「用意周到」とは？意味や使い方をご紹介

「用意周到」（よういしゅうとう）とは、細部まで心配りがされていて、事前に必要なことを手抜かりなく揃えられている様子を表す四字熟語です。

「用意」はすぐに行動に移せるよう、事前に必要な物事を揃えておくこと、「周到」は手落ちがなく細かいところまで行き届く様子を表します。

「用意周到」は褒め言葉で使われるイメージが強いかもしれません。しかし、「用意周到」という言葉は、実のところ物事の良し悪しに関わらず用いることができる言葉なのです。

「用意周到」という言葉は、単に準備が手抜かりなく行えているという意味です。「手抜かりのない状態」は、良いことなのは間違いないですが、「細かな準備」という部分で、明らかに行き過ぎてしまうことも考えられます。

そういった意味で、「用意周到」という言葉は準備の緻密さを褒めるポジティブな意味でも、重箱の隅をほじくるような細かさを皮肉るネガティブな意味でも、使うことが可能なのです。

前もって必要な物事を準備できる細かい気配りができる性格の持ち主を「用意周到な人」と表現できます。非常に几帳面であったり、準備がされているため、非常事態でもすぐに対応できるイメージがあります。

「用意周到」は、事前に綿密に練られた計画や企画などを表すのにも使われる言葉です。イベントなどで、細かい部分まで詰められた「用意周到な計画」がなされていれば、失敗せずに滞りなく進行できることが期待できます。

犯罪や人の追い落としを図るなど、悪い計画を非常に細かい部分まですり合わせて立てている場合や、細部まで用意する様子が執念深い性格に感じられる際に「用意周到」をネガティブな意味で使うことも可能です。

例えば、推理ドラマやミステリーの中で、犯人の様子について説明する場合、「事前に用意周到な密室トリックを考える犯人だ。」「用意周到なアリバイがある。」という例もあります。

「用意周到」とする犯人の綿密に計画できる頭の良さや、他人に自分の悪意がばれないように計画的に振る舞うずる賢さを表現しているようにも取れますね。

• Aさんは用意周到な人で、イベントの幹事を任せると安心だ。
• 用意周到な計画を立てて、多くの来場者に喜んでもらえた。
• 容疑者は積年の恨みを晴らそうと用意周到な計画を立て、完全犯罪を目論んだ。
• 用意周到な時刻表のトリックを使った推理小説は、鉄道ファンに人気がある。

「用意万端」（よういばんたん）は、本来は「準備が必要なこと全て」を指します。「万端」とは、物事の全てという意味です。転じて、準備が必要なものは全て整えてあるという状態を表します。手抜かりなく綿密に全てを準備しておく「用意周到」と似た意味の四字熟語ですね。

【例文】

• キャンプに必要なものは用意万端、いつでも出かけられますよ！
• 明日の支度もしてくるなんて、用意万端な人だね。

「用心堅固」（ようじんけんご）は、何事にも注意深く気配りが行き届き、しっかりとしていることです。「用心」は気をつけること、注意深く警戒している様子をいいます。「堅固」は意志が強く、相手になびかずしっかりしていること、守りが厳重なことを指す言葉です。

【例文】

• 彼は人前では用心堅固の性格であるように見せている。
• 用心堅固の見本のような佇まいのこの家には、一体誰が住んでいるのだろう。

「無為無策」（むいむさく）は人がどのような対策や手段も用いず、何もしないでいることをいいます。つまり、我関せずで無計画のままでいる様子ともいえます。万事手抜かりなく準備する「用意周到」とは逆の状態を表す言葉ですね。

「無為」は何もしないで無駄に過ごしていること、手を加えずに成り行きに任せている様子のことです。「無策」は前もって対策や手段を講じないこと、計画や見通しをおろそかにすることをいいます。

【例文】

• 開店計画の問題点が出てきたのに、社長が無為無策でいるのは何とも歯がゆいことだ。
• 隣国から攻め込まれても、国王は無為無策で遊びほうけている。