「断る」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

インターネットや電話、郵便での不正請求や街頭キャッチセールスなど、あなたは「断る」ことができますか。「拒む」という類語もありますが、あやしいことや嫌なことを「断る・拒む」ことは大事ですね。この記事では「断る」について、意味や使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「断る」の概要
  2. 「断る」の意味
  3. 「断る」の使い方
  4. 「断る」の類語

「断る」の概要

「断」の意味

「断る/断わる(ことわる)」の「断」は、音読み「ダン」、訓読み「た-つ。ことわーる。さだ-める」と読み、意味は以下の通りです。

  1. たつ。たちきる。たえる。なくなる。「断絶、切断、中断など」
  2. きめる。さだめる。さばく。「断言、決断、判断など」
  3. 思いきって。きっと。かならず。「断行、断然、果断など」
  4. ことわる。わけを述べる。「無断など」

このように「断」には、1や2のように拒絶する・物理的に切り離す・止める・物事を決めるという意味以外に、3のように意を決したり、4のように理由を説明したりするという意味があります。このことは、「断る」の語源とも関わりがあります。

「断る」の語源

「断る」は、「理る(ことわる)」の語源と共通で、「事」+「割る」、つまり、事を割ることから、本来、物事の筋道や優劣・是非などを分けて判断するとか、筋道を立てて説明するという意味を表します。

ここから、「断る」には、事前に理を尽くして相手に知らせる、事情を説明して依頼などを辞退するという意味を持つようになりました。

「断る」の意味

以上のような「断」の字義や「断る」の語源から、「断る」には、以下のような意味があります。

  1. (事前に知らせて)了解を得る。許しを得る。
  2. 相手の依頼や要望に応じられないことを伝える。拒絶する。辞退する。
  3. 念のために伝える。
  4. 契約や雇用などの関係を終了させる。

「断る」の使い方

1の意味(了解や許しを得る)

体調が悪くて仕事や学校を休むために連絡することを「断りを入れる」と言いますね。このような時に使うのが1の意味の「断る」です。

【例文】

  • 相談事が本題に入る前に、友人は「はっきり言って、これからするのは、気分が悪くなる話だよ」と断った
  • 今日は微熱があって体がだるいので、顧問に断ってクラブを休むことにした。

2の意味(拒絶や辞退)

人は、職場や学校、ママ友など、いろいろな人間関係の中で誘われたり、頼みごとをされたりすることがありますね。そういう誘いなどを「断る」のはなかなか勇気のいるものです。2の意味は、そういう場合に使う「断る」です。

【例文】

  • 大学時代の先輩から飲み会に彼女を連れて来いと言われたが、先輩は手が早いし、彼女も嫌がるので断ることにした。
  • どうしてもお金がいるので、親戚に借金を頼んだら、断られたあげくに説教された。

3の意味(念のために伝える)

すでにメールなどで周知されている職場内での伝達事項など、みんなが知っていることでも、改めて話したり伝えたりする場合がありますね。そのような場合にも「断る」を使います。

【例文】

  • もうみんな噂で知っていることだから断るまでもないと思いますが、今期はボーナスが支給されないことが正式に決定されました。
  • 本日、出演予定の俳優が急病のため、急遽(きゅうきょ)代役にて上演することになりました。あらかじめお断り申し上げますとともに、ご理解のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

4の意味(契約関係を終了させる)

社会生活においては、様々な契約関係が存在します。そのような契約関係を終了させる場合にも「断る」を使います。

【例文】

  • 今はインターネットでニュースやいろいろな情報を知ることができるので、長年続けていた雑誌の定期購読を断ることにした。
  • 納品ミスが重なって、取引先から来月以降の取引を断ると言い渡されてしまった。

「断る」の類語

「断る」には、拒む・はねつける・突っぱねる・辞退する・固辞する・拒否する・拒絶する・却下する・退ける・遠慮するなど数え上げたら切りがないぐらいたくさんの類語がありますが、今回はこの中から三つだけご紹介します。

「拒む」

「断る」の類語としての「拒む(こばむ)」の意味は、相手の要求などを拒否することです。「拒む」には、相手の高圧的、威圧的な要求や命令に対する強い拒絶の意思が働いていますが、「断る」にはそれほどの強い意志はありません。

拒否、拒絶、はねつける、突っぱねるといった言葉や表現も「拒む」と同様の強い意志を含んでいます。

【例文】

  • 業務命令を拒むと報復人事が怖いと先輩から教えられた。
  • 彼女が、合コンで知り合った男性の誘いを拒むと、その男性は突然怒鳴りだした。

「遠慮する」

「遠慮(えんりょ)する」は、「断る」の2の意味の婉曲的(えんきょくてき)な表現としても使われます。相手の気持ちを考えて柔らかく拒絶するというニュアンスですね。

【例文】

  • 折角のお誘いですが、今回は遠慮します
  • 本当はもっと食べたかったけど、太ると嫌だから追加注文は遠慮することにした。

「退ける」

「退ける(しりぞける)」は、多義語ですが、「断る」の類語として、相手の要求や主張を拒むという意味があります。拒むや拒絶のようなきつい感じは受けませんが、強い拒否の意思が働いている言葉です。

【例文】

  • 最高裁判所は、検察側の上告理由を退けて、被告人の無罪が確定した。
  • 事前の根回しで、取締役会での社長解任動議を退けると、専務派の役員が辞表を提出した。


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