「犠牲にする」とは?意味や使い方を英語表現も含めてご紹介

「犠牲にする」は、使い方でがらりと意味が変わります。自分を「犠牲にする」のは時に愛ゆえ。他者を「犠牲にする」のは冷酷さの表れかもしれません。英語でも日本語でも、宗教的な意味も持つ「犠牲にする」。今回はその意味と使い方を英語表現も含めてご紹介します。

目次

  1. 「犠牲にする」とは?
  2. 「犠牲にする」の使い方
  3. 「犠牲にする」の英語表現

「犠牲にする」とは?

「犠牲にする」という言い回しは、名詞の「犠牲」+助詞の「に」+動詞の「する」で構成されています。この言葉の意味を知るには、まず「犠牲」の意味を理解しなければなりません。

「犠牲」の意味

「犠牲」は、宗教にも関係がある言葉です。意味は、大きく分けて下記の3つです。

  1. 神や天地などを祭るときに、対象への捧げものとして供える生き物のこと。あるいは、供えるために生き物を殺すこと、その動物、もしくはその儀礼。いけにえ。
  2. ある重要な目的のために身命やかけがえのないものをささげること。また、その供えものすべてをなげうってつくすこと目的の成就のために、伴う損失を顧みないこと
  3. 自分の意志に関係なく、戦争や偶発的な事故、災害などで命を失ったり傷ついたりすること。

「犠牲にする」で用いられている「犠牲」は、このうち2の意味によるものですが、なにを犠牲とするかによって言い回しの意味は異なってきます。

「犠牲にする」の目的語は、大きくわけて、自分と他者(または、自分以外のなにか)の2つに区分できます。

「何を犠牲にするか」によって意味合いが異なる

自分を犠牲にする場合は、一人称でいえば、「私は自分を犠牲に~」二人称、三人称の場合も同様で、「あなたは自分を犠牲に~」「彼は自分を犠牲に~」などのように表現します。

その場合の意味は、なにか大切なことや人を守るため、あるいはなんらかの目的のために、ときには命、あるいはかけがえないものを捧げたり、損失を甘んじて受けたりすることを指します。他者を守る場合は、無償の愛などにも例えられる行為です。

「犠牲にする」ものが他者、あるいは他の何かであった場合は、自分のために~の命、あるいはかけがえないものを捧げさせる、あるいは損失を被らせる、という意味になります。時には、自分の幸せや望むものを得るために、他を踏みにじる行為ともなりえます。

「犠牲にする」の使い方

「犠牲にする」ものが自分である場合、自分そのものであれば、命、身体(健康など)ということになりますし、自分の所有する財産や時間、愛する人などもあり得ます。その人自身のかけがえのないもの、というくくりですね。

一方、他者、他のものを犠牲とする場合も、人間であれば命や身体、または他者の所有物などである場合もあります。

いずれの場合でも、何らかの目的を叶えるために何か重要なもの(取り返しのつかないもの)を捧げるという点は共通です。さまざまな角度から例文を挙げてみましょう。

例文

  • 私は、自分の命を犠牲にしても子供は守りたいと思っている。
  • 彼は自分の時間を犠牲にして、会社の再建に没頭した。
  • 私は自分の夢のために恋人の結婚願望を犠牲としたため、別の道を選ぶことになった。
  • 鈴木部長は、自分の出世のためなら部下の健康を犠牲にすることもいとわない。

「犠牲にする」の英語表現

「犠牲」を意味する英単語でもっとも一般的な言葉は「sacrifice」です。「サクリファイス」という小説や映画、楽曲のタイトルもありますから、カタカナ語として聞いたことのある方もいるでしょう。

例文

  • I made a sacrifice of my property to support my intimate friend.(訳文)私は、親友を支援するために、財産を犠牲にした。
  • He sacrificed his life to reorganize his company.(訳文)彼は、自分の会社を立て直すために、自分の生活を犠牲にした。
  • She gave her life as a sacrifice to save her parents in fire.(訳文)彼女は、火につつまれた両親を救うために自分の命を犠牲にした。

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