「安泰」とは?意味や使い方をご紹介

「安泰」は、少々堅苦しく難しいイメージの言葉ですが、その意味は、誰もが望むであろう「無事でやすらか」なこと。人生において、「安泰」の時期は少しでも長く続いてほしいものです。今回は、「安泰」の意味と使い方を類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「安泰」の意味とは?
  2. 「安泰」の使い方
  3. 「安泰」の類語

「安泰」の意味とは?

「安泰」は、(あんたい)と読みます。安らか、安心、安堵(あんど)、天下泰平…。「安」「泰」の字が使われている言葉を思い起こしても、この言葉の意味はだいたい推察できるのではないでしょうか。

「安泰」とは、無事でやすらかなこと、また、そのさま不安や危険、心配がなく、安穏、平穏であること自身や身の回りが安定して穏やかであることなどを意味する言葉です。

「安泰」において、「安」は、やすらかである、心配がない、落ち着いているという字義を持ちます。「泰」は、やすい、やすらか、おだやかです。この同種の字が重なり、平穏さが強調される言葉となっています。

「安泰」の使い方

「安泰」は、会話にもよく用いられます。その使われ方は、個人の安泰から国家の安泰まで幅広いと言えます。「泰」という字は、両手を広げて水につかってくつろぐ人間を表す象形文字です。

手足をのばしてのんびりするイメージであれば、「安泰」が、人のやすらかさを意味するのにぴったりな言葉であることも納得できます。

「安泰」は、長期的な安心を表すことです。困難な取引がうまくいけば、ほっとし、高い評価も受けます。しかし、仕事は日々続くもの。新たな困難は山積みです。短期的安らぎに「安泰」は使えません

「安泰」の文例

上述したように、ひとつの成功で「安泰」を使うことは不自然ですが、仕事の実績を積み重ね、安定した高評価を得た結果、望む役職に昇進したとします。その場合、「安泰」は自然な表現となります。以下、いくつか文例を挙げてみましょう。
 

  • 長年の営業実績の高評価により、営業部長に昇進できた。僕の会社生活もしばらくは安泰だ。
  • 一代の蕎麦屋で終わると思ったが、長男が継ぐこととなり、この店も安泰だ。
  • 大型レジャーランドの誘致もできて、市の経済や将来も安泰だ。

「安泰」の類語

「泰安」

泰安(たいあん):「安泰」の二文字が逆になったこの言葉は、「安泰」とまったく同じ意味で用いられます。すなわち、やすらかなこと、危険や不安、心配がないこと。ただし、「泰安」は口語ではほぼ使われることがありません。

異なるのは、六曜のひとつ「大安(たいあん)」の由来であることです。日本人には、引越し、結婚などの日程を暦を見てきめる人も多く、そのもっとも良き「大安」の由来となれば、この言葉の意味にも納得がいきますね。

【文例】
多くの人々が、老後は泰安な日々を過ごすことを一番の望みとしている。

「安寧」

安寧(あんねい):無事で穏やかでやすらかなこと、異変や不安などがないこと、また、そのさまを意味する言葉です。「安泰」とほぼ同じ意味で用いられますが、異なるポイントは、対象が世の中、国家、社会など大きな規模で用いることが多いという点です。

個人的な用い方も、「心の安寧」など表現は可能ですが、上述の「安泰」の例のように、個人の社会的立場や家業の存続などに「安寧」を用いることはあまりありません。

「寧」の原義は、神に願いごとをして心安らかであるというものです。水の上で人がのんびりする「泰」よりも、「寧」が規模の大きなものを対象とするニュアンスが理解できます。

【文例】
大きな天災や事件がなく、世の中が安寧な年であることを心から祈る思いだ。

「平穏」

平穏(へいおん)変わったこともなく、おだやかなこと、また、そのさまを意味する言葉です。この言葉において、「平」は、おだやか、やすらかを意味します。「穏」は、おだやか、やすらか、ゆったりとしているという字義で、「平穏」の意味は容易に推察できることでしょう。

平穏無事という四字熟語では、「無事」が付加され、さらに「安泰」の意味に近くなります。

【文例】
これまで平穏無事な人生を送ってこれたことを、心から感謝している。


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