「系譜」とは?意味や使い方をご紹介

「系譜」という言葉は、日常会話や一般的な文面ではあまり馴染みのない言葉かもしれません。「家系図」なら、すぐに意味がわかるかもしれませんが、「系譜」は「家系図」も含んだ言葉です。今回は「系譜」の意味と使い方を類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「系譜」とは?
  2. 「系譜」の使い方
  3. 「系譜」の類語

「系譜」とは?

「系譜」は、(けいふ)と読みます。大きくわけて下記の2つの意味を持つ言葉です。

  1. 親子などの血縁関係のつながり(連鎖)のこと。または、それを順次記録した図や文書。②先祖から子孫への一族のつながり。③芸術や学問などにおける師弟関係などのつながりそれらの図や記録。
  2. 同じような性質や要素を受け継いでいる事物のつながり。

1は、人間のつながりであるため、自分の家系図を見たことがある人もいるでしょう。著名人の「系譜」が話題になることもありますし、歴史上の人物の系譜などは、特に研究資料として公開されているものもあります。2の事物における系譜も、学術的に貴重な資料となりえます。

「系」「譜」の字義

「系」音読みは(けい)訓読みは(つな-ぐ。すじ)で、二つの意味があり、一つは「つなぐ。つながり。つづき」です。系譜の「人間におけるつながり」における「系」は、この意味で用いられています。他の例としては「家系図。系列」などがあります。

二つ目の意味は「分類でのまとまりや組織」です。系譜の「性質や要素における事物のつながり」での「系」が、この意味で用いられています。「銀河系」や「理系」などですね。

「譜」音読みは(ふ)、訓読みが(しる-す。つづ-く)です。多義的な漢字ですが、「系譜」で用いられている意味は「記す。系統だてて記す。記したもの」などです。

「系譜」の使い方

「系譜」には、上記イラストのような図も含みますが、父母双方でたどる家系図とは異なり、父方、母方いずれかだけをたどる場合も多いようです。また、名や続柄が中心の家系図に比べ、出生、死亡年月日や死因、本籍地、職業などの情報を加えることも多いのが特徴です。

日常で「系譜」を目にする機会は、「血縁」系よりは「ジャンル分類」系のほうが多いでしょう。特に、論文やメディアの解説記事などでは頻出します。(例:印象主義の系譜に属する画家、アララギ派の系譜の歌人、など)

事物の系統における「系譜」は、派閥や主義そのものでくくるかたちで使われます。資本主義の系譜、ロマン派の系譜などが例として挙げられます。

「系譜」の文例

  • 仏像に惹かれる自分が不思議で祖先の系譜をたどったら、母方に僧侶がいたことが分かった。
  • 叔父は、社会主義の系譜の政治家だ。
  • 印象派の系譜の絵画には光が溢(あふ)れるような明るさがあり、眺めていると癒される。

「系譜」の類語

「家系」の意味と使い方

「家系」(かけい)は、家の血統、血筋、系統を意味する言葉です。かつての日本は、「家」の存続に大きな価値がありました。家長に子がいない場合は養子を、男子がいない場合は娘に婿を迎えるなど様々な手段で家を存続させました。

今、「家系」と検索すると、ラーメンの項目が多くヒットしますね。あちらは(いえけい)。横浜の○○家と家がつく屋号のあるラーメン店の「系譜」を「家系」と称します。ここでも「系」の字義を知っておくと意味を考えるのに役立ちますね。

「家系」は、「系譜」の意味のうち、血縁、師弟関係などで類語たりえますが、事物のつながりという意味は一切ないことに留意して使いましょう。

【文例】僕の家系をたどっていくと、なんと遠い祖先は武家だったので驚いた。

「系統」の意味と使い方

「系統」(けいとう)とは、「系譜」と同様、人間のつながりにも事物のつながりにも使える言葉です。代表的な意味をいくか挙げてみましょう。

一定の順で続く、統一のあるつながり。②血統、血筋。③同じ種類や方面に属すつながり。④個々のものを順に並べ、全体がひとつに機能するようにまとめたものシステム。

【文例】

  • 君は、報告書を作成するさいに、さまざまな事例をもっと系統だってまとめてゆくべきだ。
  • 今年の秋の天皇賞優勝候補は、過去に数多くの賞を獲得した馬の系統だそうだ。


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