「おおきに」とは?意味や使い方をご紹介

関西地方にお住いの方であれば、「おおきに」を「ありがとう」の意味で気軽に使っている方も多いのではないでしょうか。しかし、この言葉が略語であることまではご存知ないかもしれません。ここでは、「おおきに」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「おおきに」の意味
  2. 「おおきに」の使い方
  3. 「おおきに」の他に「ありがとう」を意味する方言
  4. 「まいどおおきに食堂」について

「おおきに」の意味

「おおきに」とは、主に京都・大阪など関東地方で広く使われている方言のひとつで、「ありがとう」の意味を持ち、軽い挨拶のようにも用いられます。

本来は「おおきに(大きに)ありがとう」のかたちでしたが、「ありがとう」が省略されて、前半だけで「ありがとう」の意を含めるようになったと考えられています。

「大きに」それ自体は、「非常に」「大変な」を意味する副詞です。しかし、現代では「大きな」や「大いに」と使われることが多いため、一般的に「おおきに」と聞いたら、「ありがとう」という意味の方言と受け止めて良いでしょう。

なぜ「ありがとう」が省略された?

「おおきに」は、それ単独では「とても~」と言っているだけで、感謝を意味する語彙が含まれていません。なぜ「おおきにありがとう」が「おおきに」と言われるようになったのでしょうか。

これは、心情的な距離感が関係していると考えられます。例えば、「ありがとうございます」はちょっとかしこまった印象がある一方で、「ありがとう」や「ありがと」と短く言えば、フレンドリーで身近な印象を与える傾向があります。

「ありがとう」と言葉にしてわざわざ言うのではなく、敢えて修飾辞のみに留め、続く言葉を相手に委ねることで、言外に通じ合うための感謝の心を伝えていると言えるのではないでしょうか。

「おおきに」の使い方

方言としての「おおきに」は、関西の広い地域で「ありがとう」の意で使われています。直接的な感謝以外でも、「いつもありがとう」や「これからもよろしく」といった意も含んでおり、「こんにちは」や「さよなら」に近いニュアンスもあります。

方言としては有名な部類に入りますが、関西以外では常用されているとは言えず、該当地域以外で口にすると相手にちょっと違和感を覚えさせてしまうかもしれません。

副詞としての「おおきに」は現代ではあまり使用されていませんが、文脈としては「大きい」ことをイメージすれば良いでしょう。

例文(方言として)

  • 行きつけの八百屋では、買い物をするたびに店主が「まいどおおきに!」と笑顔で見送ってくれる。(※「まいど」も方言で、単独では「ありがとう」に近い意味)
  • 京都へ引っ越して三か月。慣れるまでは方言を口にするのが気恥ずかしかったが、今では大声で「おおきに」と言えるようになった。
  • 関西出身の〇〇さんは、事務所へ入ってくる時、いつも笑顔で「おおきに」と言う。

例文(副詞として)

  • 彼女が無事に到着したと聞いて、私はおおきに安心した。
  • 誰かを守るための嘘でも、おおきに害を成すことがある。

「おおきに」の他に「ありがとう」を意味する方言

日本各地で「ありがとう」を意味する方言を簡単にまとめます。

  • だんだん…出雲弁として愛媛、広島、島根など西日本で用いられる。「だんだんありがとう」の略。
  • にふぇーでーびる…沖縄県で用いられる。親密な関係では「にふぇーど」も。
  • ごちそうさまです…新潟県などで用いられる。
  • おしょうしな…山形県などで用いられる。
  • ちょうじょう…熊本県などで用いられる。「重畳」の意。

該当地方でも、今はやや古い言葉として使用頻度が減りつつある言葉もあります。

「まいどおおきに食堂」について

「まいどおおきに食堂」とは、株式会社フジオフードグループが展開する飲食店のブランド名です。「心と身体においしいものを」をテーマに、どの年代にも楽しんでもらえるバリエーション豊かな食を提供しています。

北海道から沖縄まで400店舗以上を展開していますが、創業が大阪であること、関西に多く店舗を構えていることから関西地方にルーツがあることは確からしく、そこから方言に依存したブランド名を名付けたのではないかと考えられます。


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