「歩を進める」とは?意味や使い方をご紹介

「歩を進める」という表現をご存じでしょうか。長い道のりを一歩一歩進んでいくイメージがありますが、リアルな道だけでなく、物事の進行をたゆみなく進めていくといった意味でもよく使われています。この記事では「歩を進める」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「歩を進める」とは
  2. 「歩を進める」の使い方
  3. 「歩を進める」の類語

「歩を進める」とは

「歩を進める(ほをすすめる)」とは、歩みを進める、つまり、歩いて先へ行くことから転じて、目標に向かって一歩一歩物事を進めて行き、ある段階から次の段階へと進めることを意味する慣用句です。

物事には段階というものがありますね。何か習い事をする場合でも、初心者には初心者の学ぶべき内容やカリキュラムがあり、それを習得すると次の段階(中級レベルなど)へ進んで行きます。

このように、「歩を進める」という表現は、ただ直線的に前へ進むだけではなく、ステップを上がるように向上する、上達する、次の段階に進む態勢が整う、といったニュアンスを含んだ表現です。

「歩を進める」の使い方

「歩を進める」は、目標を達成するまでの過程を道になぞらえ、一歩一歩道を進むように、それぞれの段階での課題をクリアし、継続して物事を取り組んで行くような場合に使われます。

仕事や日常生活に関わらず、様々な社会的活動において広範囲に使うことができる表現です。もちろん、実際に「道」を歩いて進んで行くときにも使います。

例文

  • 今回のプロジェクトでは、ようやく監督官庁の認可が下りたので次の段階に歩を進めることができるようなった。
  • 地元のピアノコンクールに優勝し、プロへの道に一歩、歩を進めた
  • 将棋の名人戦第5局で、挑戦者が3勝2敗となり、「タイトル獲得へあと1勝まで歩を進める」というニュースが報じられた。
  • 各分科会や有識者会議の結果がまとまり、法案作成へ歩を進めることになった。
  • 朝から登ってきて山頂がようやく見えてきた。このまま歩を進めていけば、日没までに山頂に到達し、山小屋に入ることができるだろう。

「歩を進める」の類語

「前進する」

「前進する」とは、文字通り前へ進むことです。取り組んだ物事を進行させていくことや前に歩いていくことから、物事がよい方向へ進んでいくこと進歩するという意味に転じて使うこともできます。

【例文】

  • 閣僚のスキャンダルで審議の止まっていた国会が、与野党の合意でようやく前進することになった。
  • 資金不足で中断していたプロジェクトが、あらたな支援者が名乗りを挙げたおかげで前進する兆しが見えてきた。
  • 最愛の妻を亡くした男は、悲嘆にくれつつも、幼い子供たちのために前進するしかないと元の生活に戻りつつあった。
  • 帰省ラッシュで高速道路をたくさんの車がゆっくり前進する映像が報じられている。

「一歩踏み出す」

「一歩踏み出す(いっぽふみだす)」は、一歩前へ足を出すことから転じて、勇気を奮い起こして、物事の最初の一歩を始めるということです。

何か新しいことをするときには勇気が必要になりますね。これは個人でも組織でも同じです。用意周到に準備していても、いざスタートというときには期待不安などの気持ちが入り交じり、時には躊躇(ちゅうちょ)することもありますね。

そういうときに、勇気を振り絞って始めることを「一歩踏み出す」という言葉で表現しています。

【例文】

  • 長い間引きこもっていたが、いつまでもこのままではいけないと感じるようになり、一歩踏み出すことにした。
  • いよいよ初舞台、不安と緊張で足が震える。ゆっくりと深呼吸して右足を一歩踏み出した

「ステップアップする」

「ステップアップ(step up)」は、上の段階へ進むこと、進歩、昇進ということ意味するところから、「ステップアップする」は、レベルが上がること昇進することです。

具体的には、技術や能力が向上したり、組織の中で高い階級や役職に就くことを指して使われています。

【例文】

  • 今季、応援しているチームが勝ち越し、一部リーグへステップアップした
  • 一念発起して受験勉強に取り組んだ結果、学力がステップアップしてレベルの高い大学への合格率が上がった。
  • 懸案(けんあん)の労使問題を解決に導いたことで、彼はステップアップして取締役に抜擢(ばってき)された。

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