「応対」とは?意味や使い方を「対応」との違いを含めてご紹介

「応対」も「対応」も、心がこもるものであれば、嬉しいですね。同じ漢字二文字で成り立っているため、この二つは同じ意味だと誤解されがちですが、はっきりと区別して使うべき異なる意味をそれぞれに持っています。今回は「応対」の意味や使い方を「対応」も含めご紹介します。

目次

  1. 「応対」とは?
  2. 「応対」の使い方
  3. 「対応」とは?

「応対」とは?

「応対」(おうたい)は、(対象となる人物の)相手となって受け答えすること、客などをもてなすこと、応接すること、を意味する言葉です。注意すべき点は、対象が人間のみであることです。

ただし、「電話応対」という言葉もあるように、「応対」は、必ずしも直接人に対面しなければならないわけではなく、電話やパソコン、メールなどを媒介としての受け答えも含みます。

字義

意味を理解しやすくするために、「応対」を構成する二字の字義を挙げておきます。

「応」は、多義的な字ですが、「応対」の「応」は、こたえる、うけこたえる、という意味によるものです。

「対」も多義的ですが、「応対」の「対」は、こたえる、応ずる、という意味。「応」も「対」も同じ意味のものを重ねての「応対」だとわかります。

「応対」の使い方

「応対」の使い方を理解するには、「対応」との違いを知ることが有益です。「対応」の詳細は後述しますが、ここでは、わかりやすい例で「応対」と「対応」の異なりを説明します。

例えば、仕事で取引先を訪れる人が最初に対話するのが、受付担当者だとします。受付担当者が、来訪者に氏名や面談相手、要件などを尋ね、指定の部署や部屋などを伝えます。ここで受付者が発する言葉や態度の総体が「応対」です。

ポイントは、「応対」は、来訪者の要件そのものへの関わりが一切ないこと。たんに、来訪者が目的を果たすための橋渡し、案内にとどまっています。来訪者の要件には、案内された先の部署の担当者が「対応」します。

「応対」の大切さ

上記の例で、「応対」はどのような意義をもつのでしょうか。受付担当者が、もし、不審者を見るような目つきや、詰問調で訪問目的を問うようなことでもあれば、来訪者は気分を害してしまうかもしれません。

反対に、受付者が丁寧で温かみある言葉や優しい笑みを伴って応接すれば、訪問者のその会社への印象も良くなり、取引によい影響が波及する可能性すらあります。

このように、「人」を対象とする「応対」は、言葉づかい、表情、態度やものごし、マナー、コミュニケーション力などが重要な要素となります。来訪者の要件に関わるのは「対応者」ですが、「応対者」も対応の取次役として重要な意義を果たします。

「応対」の文例

  • A社の受付は、本当に丁寧で親切な応対をしてくれるので、そのあとの仕事にもテンションが上がるよ。
  • 初めて恩師のお宅を訪問したが、最初に応対してくれた奥様が不機嫌な感じで、一挙に緊張してしまった。

「対応」とは?

「対応」(たいおう)は、多義的な言葉ですが、「応対」との比較における「対応」は、相手や状況に応じて物事を対処したり、ふさわしく行動すること、を意味します。上述の例でいえば、受付の「応対」を通じて会議室に現れた訪問者の要件に対処する部分を指します。

「応対」の対象は人間のみですが、「対応」の対象はきわめて広くなります。人間の相手、仕事の遂行、自分の状況への対処など、ありとあらゆる状況への取り組みが「対応」です。

ある種のテレフォンオペレーターは、まず電話応対、そのあと自ら注文を受けたりと、「応対」「対応」の両方をこなす場合も多々あります。また、接客業なども「応対」「対応」が同時に発生することの多い業種です。

「対応」の文例

  • A社の受付の応対は良かったのだが、肝心の担当者の対応は不親切きわまりなかった。提示された条件も悪かったので、A社との取引はやめることにした。
  • プリンターが故障したのだが、カスタマーサービスの技術者が電話で見事な対応をしてくれて、すぐに問題が解決した。
  • 子どもが反抗期に入り、毎日息子の文句や反発に対応するのに疲れてしまった。
  • 偏食の自分にとって、特別な注文にも笑顔で対応してくれるシェフにいつも感謝している。


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