがそういう訳ではない、という意味をもつ言い回しです。

「一概には言えない」の使い方

「一概には言えない」を使った文章構成

「一概には言えない」という言葉は、その前のどこか、あるいは、この言葉の間に入れ込むかたちのどちらかで、言及されている内容とセット使います。例えば、「~だと(は)一概には言えない」か、「一概に(~だとは)言えない」などの文章構成です。

会話であれば、相手の言うことを受け、「一概には言えないな」などと、この言い回しのみで応答する場合もあります。それもやはり、「(~だとは)一概に言えないな」が正確な表現であり、指示内容が省略されているかたちと理解しましょう。

「一概に言えない」という、「は」が省略された言い回しもよく使われますが、この2つの意味はまったく同じです。

「一概には言えない」のニュアンス

「ニュアンス」という言葉がぴたりとはまるほど、「一概には言えない」は、曖昧で微妙な空気感のある言い回しです。どのような感じの含みをもって使われているのか、いくつかの例を挙げてみましょう。

  • そうだと思うが、100%断定はできない。
  • 例外もあるのではないか。
  • ひとくくりにはできないと思う。
  • 一言で~というのもどうかと思う。
  • ~と言えない場合もあるのではないか。

(ほとんどその通りとは思うが、多少違う場合もあるのでは…)という、別の小さな可能性を表す状況から、(そうかもしれないが、まったく違うこともありえる)という、正反対の可能性を示唆するニュアンスまで、かなり幅広い異なりを含む言い回しだといえます。

「一概には言えない」の例文

  • 宝くじの一等に当たることが幸せと一概には言えない。そこから人生が転落する例もあるのだ。
  • 一概には、彼女だけの責任だと言えない。
  • オリンピックの誘致が経済発展に結びつく?一概には言えないな。
  • 一概には言えないが、自分としては、家族の平穏な関係については、血のつながりよりも相性の良さの要素がまさると思っている。

「一概には言えない」の類似表現

「あながち~とは言えない」

「あながち」は、必ずしも、という意味を表す副詞で、「一概に」の類語といえます。「一概に」と同じく、多くは打消しの語を伴って用いられます。

「あながち~とは言えない」は、「必ずしも~とは言えない」という意味を表します。

【例文】

  • あながち、高学歴だから仕事ができるとは言えない。
  • この結果は、あながち大失敗とは言えない。

「必ずしも~とは言えない」

「必ずしも~とは言えない」、ある状態、結果、評価などが完全なものとして定まっているわけではない、例外がある場合も考えられる、などの意味を表す言い回しです。

「必ずしも~ではない」「必ずしも~というわけではない」など、さまざまな否定形を伴って言い換えることができます。

【例文】

  • 必ずしも、バイリンガルであることが就職に有利になるとは言えない。
  • 病をもつことが不幸だとは、必ずしも言えない。そこから学べるものもあるのだから。

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