「遂行」とは?意味と使い方をご紹介

「遂行」(すいこう)は、(ついこう)と誤読されやすい言葉です。「職務の遂行」など、ビジネスシーンなどには欠かせない重要な言葉ですから、社会人であればしっかり理解しておいたほうがいいでしょう。今回は「遂行」の意味と使い方を類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「遂行」とは?
  2. 「遂行」の使い方
  3. 「遂行」の類語

「遂行」とは?

「遂行」(すいこう)は、物事任務、仕事などをなしとげること、完全にやり通すことを意味する言葉です。「遂」の字が「遂(つい)に」と読むことから馴染み深いためか、(ついこう)と誤読されることがよくある言葉です。

「遂」は、「遂行」においては、とげる、なしとげる、やりとげるという字義で用いられています。「行」は、多義的な漢字ですが、「遂行」では、おこなう、ふるまう、おこなわれるという意味です。ここから「遂行」の基本的な意味が、行いをなしとげるであることがわかります。

「遂行」の使い方

「遂行」は、「やりとげること」であるのにも関わらず、時には「遂行しつつある」「遂行中」などと表現されることがあります。これは、やりとげることを前提とした仕事にあたっているという意味で使われているのでしょうね。

そのような使い方があるためか、「遂行」は「実行」に近いニュアンスで使われることがあります。言葉は生き物のように時代とともに変わる場合がありますので意味も変化するかもしれません。

「遂行」の対象となる事物や状況は、社会的、業務的なものが多くなります。また、すぐに完結できる小さな規模のものよりは、仕事、プロジェクト、イベントなどある程度の規模を持つものを対象とすることが多いでしょう。

「遂行」の文例

  • リーダーとしてまかされていたプロジェクトを無事に遂行することができて、安堵している。
  • 君が海外で活躍したいのなら、まずは現在、目の前にある仕事を完璧に遂行することだ。
  • いま遂行しつつあるイベントにぜひ参加していただきたい。
  • 宇宙ステーションが、時々夜空に見えるが、あの中で宇宙飛行士たちが任務を遂行中なのだと思うとワクワクしてしまう。

「遂行」の類語

「完遂」の意味と使い方

「完遂」は、(かんすい)と読みます。この言葉も(かんつい)と誤読されることがあります。最後までやり通すこと、完全になしとげることを意味する言葉です。

意味は「遂行」と同じですが、「遂行」のような「完遂しつつある」「完遂中」という使い方はありません。その意味でも、実行、実施に近いイメージのある「遂行」よりも、「完璧になしとげた」時点にフォーカスされた言葉です。

やりとげた成果をアピールしたいときは、「遂行しました」よりは「完遂しました」を選んだほうがポジティブなインパクトがあると言えましょう。

【文例】

  1. 野外ライブを無事に終えたメンバーたちは、ライブを完遂した喜びと達成感に浸った。
  2. 部長にプロジェクトの完遂を報告すると、肩をたたいてねぎらってくれた。

「履行」の意味と使い方

「履行」は、(りこう)と読みます。契約や決めたこと、言ったことをその内容通りに行うこと、実行することを意味する言葉です。

「遂行」や「完遂」は、与えられた仕事や任務などの役割を成し遂げることですが、「履行」は、相手との間で交わされた約束などを果たすことです。果たすという意味で「遂行」の類語たりえます。

【文例】

  1. 本日午前中までに食器セット10点をクライアントに届けるという契約を無事に履行できた。
  2. 君が手伝ってくれたおかげで、○○のデータを収集・分析するという向こうの担当者との約束を期限内に履行することができたよ。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ